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テンポに埋没されないグルーヴ感 [楽理]

 前回のブログ記事で私の意図する所であった、トム・シューマンの「To B.E.」を例示しつつ曲中に用いられる連符を堪能していただきたかった理由には、大抵の人が体得しておられる連符が3連符とその整数倍に細分化する位の物に過ぎず他の多様な連符《特に素数の連符》を体得しておられる方となると意外にも少ないという点に一石を投じたい、という所にあります。然もそれが音を連ねて埋め尽くしてしまう類のタイム感しか体得していない人が多いものだから、殊に5連符とか遭遇すると──こんな事は誰でも出来ますが──5つのパルスを一挙に連ねて奏してみたり、ノート・イネガルのルレ(2:3の5連符)やら逆付点型のルレ(3:2の5連符)、果ては中抜き型の5連符や1:4 or 4:1型の5連符のリズムなどは理解の外として扱う事も少なくない事でありましょう。


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