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非和声音 エシャペとノータ・カンビアータ [楽理]

 今回は非和声音に括られる「エシャペ échappée」と「ノータ・カンビアータ」について語っておこうと思います。これらの非和声音の取扱いは非常に重要であるのですが、ジャズ/ポピュラー音楽界隈に於てこれらの非和声音を詳らかに語られる事は先ず無いでありましょう。通俗的な音楽を規準に語られる事のない題材だと嘆息混じりに読むのを止めてしまう方も居られるかとは思うのですが、私のブログで取り上げる以上は西洋音楽界隈だけの見渡しで語る事はないのでお付き合い願いたいと思います。

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『ハーモニー探究の歴史』と《「調」と「調性」》 [書評]

 2019年初頭、音楽之友社から『ハーモニー探究の歴史』が刊行された事は記憶に新しい所ですが、ソメイヨシノ開花の報せを聞いてからの書評とさせていただく事に。

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「Jingle Y. M. O.」 楽曲解説 [YMO関連]

 イエロー・マジック・オーケストラ(以下YMO)のアルバム『X∞Multiplies 増殖』(以下『増殖』)収録の「Jingle Y. M. O.(以下「ジングルYMO」)の譜例動画デモを急遽作る事になったので、これを機会に楽曲について語る事に。

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ディミニッシュ系和音から見るジョージ・ベンソンの「Mimosa」 [楽理]

 今回はジョージ・ベンソンの楽曲「Mimosa」を取り上げる事にしますが、YouTubeには既に「Mimosa」のイントロを挙げているのでお判りの方もご存知かと思います。イントロ部を楽理的に縷述する事になりますが、その前に述べておきたい事が幾つかありますので、先ずは「Mimosa」の別ヴァージョンについて語る事に。

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長短混淆 [楽理]

 今回の記事タイトルは音楽的な意味に於ける「長・短」の世界観が混淆とする世界観の事を表わす物であります。長調と短調と言えば良いでしょうか。

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『シュトックハウゼンのすべて』を読んで [書評]

 2019年2月末、アルテスパブリッシングから松平敬著『シュトックハウゼンのすべて』が刊行されたのは記憶に新しい所であり、待ちに待った音楽書の発売に胸を躍らせ、シュトックハウゼンの全作品が網羅されるそれを拝読、否、拝戴させていただいたのでありますが、それにしても素晴らしい本が刊行された物だなと感服する事頻りであります。作品毎に断章を取って読む事が出来る様に纏められているので貴重な音楽資料が新たにひとつ加わったという印象であります。読んでいて茲迄知的好奇心を揺さぶってくれる緻密な内容に加え、詳らかな脚注、図版・譜例などの圧倒的な情報量の前に、能くもまあこの価格で発売する事が出来たものだと驚かされるばかりで、著者をはじめとする出版関係者の並々ならぬ努力と労劬が垣間見える物であります。どんな言葉で言い表わそうとも卑近な言葉にしてしまうのでないかという恐懼の念に堪えぬ、まさに筆舌に尽くし難いとはこういう書籍の事を道うのだろうとあらためて痛感させて呉れる物です。

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『関ジャム 完全燃SHOW』について [楽理]

 テレ朝系列で毎週日曜23時台に放送されている『関ジャム 完全燃SHOW』という番組は多くの放送回にて音楽の楽理的な側面を掘り下げているのが特徴的な所であり、そうした側面を音楽的素養の浅い視聴者が目にしても理解される様に作り上げる制作サイドの並々ならぬ努力には相当な労劬を伴うであろうと思い乍ら視聴している私であります。

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