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トニカの地位 短旋法の行方 [楽理]

 今回語る事は「短調とは何であろうか!?」という旧来から多くの作曲家・理論家が答を見出せずにいたテーマを語りつつ、記事タイトルにある示唆的な「トニカの地位」という楽音の可動的変化という側面を語って行こうとする狙いがあります。


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雪しまき 2016年1月 [楽理]

 2016年を迎え著名な音楽家が逝去とのニュースが巷間を賑わせております。ブーレーズ、デヴィッド・ボウイ、グレン・フライ(イーグルス)。グレン・フライに関しては本ブログ投稿から数日しか経過しておりませんので世間での余波というのはまだ実感しないものの、CDショップでは既にブーレーズ関連やデヴィッド・ボウイ関連のCDの陳列はあらためて目を瞠る物があります。正直な所CDショップでは、デヴィッド・ボウイの音楽性と影響力の大きさをあらためて大きな物だと再認識しているのではないでしょうか。ビジネス的にも相当良い影響が出ている様ですし、何より新譜の「★」の評価が高いという所での訃報ですからより一層話題に拍車を掛けているのだと思います。


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基底に諂うのか、背くのか [楽理]

 我々が感ずる「調性」というのは主音と属音が大きな役割を握っている事は言うまでもありません。というよりも、オクターヴという絶対完全協和音が次なる低次の「完全協和」へと割譲する為に今度は完全五度が生じ、その「端切れ」の完全四度の地位は完全五度よりも低いものであるという理解とするのが正しいのであります。


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強勢と弱勢 [楽理]

 今回は記事タイトルからもお判りになる様にリズム面について語る事になる訳ですが、タイトルに用いた「強勢と弱勢」という呼称を現在の音楽教育の現場では「強拍と弱拍」という風に教える事の方が多い事でありましょう。然し乍ら私はそれらを敢えて「強勢と弱勢」という、聊か古めかしい方の表現を使うのは私なりの意図があっての事なのであります。


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主観的偏重を生ずる音程 [楽理]

 先日、テリー・ボジオのチャイムやゴングを使用して微分音を操っている動画がamassを通じて流れていた為、YouTubeにアップされていた動画を見ると、特に1:33〜の部分のそれには心地良い和声感を得る事が出来たモノでした。




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テンポに埋没されないグルーヴ感 [楽理]

 前回のブログ記事で私の意図する所であった、トム・シューマンの「To B.E.」を例示しつつ曲中に用いられる連符を堪能していただきたかった理由には、大抵の人が体得しておられる連符が3連符とその整数倍に細分化する位の物に過ぎず他の多様な連符《特に素数の連符》を体得しておられる方となると意外にも少ないという点に一石を投じたい、という所にあります。然もそれが音を連ねて埋め尽くしてしまう類のタイム感しか体得していない人が多いものだから、殊に5連符とか遭遇すると──こんな事は誰でも出来ますが──5つのパルスを一挙に連ねて奏してみたり、ノート・イネガルのルレ(2:3の5連符)やら逆付点型のルレ(3:2の5連符)、果ては中抜き型の5連符や1:4 or 4:1型の5連符のリズムなどは理解の外として扱う事も少なくない事でありましょう。


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ジャズ・ピアノ考察 《トム・シューマン》 [楽理]

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 先頃YouTubeの方では既にアップしているトム・シューマンの楽曲「To B.E.」は1stソロ・アルバム『Extremities』に収録されている名曲のひとつとして挙げられる作品でありましょう。曲名から察するにビル・エヴァンスの「Elsa」をリスペクトした曲であるのに疑いは無い処です。




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属七と副七 [楽理]

 扨て久方ぶりのブログ更新となる訳ですが、今回はタイトルにも有る通り属七(ぞくしち)と副七(ふくしち)という和音の種類を取り扱います。


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