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硬減和音とドミナント7th Flatted 5thの同義的解釈 [楽理]

 扨て、前回は終盤にてディミニッシュ・トライアドという和音からの半音階的変化を語って来たので、愈々、多義的なドミナント7thの使用例を挙げ乍ら語って行く事にしましょう。


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ブルーノートと混同してはならない同義音 [楽理]

 前回のブログ記事にて力瘤を蓄えるかの様に語っていたのはタイトルが6thコードという事もあり、その辺りの印象が強く残るかもしれませんが、真に注目してもらいたい点というのは、解決という進行を行わない静的なドミナント7thコードが持つ7度音の特徴についてだったのです。その七度音は、後続和音に「半音の勾配」を転がり込む訳ではなく、ドミナント7thコードは解決することもなく「一発コード」の様にしてアンサンブルに坐している時もあります。


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6thコードの真の取扱い方 [楽理]

 扨て、これまではドミナント7thコードの「多義的」な部分を語って来た上での2014年度の音楽関連書籍の書評となった訳ですが、話題は逸れたとは雖も、其処彼処に音楽関連書籍の書評に相応しいコメントを付したと思うので、読み手の方の興味が殺がれる事の無い様に配慮した積りでありました。そこで今一度ドミナント7thコードという物を語って行こうかと思います。

 6thコードの取扱いについて手短かにアクセスしたい方はこちらにアクセスしていただき、更にリンク先記事の偽終止の件をもお読みになる事を推奨します。



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TBS系列ドラマ『流星ワゴン』BGMに用いられる微分音 [楽理]

 2015年1月から放送が開始されたTBS系列ドラマ『流星ワゴン』のBGMサントラに興味深い音があると私の知人が教えて呉れたので、取り敢えずは録画していた物をあらためて確認する事となった訳ですが、そこにはやはり微分音が使われていた、という訳です。


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2014年度私的音楽関連図書ランキング (2) [書評]

 扨て、前記事は私的音楽関連図書ランキングの10位〜4位までを紹介したので、続きを語っていくことに。


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2014年音楽関連書籍私的ランキング [書評]

 今年も私的ランキングを語る季節がやってきたのでありますが、2014年度の音楽アルバムのランキングは行わない事にしました(嗤)。

 その理由はあまりにも新譜が少なく、その中で気に入った物は多いものの、買った物を単に列挙する様になってもアレなので、そうすれば「楽曲」ランキングをすればいいのでしょうが、4つ星&5つ星クラスの曲に遭遇しなかったのも事実。3つ星級なら挙げられるのですが、そうすると今度はこれらクラスからの優劣を付け合う事で上位と下位は孰れも3つ星なのに矛盾を来してしまうという事でヤメました。

 今年度は私的音楽関連図書ランキングとさせていただく事にしたという訳です。こっちの方がよっぽど価値が高いと思われますし、そんな訳でランキングをさせていただく事に。


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一義性と多義性の岐路 [楽理]

 扨て前回のエンハーモニック・トランスフォーメーションを載せた譜例はG7の構成音であるd音とf音を敢えて「c##(Cダブル・シャープ)、e#」という風にさせて、そこからg音はf#音への勾配、c##はd#へと勾配がつき、e#はf#に勾配が付いている、という事が判るものなのです。つまりそれはG7→Cではなく、G7→Bなのでありますね。
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非機能的な世界 [楽理]

 チャーリー・パーカーがバップ・イディオムにおいてsus4という本位11度の方面をより注視したのは、転がり勾配をつける為の策であったのは言う迄もなく、その上で仮想的に図る「ツーファイヴ解体」において逐次「オルタレーション」をすれば良いという合理的な物であったという事を濱瀬元彦は自著『チャーリー・パーカーの技法」にて詳らかに語っているという事があらためて判る事でしょう。処が、それすら理解できぬ輩も少なからず存在するのも事実ではありますが、あそこまで丁寧にバップの手法を語って呉れる本など無いのに、それをも理解できぬ人間は一体何を学んで来て何を覚えようとしているのか!?と思う事は多々有ります。


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複音程の行方 [楽理]

 ジャズは、都度現れる和音の響きに硬さを求める為、その和音がトライアドという状況は非情に少なく、実際には四声体以上の和音を多く取扱います。四声体を超えた五声体となれば、三度堆積構造の和音の場合なら九度音を用いる「九の和音」の到来を待つ事となります。前回私が述べていた、ジャズのコードは基底和音にも硬さを求めるので7度音を附與するというのはそういう意味です。


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調性の変遷 [楽理]

 扨て、メロディック・マイナー・モードが視野に入ると調性感は中性的になり、軈ては平行を許容するという事を語って行く事にしますが(メロディック・マイナー・モードのIV度上とV度上がドミナント7thコードを形成)、それを語る前に調性がどのように扱われていたか!?という事も先ずは語っておかなくてはなりません。特に短調組織は多様だったので、そういった側面も含めて今一度語っておく必要があるでしょう。


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