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これぞ分数コード! [楽理]

 扨て、これまで幾度となく非凡な分数コードの使用例・使用曲を取上げレコメンドしてきた訳でありますが、分数コードを使わない人からすればそれそのものが凡庸な用例とは異なる曲想を抱くかもしれません。とはいえ分数コードとて、その中でも多く使われる類のものは概ね限られて来るものでもありまして、そうした響きから得られるものが何れは卑近な響きに聴こえる事は決して少なくはありません。


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スタンリー・カウエル『Juneteenth』アルバム分析 [アルバム紹介]

 扨て今回は、私の敬愛するジャズ・ピアニストのひとりスタンリー・カウエルが『Juneteenth』(奴隷解放記念日)というアルバムをリリースしたという事もあってこれを機会に彼の非凡な音楽観を共に語るべき良い時期であろうと思い、今回のブログ記事にする事となりました。
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『ハービー・ハンコック自伝 新しいジャズの可能性を追う旅』を読んで [書評]

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 原著では”Herbie Hancock with Lisa Dickie”とクレジットされている現在も存命中の現今ジャズ界の数少ない生ける証人のハービー・ハンコックの自伝なのだから、これには刊行前から一際注目していた物でした。DU BOOKS出版から川嶋文丸訳になるという事はネット情報で刊行前から掴んでいたものの、私の当初の予想としては、楽理的側面には触れられる事は殆ど無いだろうという見立てを立てて居りました。というのも、自伝が専門的な楽理的側面を語って了うと、吐露する部分が専門的分野の言葉に依って武装され、一般的に解釈し得る側面をオブラートに包んで了いかねないという部分が往々にあったりする物なので、そうした部分は極力避けて来るであろうという私の予測は図らずも当っては居りました。


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和泉宏隆作曲「Cape Light」に見る非凡なアレンジ [楽理]

 扨て今回は、先日BSフジでも放映されていたT-SQUARE&The Squareのライヴにあった演目「Cape Light」という懐かしい名曲を今あらためて語るべきであろうと思い、オリジナル・アルバム「Adventures」収録のアレンジを詳らかに語っておかねばならないと奮い立ち、今回のブログ記事となる訳であります。
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