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東川清一著 『音楽理論入門』(ちくま学芸文庫)を手にする [書評]

IMG_3556.JPG 2017年、菖蒲も咲き始めたGW明けの5月、筑摩書房から上梓されたちくま学芸文庫の内の1冊に、今回の記事タイトルとした『音楽理論入門』(ISBN 978-4-480-09795-8)を手に取る事となった私。奥付の日付は5月10日ですが、私が手にした日は5月11日でありました。袖珍サイズの文庫本ですから譜例や図版などは相当小さくなって印刷されてしまうのではないか!? と思っていたのですがそれは杞憂に終り、予想に反する程に線数(lpi)の細かい印刷(しかも横組み)で、とても鮮明に印刷されておりました。

 音楽という分野にあっても私は縦組みの本を好むタイプ。私にとって横組みの書籍というのは苦手な部類であるのですが、その理由は文章を目で追う際、人間は概して水平方向の視野が広く且つ機敏な為に、私の場合は特に文章追従に弾みが付き過ぎてしまうのか、熟読をスポイルしてしまうクセがある訳です。そういう私ですから音楽書の類と雖も大概の物は縦組みの書籍を嗜好するタイプの人間であるのです。とはいえ、縦組み・横組み如何で器楽的理解がどちらかに偏る様では不味い訳で、私の場合は結果的に横組みの本の方がより細心の注意を払って読む必要がある為ついつい歎息してしまうのであります。そうは言っても、東川清一の著書とならば拝戴しなければならないマスト・アイテムとなる訳です。


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ヴィクター・ベイリーのインプロヴァイジング [楽理]

 扨て今回は、オマー・ハキムのソロ・アルバム『Rhythm Deep』収録の「Constructive Criticism」という曲にて参加している故ヴィクター・ベイリーのソロ・アプローチについて語る事にします。
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