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YMO作品「Camouflage」に見られる31等分平均律および楽曲解説 [楽理]

 今回はYellow Magic Orchestra(以下YMO)のアルバム『BGM』に収録の、高橋幸宏作品となる「Camouflage(邦題:カムフラージュ)」について詳述していこうと思うのですが、本記事タイトルにもあるように、本曲では31等分平均律(以下31EDO)に基づいた微分音使用が顕著であるので、その辺りも詳しく語って行こうかと思います。

Camouflage_Logo.jpg




 扨て、31等分平均律を話題にするのはこれが初めての事ではありません。過去には坂本龍一のアルバム『B-2 UNIT』収録の「participation mystique」や同氏のアルバム『esperanto』収録の「A Wongga Dance Song」でも使用されている事を取り上げた事があるので、ブログ内検索をかけていただければ過去の記事を引いて来れるのでそちらも併せてご確認いただければと思います。

 とはいえ、YMO作品で31EDOの取扱いとなると遉にそれは本曲が初出となる物で(※1stアルバムでは四分音&八分音などの微分音使用が認められるが31EDOではない)、珍しい状況となるのですが、31EDOの取扱いに於ての貢献者は紛れもなく坂本龍一の関与である所に疑いの余地は無いでありましょう。

 通常の12等分平均律とは丸っきり異なる音律の《魔術めいた》魅力がある事を坂本が熟知していたからこそ、それをYMOにもフィードバックさせたのでありましょうし、YMOというバンド形態が俄かに崩壊しつつある事が外部にも漏れ伝わる様になって来ていた所に区切りを付ける意味での「魔術」のフィードバックだったのであろうと思います。

 そうした楽曲への配慮を施す事で《黄色い魔術》へのけじめを付けたかったのでもありましょう。兎にも角にも坂本龍一の微分音のアピールは凄い物で、私が知る限りではアルバム『千のナイフ』収録の「The Island of Woods」から始まっており、聴き手が一向に微分音の存在を感じ取らない所に苛立ちがあったのではなかろうかとも思います。

 同時に、そうした聴衆を嘲笑うかの様に自身の制作したい音楽を探求していた事が、より制作意欲を先鋭化させ、YMOに限界を感じていたのでもなかろうかとも思います。当時のあのYMOに限界を感じるというのは、余程の立ち位置でない限りは限界レベルを鳥瞰する事は難しかったであろうと思いますが、坂本のみならずYMOの各人が人との関わり合いに罅割れが生じていた頃であったかと思います。そこでのけじめとして、音楽作品として高次な物を作ろうと奮起していたのでありましょう。

 本曲の微分音としての魅力は大きく分けて3つあります。それらは以下に示す様に、

●Aメロの伴奏での四分音(クォーター・トーン)

●Bメロでの3種の31EDOの使用

●Eventide H949のRevリンクに依るマシュー・スーパーディエシスを使ったデチューン

上掲の様な微分音の使用が特徴的であると言えます。本記事では、これらの微分音を中心に、譜例動画部分についての楽曲解説を展開しますので、YouTubeでの譜例動画と連動して語って行く事とします。




 譜例動画冒頭では、楽曲Bメロに用いられている3種の31EDOの音組織と各単位音程の変化記号を明示しております。また、3種の31EDOの音組織はそれぞれ、12EDOでの [D♯・E♮・F♮] をそれぞれ基本音として音組織化されているという事が判明しました。

 こうした試みは恐らく、12EDOでの「半音」同士の調域を《塗り潰す》かの様にして凝集させ、それらの異なる音組織から抜萃した上で、31EDOが齎す12EDOの平均化からはぐれた音に揺さぶりをかけてイントネーションの乙張りを強める意図があっての事だろうと思われます。

 また31EDOというのは長らく、史実的には「五分音」として取扱われます。現在では ‘equal 30EDO’ という30等分平均律での正確な五分音という物もありますが、’equal 30EDO’ または ‘equal fifth-tone’ という注釈が与えられていない限り、五分音は31EDOを指すという事が大前提となっている点には注意する必要があろうかと思います。

 五分音および六分音は古代ギリシャ時代まで遡る事のできる微小音程の取扱いであり、アリストクセノスまで遡る事ができます。その後15世紀になりマルケット・カーラが古代の微小音程に着目する様になります。その後ファビオ・コロンナが五分音用の変化記号を作ります。通俗的に知られるニコラ・ヴィチェンティーノが登場し、その後レメ・ロッシという風に続くのでありますが、現在ヴィチェンティーノの微分音の関与についてはニューグローヴに於ては非常に懐疑的に扱われているので、信憑性が極めて希薄な物となっております。重要なのはマルケット・カーラとファビオ・コロンナでありましょう。

 古典音律の特徴というのは《五度 or 三度の音程のどちらを慮るか!?》という風に大別する事ができ、音律の各音梯は「不等分」である物です。《不等分平均律というのは矛盾した呼称ではないか!?》と方々から指摘される事もありますが、これは日本語の訳語の問題なのではなく英語でも ‘equal temperament’ および ‘unequal temperament’ と呼び分けられております。

 後世の人間からすれば矛盾する様に捉えられかねませんが、音律に於て凡ゆる完全五度音程が等しくなければ「不等分」である訳です。更に、ウルフ・トーンが生ずるのは平均ではないのです。

 ところが、純正音程(※JI=Just Intonation)をあまりに慮ってしまうと、ミーントーンですらやっとの思いで最後の五度の累積としてウルフ・トーンを追いやった(故にウルフ・トーンは純正完全五度よりも広く、実質的には減六度)にも拘らず、純正律ではウルフが2つ生じてしまう訳です。加えて、それらのウルフが半音階的半音に現れてくれればまだしも、2つのウルフは全音階上に現れ、結果的に全音階が歪な状況となってしまう悲哀なる側面があります。

 一部の日本語訳の悪しき例では、《平均律》という呼称自体が「等分平均律」或いは「不等分平均律と等分平均律を包摂」という揺れを持って述べられる事があり、初学者は特に注意しなくてはならないのですが、そもそもこうしたジレンマは大バッハの『平均律クラヴィーア』という所から矛盾を生じていると指摘される様に、「平均律」という呼称は兎角取扱いが厄介な物です。

 とはいえ、ピアノではストレッチ・チューンを施さない限り他の弦が共鳴してしまう事になるのでそれを避ける為の調律が前提となっている為、ピアノは平均律を標榜しつつも実際には平均律から逸れた調律となっている事を熟知しない人が多いのも事実。そういう意味ではオルガンの方が厳密な調律に適しているので、鍵盤奏者が目を向けるにはピアノよりもオルガンであったりします。現にオルガニストの大家は多いものです。

 31EDOは完全五度を犠牲にし、純正長三度を重視しつつ、中全音律(ミーントーン)を標榜してそれを包摂する様に形成された音律であります。とはいえ31EDOの長三度も絶対的な純正長三度ではないのですが。

 種々の三度音程の僅かな差を完全音程に適用しよう物なら、そのズレの大きさは全く違って聴こえます。なぜなら、六度・三度音程という「不完全協和音程」のズレと同じ差を八度・五度・四度の「完全音程」に適用しようものなら、両者は全く異なる程完全音程でのズレ幅は極めて僅かな差でもズレて聴こえてしまうのが我々の協和観であるからです。

 三度音程の2セントの差はそれほど大きな物ではありませんが、完全音程の2セントの違いというのは看過できない程大きく捉えられます。スキスマは2セントよりも僅かに狭い音程でありますが、純正完全五度と平均律完全五度の差(※実際にはスキスマにほぼ近似するグラッド)は数字の上では僅かなセント数の様に見えるかもしれませんが、この2セント未満の数値を《完全音程に於て》無視できる程僅かな差と感じてしまう様な方であるならば音楽を志すのはお辞めになられる事をお薦めします。完全音程ではない音程なら許容範囲ですけれども。

 完全音程というのは単音程だけでも

・完全一度
・完全八度
・完全五度
・完全四度

という物があり、これらの中で「絶対」の名が冠される《絶対完全音程》というのが完全一度と完全八度です。能く知られる誤謬の中に《平均律とは純正音程を無くした音律である》という物がありますが、十二等分平均律(=12EDO)であろうと絶対完全音程である完全一度と完全八度はきちんとありますので、言葉不足をあらためた上で平均律とやらを語るべきであろうと思われます。後に続く者が迷惑を被るだけに過ぎません。

 能々考えてみれば、ピアノというのは殆どの鍵盤のそれは3本のピアノ線による「ユニゾン」=完全一度で形成されており、それらが僅か乍らでも狂った時には調律が必要な時であったり、ズレ具合が巧い事に調和する様になっている時がホンキートンク・ピアノという風になったりする物であり、完全一度も完全八度も捨て去っている訳ではありません。但し、ピアノの場合ストレッチ・チューンを施さないと打鍵した鍵盤以外の共鳴が著しく起きてしまうので、僅かにずれる(完全一度も僅かにずらしたりもする)というのが実際です。総じて、平均律をピアノ基準に考えない事の方が重要であります。

 茲まで厳格に調律を取扱う必要があるのは、人間が完全音程に対して極めて敏感に知覚するが故の事なのです。ですので、セント量としては2セント未満であろうとも不完全協和音程のひとつである長三度に於て、例えば平均律長三度(400セント)から2セント落として398セントの音を聴かせたとしても、完全音程での2セントを落とした時よりも全く異なる、場合によっては落とした事にも気付かない人が居たりする物です。

 対象が、完全音程での物なのか、完全音程以外の物なのかでこれほど違いが生ずるという事はあらためてお判りいただきたいと思います。特にピアノだけしか弾かない方というのは調律の経験も極めて少ないでしょうし、況してや完全音程とそれ以外の音程での取扱いも判っていなければ《たかだか2セント》という風に解釈してしまう人が思弁的に理解してしまう事も少なくはないでしょう。その程度の耳しか持たない者が微分音に興味を抱いてしまう状況は更に恐ろしい結果が訪れるのは明白です。

 因みに31EDOでの「五度」音程は平均律完全五度より狭く採られるものです。これは、中全音律が純正完全五度を犠牲にして純正長三度の響きの方を慮る事に由来する体系であるからです。

 また、31EDOというのは全音階的半音・半音階的半音での異なる半音音程の組み合わせで1オクターヴを形成している体系であり、これにて31単位音程を必要とするサイズとなります。音楽史では長らく31EDOを「五分音」と呼ぶのですが、’equal fifth’ という注釈がない限り「五分音」は31EDOと呼ばれるのです。

 そうして31EDOに於ける単位音程《18単位五分音》というサイズが31EDOでの五度音程となります。つまるところ31EDOの円環を形成した際、18単位音梯ずつ上行/下行で五度音程を累積させて行けば18単位音梯の連鎖が判るのであり、下記のアーヴ・ウィルソンが示す31EDOでの異名同音の円環を例に採る場合だと18単位音梯ずつ進めて行くと31EDOの五度圏も読み取る事が可能なのです。

31ET_ErvWilison_Enharmonic.jpg


 尚、上記の異名同音および五分音の変化記号はウィルソン流の表記であり、特にタルティーニ・フラットを用いているのはジュゼッペ・タルティーニへの先蹤拝戴を示す物であるのが判ります。

 31EDOについては拙筆ブログ記事である坂本龍一の「participation mystique」や「A Wongga Dance Song」を取り上げた時にも詳述しているので、興味のある方はブログ内検索をかけて確認していただければ幸いです。

 31EDOについてざっくりと語って来ましたが、中全音律を包摂する形で五分音を生じた事を思えば、その音律は三度音程を非常に重視している様に思えるかもしれませんが、実は五分音体系の魅力は純正長三度の標榜だけでなく、自然七度の魅力の方により最大限の注意を払う必要があろうかと思います。

 自然七度という音は、平均律短七度よりもかなり狭い音程です。その音程差としては結構はぐれている(約31.17セント低)にも拘らず、純正音程ゆえに調和してしまう不思議な響きなのですが、かなりのヒットを飛ばして知られたポピュラー音楽で好例となるのがジェフ・ベックのソロ・アルバム『Wired』収録の「Blue Wind(邦題:蒼き風)」でのギター・ソロ(※自然ハーモニクスを使った6弦3.3フレット近縁をハーモニクス・ポイントにすると生ずる)での特有の音が自然七度でもあります。下記動画埋め込み当該箇所での4音目の音が自然七度です。




BlueWind_JeffBeck2.jpg



 先述した18単位五分音という五度は6単位音程ずつ等分する事が可能です。そうして導いた6単位五分音を展開すると自然七度に極めて近似する事になります。

 平均律での二度音程というのは非常に鋭く、響きとしては硬いです。特にその鋭さはクラスターで発揮される訳ですが、純正音程に基づいた場合の二度音程というのは非常に柔和になります。《不協和であるが純正》という状況が柔和に聴こえさせる訳でして、「Camouflage」のBメロでは、この6単位五分音が活躍しているという訳です。

 そうした6単位五分音も自然七度の転回である事を勘案すると、31EDOという物が如何にして「7」という振動比への因果関係を持つ音律であるという事をあらためてお判りいただけるかと思いますが、「7」という自然数への誘引材料という物は他にも興味深い例を見る事が可能です

 例えば「1」を「7」で割ってみると一目瞭然ですが、[0.142857142857…] という循環小数を生じます。この [142857] という数列はなかなかの曲者で、この数列は数学的にも結構色々な所で生じたりします。

 数列 [142857] を3桁ずつの [142] [857] に分けて142+857とやると

142+857=999

という3桁の最大数を導き、次は2桁ずつの [14] [28] [57] と分けて14+28+57とやると

14+28+57=99

という風に2桁の最大数を導くという訳です。「7」という物が基数の最大を導くというのも面白い因果関係です。

 また次の様に [142857] に対して「2」以上の「7」までの自然数を掛けると、数列が巡回して登場するという不思議な「呪縛」がある事に気づかされます。

142857×2=285714
142857×3=428571
142857×4=571428
142857×5=714285
142857×6=857142
142857×7=999999

という風に、「7」を掛けると途端に最大の自然数の羅列を生む事に。’cloud nine’ とはこの為にある様な言葉かもしれません。

 人間は手足の指を使って数える事から文化が発展したので、10進数や国によっては20進数などもある訳ですが、「7」という物への因果関係を「10」や「1」で対照させるという事は、自ずと少々違った関係が纏い付いているという事がなんとなくお判りいただけるかと思います。

 先述の [142857] という数列は、拙筆ブログ記事『コジュケイの鳴き声を採譜』でも取り扱ったので、興味のある方はそちらも併せて確認していただければと思うのですが、今度は「10」を「7」で割ってみれば、先の導かれた答えは自ずと10倍となり [1.48257142857…] という値を導く事ができます。

 ここで [1:1.42857] という比率を考えてみましょう。1.42857倍という数値を音程の基本音から算出すると、約617.4861セント高い所に現れます。コレは「セプティマル・トライトーン」と呼ばれており、純正音程比「10/7」に相当する微分音なのです。

 31EDOは「10/7」を標榜する形で16単位五分音を生じますので、実際にはセプティマル・トライトーンより約1.8687セント上ずる所に現れます。それでもその差はスキスマ未満である為、セプティマル・トライトーンも包含する音律と呼ばれる訳です。

 12EDOでのトライトーンはオクターヴを完全に半分にする事で「半オクターヴ」を生じ、これが半音階社会を強化する源泉でもある訳ですが、31EDOのトライトーンは半オクターヴからやや逸れるも、やはりそれが半オクターヴ近傍に現れる事で、全音階的半音・半音階的半音の双方をも俯瞰する様にして現れるのでしょう。

 そういう訳で前置きが長くなってしまいましたが、「Camouflage」のBメロには斯様な31EDOの魅力が詰まった物となっているという訳です。茲まで顕著な微分音はYMO作品としては珍しいので、あらためて注目していただければと思います。YMOは固より31EDOという音律が持っている因襲をあらためてご理解いただけると先人への先蹤拝戴とも成り得ますので、あらためてご承知おきのほどを。


 扨て、茲から譜例動画に連動させた楽曲解説に入ろうと思うのですが、テンポは四分音符=133.7という速いテンポですが、全体的に伴奏がシンプルですので凝集した感が少ない事でテンポの速さを実感しない程です。




 本曲冒頭で顕著な音は、アラートの様なビープ音が「キン!」と各小節拍頭で刻まれる物ですが、この音は [as] 音よりも9セント高い音です。楽譜の方での微分音の取扱いは徹頭徹尾「幹音」からのセント量を付記しているので 《 [a] 音から91セント低》として示されている所は混同されぬ様注意され度し。

 このビープ音は、[f] 音を基準として31EDOを形成した時の8単位音程の物となります。変種記号(=フラット記号)に上向矢印が付された微分音独特の変化記号が使われておりますが、本パートのみならず31EDOのパートについてはHEWMノーテーションを採用しております。これは拡張ヘルムホルツ゠エリスという変化記号であり、現在はHEJI2フォントとしてフリーでリリースされており、Finaleと相性の良い視覚バランスを持たせた変化記号です。

 尚、余談ではありますが、他のパートではHEJI2フォント以外にIRCAMのomicronフォントも併用して微分音変化記号を用いておりますので、あらためて注意していただけると幸いです。

 このビープ音で8単位五分音が選択されているのは、[a] から下方に「リンマ」を採った状況に寄せている事も考えられます。リンマは古典音律に於ける「半音」のサイズですが、ピタゴリアンを始め、音律に依って微妙にサイズが異なる為 [85.7〜93.8] セントに分布する様に現れます。純然たるリンマは「138/128」のサイズなので約92.179セントであるのですが、リンマも念頭に入っている状況だという事は明白でありましょう。

 5小節目からの4小節のコードは「Cm/G」。五度ベースという状況ですが和声感は希薄です。とはいえ、この状況にコードを与えるとしたらこの表記に収斂する事でありましょう。

 9小節目から2小節のコードは「Cdim/G♭」の五度ベース。減三和音の第5音がベースとなっている状況です。Cマイナーから単純に半音クリシェとしてベースが動くのであるならば通常は根音から半音ずつ下行するものですが、属音から半音下行クリシェとしているのは非凡なアイデアです。加えて、上声部が和声的状況に希薄であり、和声部分の第5音をベースが補っているという状況によりコードは「Cdim」という状況に変化するという訳です。

 11小節目から2小節のコードは「Fm7」という風に突如四和音になりますが、これはシンセのアンサンブルだけを見れば第3音相当を満たさない状況であるのですが、それまでは和声成分に組み込まなかったビープ音の [as] が、空虚な和声的状況を補完する様に埋めてしまうので和声状況のパズルにピースが嵌るという状況になります。その為コード表記は「Fm7」という風にしているのです。

 13小節目から2小節のコードは「G6/B」という付加六の属和音の三度ベースという状況になります。シンセ・ブラスは属和音上の七度相当の音も奏しておりますが、和声的関与は希薄であるという解釈を採るのと同時に、和声的関与は [e] の方が強く現れるので「G6」という風に解釈した訳です。

 通常、6thコードは限定上行進行の為に付加される物です。これは、「下属和音→主和音」という進行に於て下属和音に付加される6th音が限定上行進行を採る様にして形成される事に端を発する物です。平時の6thコードの後続和音は先行付加六度音から順次上行を採って、全音 or 半音階的半音の何れかが視野に入る事になります。

 とはいえ本曲の場合、コードそのものが付加六であっても当該属和音であり、属和音が包含する導音(和音の第3音)[h] は主音への上行進行への牽引力が強固に働きます。これに伴う声部進行としては、付加六度音が平進行という限定上行進行を採るよりも反進行を示唆する様に動くのが自然な状況となり得ます。

 無論、この付加六度 [e] が半音階的半音下行進行を採って [es] に動く声部進行は実際に起きてはいませんが、示唆するという状況は後続にハ短調下中音 [es] の存在を明示するという状況である訳で、それを補う形で生ずるのはAメロでの主旋律であるという訳です。そうした属和音での付加六という状況から、限定上行を採らない例外的な状況を生じている訳です。

 15小節目のリハーサルマーク「C」はAメロ冒頭という事になります。コードは「Cm7」が適切であり、シンセ・クラビネット系のパートの伴奏が [a] を奏する事によりCドリアンを示唆している事が判ります。

 そうして20小節目から2小節のコードは「D♭△7」に進みます。このコードはハ短調を原調として見ると「♭Ⅱ度」に現れる物で、実質的に「Ⅰ度」はCフリジアンにこの時点でスルリと移旋する事になります。そうした♭Ⅱ△7は新たな調の下属和音でもあり、これを「フリジアン・スーパートニック」と呼びます。広く知られている言葉ではありませんが、正統な呼称です。

 同時に20小節目3拍目でのシンセ・パッドのパートに目を向けてもらうとお判りの様に、[h] (英名:B♮)音より50セント低いBセミフラットをさりげなく使っております。他の同様の箇所では [b] (=B♭)と使い分けたりしておりますが、少なくとも「D♭△7」でのBセミフラットは、《メジャー7thコード上での微分音的に解釈した増六度》でありますので非常に凝った作りとなっている事が判ります。

 22小節目リハーサルマーク「D」は従前のリフレインとなるので詳細は割愛しますが、シンセ・パッド26小節目での、前回Bセフミラットを使っていた伴奏の部分です。これは27小節目へそっくりそのまま移すのが正確な記譜でありまして、私のコピー&ペーストのミスです。あらためて動画を作り直すのは相当作業工数を費やしてしまう事もあり、本注釈で御寛恕願えます様お願いします。

 29小節目のリハーサルマーク「E」からの8小節は、本曲Bメロ部分であり31EDOが用いられている箇所となります。譜例の方でのリズム譜を除く無調号で書かれているパートが31EDOを表している物です。

Camouflage_B.jpg

※画像はTwitterで呟いていた当該箇所をピアノロールで表していたもの。ピアノロールこそ通常の白鍵&黒鍵の配列ではあるものの、シンセ側の設定がハイライトされている [D♯6] を基準に採った31EDOである為、画面上のピアノロールの半音は31EDOでの1単位音程となる.

 楽曲冒頭のビープ音を除いて、31EDOは「D♯・E♮」基準から音律を形成する31EDOを併用してアンサンブルに揺さぶりをかけています。こうした判定はMelodyneでも行えないので耳を鍛えるしかないのですが、なかなか労力を要する箇所でありました。

 31EDOの解釈は恐らく九分九厘坂本龍一のアイデアに依る物であろうと推察するのでありますが、彼無しでは実現不可能であろうと思われる手法です。唯、多くの場合、この31EDOですら12EDOとして均して聴いてしまう人が殆どなので、本曲が明確な微分音使用楽曲として知られないのも悲しい側面のひとつであろうかと思われます。

 アナログ・シンセ全盛期の頃ですので、そうしたアナログ回路の不安定なピッチの実際が、非12EDOの世界観を捻じ曲げてしまう暗澹たる事実に嘆息してしまいます。YMOをはじめプロユースのアナログ・シンセはスライダックなどで電源を安定させる所からシンセの統御が始まっておりますので、不安定な電源環境での実態をYMOに置き換えてしまうのは危険な見立てでもあります。

 尚、29小節目からの8小節ですが、ショート・ディケイ・パッドの31EDOは、12EDOの「E♮」音を基準とする31EDOを形成しているという意味です。同様に、エレクトリック・オルガンの3つのパートは12EDOの「D♯」を基準とする31EDOを形成している物であるという事を意味しております。

 その上で、12EDOの「D♯・E♮」という基本音から形成される31EDOは、その基本音を示す本位記号および変化記号の取扱いが31EDOで内で生ずる《見慣れた》本位記号および変化記号とは少々取扱いが違う所に注意を払う必要があります。次の変化記号例を見ていただければお判りいただけるかと思いますが、12EDOの記号群の方が通常我々が知っている本位記号・変化記号とは異なり、上部に短い水平線が付記された記号である事がお判りいただけるかと思います。

HE.jpg


 他方「JI」と表している記号群は ‘Just intonation’ の略であり、これらの記号群の方が我々が通常能く知る本位記号・変化記号なのでありますが、今回31EDOに用いている記号は「拡張ヘルムホルツ゠エリス記号(HEJI2)」フォントを用いている物であり、『音感覚論』で知られるヘルムホルツの大著に英訳者であるアレクサンダー・エリスが補遺を加えた体系を拝戴する形で、純正音程に基づく変化記号を大幅に拡張したフォントとしてマルク・サバとトーマス・ニコルソンが開発した記号体系であります。

 HEJI2フォントはバージョン・アップ以前にHEJIというフォントも存在しておりましたが、このフォントはHEWMノーテーションという体系に括られている物で、実際にはヘルムホルツ、エリス、ウルフ、モンゾ等の各人の頭文字を取っている事からもお判りとなる記譜体系に帰着する物です。

 音律や音階は古代から、金属元素や天体数に基づいて嵌当させられて来ました。それが時代を進んでハリー・パーチまで時代を進めると、パーチは素数に基づく嵌当を視野に微分音用の細かな音律を作る訳です。同時に純正音程を標榜する形での音律形成を目指したという訳です。

 加えて、31EDOというのは31等分平均律を表している物なので音程サイズは等しくも、微分音を研究して来た各人各様の解釈があり、場合によっては異名同音の取扱いや純正音程を標榜している音程比が微妙に異なるので、一義的な体系に収斂する訳ではありません。アーヴ・ウィルソンの31EDOは特許を取っていた位です。

 31EDOというのはそういう状況ですので流派によって若干の違いがあるのですが、次の様に分けて考えると判りやすくなると思います。

7リミット重視=ニコラ・ヴィチェンティーノ、ハリー・パーチ
5リミット重視=ホイヘンス、ベン・ジョンストン
等分律重視=アーヴ・ウィルソン

 つまり、7リミット(第7次倍音)を念頭に置くヴィチェンティーノとパーチと、5リミット(第5次倍音)を念頭に置くホイヘンス、ジョンストンと等分平均律を標榜するウィルソンという風に分ける事が出来るのです。とはいえウィルソンのそれも、純正音程比を標榜した上で「均す」という意味であり、我々が通常使用している12EDOも元を辿れば《幹音での純正音程を標榜しながら微小音程的に変化を繰り返した末の音律》であるので、そうした意味の背景には誤解なき様ご理解願いたいと思います。

 31EDOに使用される変化記号の内、通常目にする本位記号・変化記号の方が純正音程を標榜している為の変化記号であるという事に最大限の注意を払っていただければお判りいただけるかと思いますが、孰れにしても動画の冒頭での注釈である「D♯音」を基準に31EDOが形成されているそれをみれば、音組織各音の音程を微小音程的にどういうサイズであるか!? という事をあらためてお判りいただけるかと思います。

 また、31EDOで付与している数値は《幹音からのセント数》であります。幹音は、調号および変化記号の関与を受けない状況での [線・間] からの音程を示すものであるのですから、仮に第1間(※中央ハ音より完全四度高い音を示す所)に何某かの変化記号が与えられてセント数を示す事となればそれは、《ヘ音より何某かの値の増減》を意味します。



 例えば、30小節目のエレクトリック・オルガン2のパートの2拍目というのは、第1間は通常のオクターヴ領域の2オクターヴ高い所の [ヘ音] に、見慣れない重嬰記号と上向の付与記号の併存が見られます。そこで譜例の方に目を向けると、第1間の音には [+226セント] という値が示されております。とすると《へ音から226セント高い音は全音上のト音より26セント高く突き抜けているじゃないか! バカバカしい》と思われるかもしれませんが、これがHEJIフォントの表記体系なので致し方ありません。楽譜上にあるべき [線・間] と実際の音高が恰も撞着する様に表されてしまうというのは致し方ない表記なのであります。

 《ファの位置にソよりも高い音があるのは罷りならん!》と思われる方も居られるかもしれませんが、こういう状況をも甘受せざるを得ないのが音楽の体系のひとつでもあります。無論、演奏者が初見で譜読みをする様な状況ではHEJIフォントやサジタル表記というのは瞬時に判断のしづらい表記体系であるのは疑いのない所なのですが、正確な音高を示す為の記譜法のひとつであるとも言えるでしょう。

 例えば1オクターヴを2全音ずつ分けた上で、通常の音部記号を振らない特殊五線譜を3段重ねにすれば、各段の五線は5線&6間の音に対応する事が可能となり、これにより31EDOの譜読みを楽にする特殊線数の楽譜を作る事も可能でしょうが、1オクターヴを表示する面積が非常に広くなってしまい、これもまた現実的ではないと言えますし、譜読み速さと音高の正確性を両立させるというのは永遠に解決する事のないテーマとも言えるかもしれません。

 扨て、こうした表記の撞着にあらためて慣れてしまえば本曲の譜読みは平易な物ですので、難しく捉える必要はなかろうかと思います。37小節目からのリハーサルマーク「F」の7小節目は単にリフレインを採るだけの繰り返しなので割愛します。

 44小節目リハーサルマーク「G」は、本曲のサビと言える部分であります。JUPITER-8と思しき8分音符のアルペジエートが顕著な5小節です。フリジアン・スーパートニックでの長七度音が原調の主音 [c] を際立たせる物であり、あらためて強調している状況となります。

 49小節目リハーサルマーク「H」はサビの続きとなる部分ですが、ボーカル部分を極めて細かく採譜した事もあり、茲からは4小節ずつ表しております。とはいえ、リハーサルマーク「G&H」でのボーカル&コーラスのパートは、歌唱パートの慣例表記に倣い無連桁での旗表記ですので峻別が難しいかもしれません。しかも49小節目では連符内連符として3連符の先行2つのパルスがさらに5連符となっている状況なので、譜読みを一層六ヶ敷くしているのはご容赦願います。

 尚、ボーカル・パートで使われる微分音表記は31EDOで用いたHEJI2フォントではなく、IRCAMのomicronフォントを用いた物です。omicronフォントの変化記号各種は坂本龍一のアルバム『B-2 UNIT』収録の「participation mystique」を取扱った当該記事で参照可能ですので、興味のある方はご覧下さい。最早変化記号に頼らず、付与されたセント数の変化量を確認していた方が理解しやすいのではなかろうかとも思うのですが。

 加えて、リハーサルマーク「H」からの8小節でのスローアタック(漸強=クレッシェンド)のシンセ・ブラスにデチューンが施されているのが顕著ですが、これは冒頭のデチューン量と同等の量でありましょう。その上でモジュレーション・ホイールをオシレータのピッチにアサインする事でピッチの揺れを大きくしていると思いますが、エフェクトとしてのデチューン量は「マシュー・スーパーディエシス」を使ったEventide H949によるRevリンクであろうと思われます。

 例として、Eventide H949を2台用いてデュアルモードで使える機能であるRev Linkという設定を用いて、設定値を「1.025 / 0.975」に設定します。この設定値はセント数ではなく周波数の倍数であります。Rev Linkは、片側の増減値の相対量を反転させる設定となるので、増加量を「1.025倍」とすると自動的にもう一方が「0.975倍」という風に反映される機能であります。

H949.jpg


 扨て、この1.025倍というのはセント量で言うと「42.7487セント」という変化量となり、これはマシュー・スーパーディエシス(Mathieu superdiesis)(81/80)^2=6561/6400「43.0126セント」の近傍である事が容易に推察できる変化量なのであります。

 デチューンという状況で見ればかなり大きな量であるのですが、純正音程を標榜する所である為にとても能く響くのです。次に例示する幾つか微小音程は古典の微小音程群でありますが、

45/44=38.906セント
31EDOスーパーオクターヴ=38.710セント
ディエシス(128/125)=41.059セント
マシュー・スーパーディエシス=上ディエシス(6561/6400)=43.013
大ディエシス(53EDO)=45.283
大ディエシス(24EDO)=46.920
セプティマル・コンマ=48.770

という風に、31EDOの1単位音程である31EDOスーパーオクターヴの近傍には、こうした純正音程が存在するという事をお判りいただければ、純正比ゆえの響きをあらためてお判りいただけるかと思います。

 無論、これらをあくまで「標榜」する形で僅かに近似する所を鳴らしても、標榜する所を狙った音であろうという事が微小音程を熟知した耳には判るものです。これは経験を重ねれば誰もが得られるものでもあります。

 そうして55小節目でのショート・ディケイ・パッドのパートでは、12EDOの「E音」を基準とする31EDOのシンセ音が使われております。

 31EDOを用いた音律は「D♯・E♮・F♮」の3種類が使われている訳ですが、新たなるクロマティシズムとして半音を塗り潰すかの様にして散りばめているのでしょう。とはいえ、全音律の全ての音が同時に鳴らされている様な状況ではないので、寧ろ抜萃されて使用される事になる各音はイントネーション的に揺さぶりがかかるという好ましい状況になるという訳です。


 こうしてYMOの「カムフラージュ」には、よもや31EDOという音律が使われている楽曲である事がお判りいただけたかと思うのですが、こうした事実が巷間広く瀰漫する事が無いのはYMOのメンバーや関係者がそうした事実を明かしていない事に端を発するのではありますが、聴き手の多くも自身で調弦する機会が少ない鍵盤弾きの人達が多くを占めてしまっているからであろうと思います。

 12EDOの世界で慣れ親しんだ三度や六度の響きを31EDOに置き換えろという事ではありません。31EDOの6単位音程が自然七度の転回である事を今一度思い起こしていただければ、ふ完全協和音程を柔和に聴こえさせる《純正音程を標榜する》事の美しさをあらためて吟味する事ができるかと思われます。

 尚、本記事冒頭のテクノデリック・フォントを使ったそれは、嘗てEP盤でリリースされた『MASS / CAMOUFLAGE』のジャケットを模した物で、ブラック(K)をベースに、左に金赤を4Q、右にシアンを4Qずらして配置を模倣した物です。オリジナルは恐らく1Qでずらしているのかもしれませんが。

 加えて、Finaleユーザーが31EDOを楽譜上で取扱う場合、調号から特殊調号を選んだ上でキーマップを次の様に白鍵/黒鍵を設定した上で変化量を単位音程毎に任意のグリフを指定していけば、直ぐに矢印キーなどで変化量を増減させて入力する事ができますのでご参考まで。

31EDO_KeyStepMap_Finale.jpg


.sclファイル生成と設定

 手軽に31EDOを試す事が出来るように、Sevish氏が運営するホームページでの.sclファイル生成およびArturia Pigmentsを使った.sclファイルインポート例の説明を追記する事に。先ずはSevish氏のホームページを訪れる事にしましょう。

 Sevish氏のScaleWorkshopは、数値を適宜入力する事で多くの音律生成のファイルを出力する事ができる物で、今回は31等分平均律(31EDO)のD♯音を基準とするファイル生成の手順を説明していく事に。次の図版の様にScaleWorkshopを訪れたらまず注目すべきは左側のペインとなります。

scl01.jpg


 左側ペインの 'New scale' プルダウンメニュー内にある 'Equal temperament' を選択。

scl02.jpg


 そうすると次の様なハイライトメニューが現れるので、'Number of divisions' メニューに「31」と入力します。他は今回必要ありませんが、一番下の 'Interval to divide' というのは今回「2/1」という1オクターヴの音域を31等分するという設定になっておりますが、これを3/1にして13等分という風に設定してやると、オクターヴ回帰をしない直線平均律法に基づくボーレン゠ピアース音階を生成する事ができるという訳です。

scl03.jpg


 その後、再度左側のペインにある 'MIDI note for base frequency' という部分に注目します。次の画面ではデフォルトのMIDI番号=69=A5となっておりますが、これを「87=D♯7」という風に設定する必要があります。

 因みにScaleWorkshopでの中央ハはC5という設定になっています。MIDIを一気に普及させる事に貢献したヤマハDX7は、デフォルトで中央ハがC3でありましたが、ローランドが整備していたMIDI規格での中央ハはC4だったので、今猶MIDI業界では混乱が続いております。Sevish氏の場合はC5なのでありますが、中央ハを実用上の使用鍵盤を多く使える様にする為にわざと高域にオフセットしているのであろうと思われます。

 何故ならば、1オクターヴで24、31、53という音律では2オクターヴそこそこでかなりの鍵盤数を必要としてしまう訳ですね。少なくとも1つのMIDIチャンネルでは128鍵が上限ですので、そうした状況を勘案してのデフォルト設定なのであろうと思われます。

 尚、.sclファイル生成で必要なのは画面右側のペインにある 'Scala scale (.scl)' をクリックする必要があり、マウスオーバーすると次の画面の様に濃い緑色としてハイライトされますので、こちらをクリックします。

scl04.jpg


 そうしてD♯音を基準とした31EDOはエクスポートされているので、その生成された.sclファイルを次はArturia Pigmentsにインポートします。

scl05.jpg


 この際、Pigments側のキー設定は「D♯6」で読み込んで大丈夫です。ScaleWorkshopでの「D♯7」に合わせる必要はありません。そうして.sclファイルを読み込んだら、Pigmentsの 'Micro Tuning' メニューを青くハイライトさせる事で、「D♯6」音が基準となった31EDOを鳴らす事が可能となります。こうして「Camouflage」の31EDOをお試しになると、より31EDOの凄さを実感できるかと思われます。

scl06.jpg


 最後に、余談ではありますがアルバム『BGM』収録の「LOOM 来るべきもの」は、無限音階が終わる解決時のモノディーはE音より四分音(50セント)低いEセミフラット、そこから更に25セント高い(E音より25セント低)調域へ転調しておりますが、転調という風に感じさせないのはヘミオリック・クロマティック(76.5セント)を標榜する75セントの3単位八分音を視野に入れているであろう事は容易に推察する事が可能です。

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