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採譜に役立つオーディオ解析ソフトたち(Mac用) [サウンド解析]

 採譜。音を拾い上げて楽譜にして行く為の作業の事ですが、通俗的な意味では「耳コピ」という作業も採譜を必要とはしない前段階の作業過程に包摂される物のひとつと言えるでしょう。

 更に言えば《私に続いて歌いましょう》と言われて「模倣」するというのも聴音の直後での歌唱という事になりますが、単音の模倣は概して間違えにくいものの、自身の音楽的習熟力や癖によって、完全な模倣とはならずに手前勝手に音高やリズムを変応させて歌ってしまう人もおります。

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京急ドレミファ・インバーターの採譜 [サウンド解析]

 扨て今回は、一部の京急車輌のモーターに用いられている発進時に音階を奏でる通称「ドレミファ・インバーター」と呼ばれる音を採譜した譜例動画をYouTubeにアップした事もあり譜例動画の解説をする事に。車輌やモーターなどの詳細な情報は本ブログでは述べませんので、あくまでも「楽音」として聴いた時の音楽的な側面から分析するのでご容赦下さい。

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Scale Illusionにあらためて思うこと [サウンド解析]

 音響心理学方面では知られている言葉である「Scale Illusion」とは、「音階錯覚」を意味する物であるのですが、単に複数の旋律を錯覚として捉えるだけではなく、右利き・左利き夫々各人の優位性が左右の急峻な音像変化が伴うと音高判別が左・右の優位性に同調する様に「錯覚」を生じたりするというのも実に興味深い物でもあるのです。


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残響への拘泥 [サウンド解析]

 和声とやらが今日のように体系化されたのはジャン=フィリップ・ラモーに依る貢献というのは疑いの余地のない周知の事実でありますが、抑も和音の複雑化が進んだ素因となる物は、音律の均齊化に依る事と、その後の等分平均律へ時代が進む事に依って作曲の可能性が拡大していく事で調性の崩壊が起き、その果てにある半音階要素が多く使われる様になったという背景に伴う物であることを今一度思い返すことが肝要です。


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酒井健治作品「White Out」を聴いて [サウンド解析]

 漸くこの話題を語る事が出来て安堵しております。これまでに私のブログ上に於て微分音に関する幾つかの記事を披露したことがありましたが、少なくとも2013年に入り其の手の話題にした背景は、酒井健治という現代音樂作曲家を取り上げたかった事に起因していたのであります。


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マスコミや政治家よ、そんなにマイクの数が必要か!? [サウンド解析]

 最近では記者会見となると、ポジティヴなネタよりネガティヴで一般的目線で見た時叩きどころが見え見えという類の物は四方八方から食いつかれ叩かれるモノでありますが、マイクの数も一本ではなく数本も用意してある周到さもついつい視野に入ってしまうモノであります。政治家もそう。国会の予算委員会のみならずマイクは「民放」などとも書かれていたりすることも目にした事があるでしょう。そもそも傾けるに必要なのはマイクの首ではなく民衆への耳なのではないかとも揶揄されていたりしますがその辺どうなのでありましょう!?


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今あらためて池上嘉彦に学ぶ 「惰性に揺さぶりを」 [サウンド解析]

 良著に学びたいモノですが、今回のブログ記事タイトルは岩波新書刊・池上嘉彦著の「記号論への招待」の冒頭で語られる言葉です。これほど巧みに冒頭から惹き付けられる本は意外にも少ないモノです。


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遅延でスポイルされる音 [サウンド解析]

 扨て、今回はスラップ・ディレイ(=ショート・ディレイ)を例に挙げ乍ら、それに伴う音のスポイルという実際を語って行こうと思います。


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複合拍子と混合拍子 [サウンド解析]

 今回はタイトルにある通り、拍子構造における「複合」と「混合」という取り扱いの違いを判っていただけたらと思いブログの題材にしてみることに。音楽理論書では基礎中の基礎であるがために、私自身中学生時代の「器楽」を学んだ頃にまで遡る事になるのですが、もしかしたら現在では呼称やら変わっていたり私の記憶が変質している可能性もあるのでビビり乍ら題材にしているのですが(笑)、まあ間違いはないだろうという核心から今回のテーマを掘り下げてみるコトに。


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あらためて譜例を確認 [サウンド解析]

 先日アップしたサンプル曲の譜例でも用意し乍ら気軽に語ってみようかと思い立った理由は、「多調的空間」の世界というのは、調的な社会の仕来りに巧いコト捕捉されぬようにして成立している様な世界なので、調的社会に慣れてしまっている未習熟な耳だと、実際に耳にしても本当の良さを捉えきれない所があって、言うなれば子供が利き酒するようなモノでして、それを楽理面で白日の下に晒した所で大概の連中は理論面ばかりに頭デッカチになってしまうのが関の山。だからこうして肩の力を抜いてハイパーな和声を実は忍ばせたサンプルでも耳にするのもイイのではないかと思っての事なワケであります。


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金環食は1年後だよ♪ [サウンド解析]

QuietSunrising21May2011.jpg
金環食まであと1年となりまして、1年後の朝7時頃は結構賑わうのではないかと今からワクワクしているのでありますが、まあ7時過ぎとなるとですね太陽もこういう姿ではなく仰角30度位にはなるんで結構高い位置に見えるのでありますが、そうは言っても建物に邪魔されやすい高さではあるので今から東の空を見渡せるロケーションを探すのもオツかと思います。

まあ、折からの放射線というインダストリアルな営みを受けてしまう昨今、そんな悠長に自然と向き合うココロの余裕無くしちまったぜ!と仰る方もいらっしゃるかもしれませんが、まあ金環食という狭い国土の日本においてレアなイベントに心弾ませるのもよろしいかと思いましてついつい語ってしまったワケですが、この画像の太陽は金環食1年前となる太陽を撮影したモノですが、犬の散歩ついでの写真バレバレですやん!と言わんばかりの何の変哲も無い画像でありますが(笑)、まあ朝焼けとかって私ぁ京急の弘明寺と上大岡間から見える東の空の風景がとても好きだったりするんですなー。

原発事故というインダストリアルのネガティヴな側面と自然の脅威をあらためて感じつつ、鳥たちは知ってか知らずか、いつものように鳴き声を聞かせてくれるモンですわ。

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目に入れても痛くない「子ども戦略」 [サウンド解析]



まあ、どんな子見ても可愛いモンですが、やっぱりウチの子が一番可愛いと思っているのはどこの親御さんも一緒でありましょう(笑)。

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Rhodes Mk7 [サウンド解析]




扨て、そろそろ楽器フェアが開催が迫ってきました。

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便宜的なコード表記を許容する [サウンド解析]

まあしかしアレですね。これまで左近治はいくつかの少々一般的ではないモード・スケールやらそれらのダイアトニック・コードを列挙して説明してきたワケでありますが、ドコの馬の骨が語っているか判らない一般的でもないような楽理解説なんて眉唾になってしまっている人も中にはいらっしゃるとは思うんですよ(笑)。

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こんなに近い所に存在しちゃうんですよ [サウンド解析]

扨て、前回のブログでは「左近治は一体何を語りたかったのか?」と疑問を抱いた方もいらっしゃったのではないかと思います(笑)。あれらの曲にどういう共通項を見出せばいいのかなかなか判らない方もいらっしゃるとは思います。

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共通項 [サウンド解析]



ココん所左近治は歯痛に苦悩していたため、ブログ更新すらままならぬ状況が続いておりました。

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箪笥の奥 [サウンド解析]

タンスを整理していた左近治でありますが、引き出しの奥にCD2枚落ちているのを発見(笑)。どうせならお金が出てくればイイものを(笑)。

とはいえ、相当昔に買ったはずなのにすっかり姿を見かけることがなかったCD2枚。それらはスティーヴ・ヴァイの「Flex-Able」と渡辺香津美の「頭狂奸児唐眼」(笑)。

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免疫 [サウンド解析]

今回、渡辺香津美の「Synapse」の制作において少々注意を払った部分は、まずローズはサチュレーションを掛けた音にするコトをまず第一に心がけた部分でありましょうか。

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聴覚検査 [サウンド解析]

先日左近治は、とある病院にて聴覚検査を受けたのでありますが、その時の話題でも。

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♭9thが作る世界 [サウンド解析]

扨て、フローラ・プリムの「I'm Coming for Your Love」を解説して、似たようなアプローチを他の曲でも見つけた人は多いかと思います。そのアプローチってぇのは今回のブログタイトルにもあるような、♭9th音をベースにして、アッパー部と長七でぶつける世界であります。

以前にも高橋ユキヒロのソロ・アルバム「Saravah!」収録の、坂本龍一作曲「Elastic Dummy」を取り上げたことがありましたが、コレもそういう曲のひとつとも言えますな。

1オクターヴを12音に分ける。そうすると普通の音列ってぇのは半音2つ。そうすると残り10半音。つまり全音=5個ということになるわけですが、この12音の間に半音を多くちりばめた音列を導入すると多様な世界が生まれるというコトなんです。

長七を転回すれば半音の音程。人によってはこの響きを嫌う人だっているんですがそれは概ね自分の楽器の調律やチューニングが合っていないことも往々にしてあると思います(笑)。また、こういう人のタイプは和声に目覚めきっていないので、音楽を聴いた時に自分が偏重的に有している情緒や調性感にドンピシャとハマってくれないと共感できなかったり、和声面よりも「音質的」という音のキャラクターそのものに注力するきらいがあると思います。

つまるところ、和声的な部分は読み取れずにうわべだけの音質的なキャラクターで音楽を聴いてしまいやすいんですな。

私などマルチエフェクターの先駆けともなるようなSPXの時代を実感しておりますので、音のエフェクティヴな方向においてもココロ奪われたこともありましたけど、なんだかんだ言って、楽器やらの音は素朴な音が好きなんですな。アンプに通さない生のエレキギターが好きってぇワケじゃないですよ(笑)。あの手のエレクトリックな音は、アンプやら楽器そのものの音をわざと「作り込んでいる」部類のモノですが、それはそれで受け入れてしまっているんですな。まあ、ローズの音をイナタく受け入れてしまうようなモンでしょうか(笑)。

この手のイナタい音は概ねスワンプ系サウンドともてはやされるワケですが、どんな楽器においてもその音の素朴な姿をそのまま保つようなスワンピーな音が左近治は好みでありまして、深い残響も特に要らないと思っております。

しかしながら無響室に入った経験が一変させまして、耳にするあらゆる音は何らかの間接音や残響が付加された結果ということを思い知ると、過剰な残響を避けながら音作りにおいて非常に重要なものだと気付かされたのが私の「音質的」な側面での音楽の捉え方であります。

ところで、和声面において耳が鍛えられてくると、そんな残響成分の特定帯域の部分音やらも探れるようになったりするもので、この辺りの音質的キャラクターの「読み」が備わると、和声面においても音質的な側面でも非常に功を奏します。

和声面での耳が鍛えられずに漠然と音質とやらを聴いていると、結局の所残響の成分ですら唯のひとかたまりのキャラクターのように聴いてしまうワケですな。スタッカートで探る和声の重要な聴き取りもおざなりに、さらに無造作に残響を付加させているだけでは余計に状況を酷くしていることと同じなワケです(笑)。

和声面と音質面というように敢えて2つの側面で分けてみましたが、耳の習熟されていない人が実際にはこのように分類してしまっているようなモノで、和声的な習熟を得ると、このような垣根は取り払うことが出来るのでオススメなんですな。そうすれば耳コピだってイイことがあるかもしれない(笑)。

楽譜に頼らないと何も出来ないようでは非常に勿体無いと思うワケでして、和声面での魅力を追求するには偏った音楽ジャンルばかり聴くのではなく、間口を広げる必要がありますし、何と言っても自分自身の気持ちが大事でしょうな(笑)。

そんな和声面において耳が習熟されてくると、音程感すら希薄な打楽器の音やら打撃音の部分音ですら注力できるようになると思います。手っ取り早く言えばドラムの音作りにも役立てることが可能となります。かといってドラムの場合EQだけで済まされるようなモノでもないですけどね(笑)。

元の音のドラムの残響を嫌ってゲートで切っても、結局薄く別の残響を付加させたりもします。遠回りしているように思えるかもしれませんけどね。

残響に誤摩化されないドラムの音を手中にした時、初めて残響とやらを扱う領域に入っていけるのではないかと。

幸い、今のご時世では残響の少ないドラムの音がもてはやされております。マイクの収音の技術の向上やら録音体系がデジタルに変わったことによるステレオのパノラマ感の重要性が肯定的な意味においてドラム音のキャラクターをそうさせていると思うんですが、やはり冒頭にも語ったスワンピーな音がドラムにおいても重要で、和声的な側面ではなく、敢えて音質的な側面でドラムを語るとすれば、私の中で基準となっているアルバムやら曲というのはあります。

その曲はというと、折角ここで紹介する以上いずれ着うたでリリースするかもしれませんが(笑)、アナログ盤やCDでもなかなか見る機会が無いもので恐縮でありますが、ザ・セクションの3rdアルバム「Fork It Over」収録の「L.A. Changes」という、ラス・カンケルの叩くドラムの音は後にも先にも私の「基準」となるドラムの音なんです。

無響室での経験というのは何もソコでドラムの音を聴いたワケではないんですが、あまりの変容ぶりに自分なりに頭の中で現実の音のイメージを昇華させていったら、このアルバムのドラムが真っ先にイメージできた、という曲です。なにより私自身が非常に好きな曲だからこそイメージを投影できたとも言えるんですが(笑)。

いずれにせよ、音楽の和声面での側面は決して蔑ろにしてほしくない世界だというコトですな(笑)。

フローラ・プリムの続き [サウンド解析]

扨て、前回の続きです。

(※前後の文章からだけで判断してしまってコード表記などヒドイチョンボをして表記していたのを修正したので今一度前回のブログをご確認くださいね)

一連の3つのコード進行の3つ目は曲が進むとともに、CチェレプニンではなくEbメジャーとCメジャーが混在したハイブリッドな世界を構築してきます。Ebを基準とするスケールディグリーならVI△/I△みたいに。

これがミニムーグアープ・オデッセイが入って来てさらにバースを進めるとより顕著になって、Ebから見るとb9th音は使うわ、13th音とb13音が混在するような組んず解れつの様相を呈します(笑)。

この3つ目のコードの解釈としては他にも色んな解釈はできるでしょうが、チェレプニンを導入するのはあくまでもミニムーグが入る時の最初の辺りまでというご理解をしていただきたいなと思います。誤解を招かないように念のために補足しておきます。

Ebメジャー感を強く押し出そうとしているためコードもEb△9(+11、13)という風になりますし、そこにb9th音とb13th音も加えるという世界です。

こうしてバースを重ねてくると、当初のド頭コードのD△/C△もC△9(11、13)という風になっておりますが、曲の出だしのヴォイシングとは少々「欲張って」きているのは聴いていただければお判りになると思いますので(笑)、欲張りの境界を探って差異感を感じていただきたいな、と思うワケであります。

重要なことは、半音の羅列が毒として成立していてもひどく不協和な世界を演出しているのではない、という所に和声の美しさを感じていただきたいんですな。

意識しなければ、これほどこだわりのある世界だったとは思えないほどスムーズに耳に溶け込む世界だと思いますので。

このような毒のエッセンスの実例は、私がアレコレ作るよりも現存する名曲を例に挙げた方が理解も進むかもしれません。

ある意味ではチェレプニン音階やらミクソリディアンとエオリアンを混ぜたモードやら、メロディック・マイナーb2など過去には色々語ってきてはいるものの、なにもチェレプニンやらをあてはめるまでもなく、シーンによってはコンディミの解体とも呼べるべき世界をなぜこのように解説してきているのか?という疑問もあるでしょう。

曲の一部始終で完全にモードを確定できる音が明示されていれば確定せざるを得ないワケでありますが、ブログの1つの記事で収めるのは困難を極めると共に、話題を継続して提供するという左近治のスタンスもあります(笑)。

さらに重要なのは、モードを確定せずに「ジャズの要素」としての自由度が原曲にあるからこそ確定せずに、色んな側面からモードの可能性を探る、というのもジャズの世界を探る面白さでもあるのではないかと思うんですな。

ジャズ畑の人が多く参加しているからといって、未確定なままモードの解釈において自由度の高い作品というのは少ないかもしれませんが、自由度を与える考えから分析することでジャズとしての自由度やアプローチを研究するというのが今回は重要だと思ったからこそなんですな。

ひとえに、今回左近治が1つのモードを確定したとしてもジャズ的なココロがうずく人ならもっと拡大解釈してアプローチしてみるという分析を試みる人もいると思うんです。

CDタイム○○分○○秒から○○まではこのモード、この辺りのバースはあのモードとやらと説明している方がモードの「移ろい」や解釈を拡大できる助けになるのではないかと思うんですな。

そういう「解釈のマージン」を、私はこの曲には与えたかったのであります。

加えて、普段なかなか耳にすることのないような稀なモードをこれまで例を挙げてきましたが、多くの解釈ができる曲ならばなおかつ従来の例を引き寄せておさらいするにも好例だと思ったワケですな。

いくらジャズをやるにせよ、モード的解釈の「解答」を与えてしまえば、スケールさえ覚えてしまえば音選びそのものはどうにか成立してしまうモノです(笑)。悪い意味での「スケールの羅列」的インプロヴァイズになってしまうんですけどね(笑)。

スケールの羅列ではなく、フレーズの彩りや情緒を噛み砕いて理解するには多くの分析と経験を伴うモノだと思っておりますので、これまでの例がムダにならないためにも、今回のような多角的な分析も必要なシーンはあるかと思うんですな。

ただひとつ注意したいのは、ひとつのブログの記事だけを抜粋して読んでしまった場合、そこで理解が止まってしまう可能性を秘めているという所ですか(笑)。

私としては、このような多角的な分析を強いられるシーンでは、お読みになっている方々に各記事において疑問やらミソを付けながら読んでいただきたいと思っておりますので(笑)、「ココはこうじゃないの?」という風に穿った見方をしてくれるタイプの方が多く生まれることを望んでいるのでもあります(笑)。

とにもかくにも一番ふれてほしいのは「毒の魅力」ってぇこってすよ(笑)。

間違った音の行方 [サウンド解析]

人間誰しも間違えるコトはあります(笑)。

左近治は、楽理的な面でも器楽的な意味においても拡大された調性の世界についてアレコレ語りたいワケでありまして、一般的な調性から見れば「アウトサイド」な世界であって、その理解に苦しむ人からすればよもや「間違った音」にすら聴こえるような音の世界について語っていると思われるかもしれませんが(笑)、アウトサイドな世界をもってしても、間違った音はやはり「間違い」にしか過ぎず、ウソを800回並べても正当化はされぬものでして、音楽の世界はアウトサイドな世界であろうともやはり厳密なモノなのです(笑)。

五線譜の記譜法において間違った覚え方をしている人が居るとしましょう。

全く楽譜が読めないのとは違い、間違った解釈をしているというコトです。しかし、その解釈は一定の「間違い」あるのでその人特定の「ルール」が生じます。

これを逆手に取って誰かがその人に譜面を渡す。そうすると一定のルールで間違ってくれる(笑)。

間違いであるにせよ、この一定の「ルール」で統率されている音楽があるとすれば、それはそれで正当化されるでしょうが、こういう例は実際には希薄でしょうし、誰かが統率しなくてはならなければ一定の間違いも起こらないので、誰かがそれを知っている必要がありますし、このような、間違いが正当化される稀な例を取り上げてみても、どこかで統率されているモノであります。まあ、ある意味ではこのような稀な例は現代音楽的なアプローチとも言えるでしょう。

「真の間違い」とは矛盾した表現かもしれませんが(笑)、前述の例にあるような一定の「統率」からも逸脱しているモノでして、これこそが本当の「間違い」という事象(笑)。

間違いを「間違い」と認識できていれば、とりあえずはまだ安心なのですが、間違いと真実の境界も一定の制限も判らずに音を出して、それを正当化しようとすれば途端に愚の骨頂となるワケですな(笑)。


今から7年以上前、左近治がKクリで初めてのショップを出す直前のこと。

ショップの名前を決めるにあたって、今でこそ「あなくろ本舗」と名付けているものの、当初は「ど外道本舗」という名前にしようとしていたんですな(笑)。

公序良俗的な意味合いの「外道」ではなく、器楽的な世界での「アウトサイド」ということと、誰もが作りそうな着メロばかりではつまらないだろう、という「反社会的」な姿勢への寓意も込めて、そんなネーミングをしたんですが、これにはさすがに運営サイドからストップをかけられたコトがありました(笑)。

まあ、ヤマハさんの看板背負おうが背負うまいが、Kクリサイトでもおなじみのえびす顔の寺猫さんも流石にコレには逆鱗に触れてしまったのか(←そこまでオーバーではないんですが)、ショップを展開する前からお叱りを受けてしまった左近治でありました(笑)。

音楽の世界での和声的な意味においての「アウトサイド」な世界にも一石を投じたいという意気込みが過剰に働いて、社会的な過ちを垣間見ることになってしまったのは反省せねばならない点です(笑)。

どんな曲を作って行くのかもまだ判らぬような時に、「ど外道」などと名乗られた日にゃあ確かに驚かれるとは思います(笑)。


今でこそ左近治のべらんめえなスタンスもキャラクターとして受け止めてもらってはおりますが(笑)、当初から左近治はスタンスは実は変えてはいないのであります(笑)。根がパンクスなモノで、ついついこういう風に志向してしまうのが左近治の悪いクセ。

そんな左近治とて、やはり間違った音など許容できないワケです。

いかなる楽曲であろうと12音全て使ってイイんだ!などとは思ってはおりません(笑)。そんなのも許容される世界なら左近治じゃそれでも満足できずにホワイト・ノイズ発すると思います(笑)。

調的&旋律的な情緒を保ちながら調性を拡大するのはなかなか難しいものですが、体系的に音階を覚えたところで「スケール博士」になる程度にしかすぎず(笑)、特殊なモードの情緒を耳で操れないからこそ生じる「間違い」。だいたいこういう風に陥っている人って多いのではないかと思うんですな。

まあ、こういう間違いは「過ち」とも言えるんですが、過ちというのは人間にとって得てしてラクなスタンスを用意してしまっているんで、誤解をするとそのままラクな方へとどまろうとさせてしまう危険な状態なんですな(笑)。

自分のポジションがただ単に間違ったのか、それとも過ちなのか、計算され尽くされたものなのかということだけは知る必要があると思うんですな。

音として合ってはいても、和声的&旋律的な情緒感を理解していないからメロディック・マイナーですら使いこなせなずにスケールの羅列になる人が圧倒的に多いというワケですね。「5度抜き」覚えて叙情性を理解できた後には、アレだけスケールの羅列にしかすぎなかったメロディック・マイナーでも、その内5度抜きしなくとも操れるようになってしまうのが不思議です。

使い慣れない音階の情緒を理解するなど、2〜3回聴き慣れない音楽を耳にしただけではなかなか理解しきれないとは思います。ただ、「過ち」のステージにずっととどまることを避けるために左近治は「例」を出しているので、その辺りを察していただければ幸いですな。

Green Sleeves ジャズ・アレンジ解説 [サウンド解析]

さて、今回は11月7日にKクリにおいてリリースされた「Green Sleeves」ジャズ・アレンジについて解説してみようとおもいます。

今回は、チェレプニン・スケールがキモとなるので、念のためおさらいの意味でもチェレプニン・スケールの音列を今一度確認してもらうために画像をご覧ください。

TcherepninScale.jpg



和声面で今回取り上げたい事は、半音音程が連続する音列を和声的に導入する美学とでも言いましょうか(笑)。

半音音程がとりあえず2つ連続した場合というのは、例えばCから半音音程上行とした場合、C -> Db -> Dとなるということですね。

このような半音音程が連続した音列をモードスケールとした場合の和声、という事を意味します。

いくら調性面においてそのように定義付けしたとしても、やたらめったら半音を長二度間に収めてしまったり(笑)、短九度作っちゃったりすると奇麗に響いてくれません(笑)。

スケールの知識だけは立派なのにアドリブやらせると、ただのクロマチックなぞったようなロクでもない音弾きだす輩と同じような愚かな行為を避けつつ、奇麗に響かせようと努めるのがこの辺りの難しさでありましょうか。

リリースした「Green Sleeves」の曲終盤の一部を抜粋して譜面にしておりますが、メロディ・パートはベースのためヘ音記号にしております。表記上は1オクターブ高いので実際には実音は1オクターブ低いということは予め述べておきます。

扨て、譜例の一番上のベースパート(次の段はピアノです、念のため)2小節目のE音からD音へのグリッサンドの部分に注目してもらいましょうか。

GreenSleeves_Sakonosam.jpg

メロディがD音へ向かっているにも関わらず、和声はA6/B --> B△/C#という、一般的に見ればとんでもないコード・プログレッションで対応しているかとお思いになることでありましょう。

特に、B△/C#の部分だと、メロディ・ノートの「D音」と、ピアノの奏でるB△/C#に含まれる「C#音とD#音」というこれらの音がぶつかるようになるワケですね。


私のアタマん中ではどういう処理をしているのかと言いますとですね、「B△/C#」の所でA#チェレプニン・モードを描いているんですな。

で、この小節内のベースパートの残りのE音-->F#音というメロディは、次の小節へのアンティシペイションとして使っております。

因に次の小節はこれまた変なコード、「Bm△7/C△」というコードを与えております(笑)。ロウワー部のC音と、アッパー部のルート音(B音)と長七のA#音と、これまた半音音程連続しております(笑)。

んで、解釈としては「Bm△7/C△」のコードでは「D#チェレプニン・モード」を描いております。

ここのコードで「B音」を聞き逃すタイプの人だと「C9(#11)」の音だと思ってしまうヒトが居るんですね。それはそれでその当てはめ方はアリなんですが、毒ッ気が少ないし(笑)、ジャズ的アプローチとしてもありきたり。

奇をてらってB音をさらに使うのではなく、私は「Bm△7/C△」の音の方が好きなのでこうしているだけであります(笑)。


まあ、リリースしたアレンジの方を聴いていただければ自然に聞こえてくれるはずなんですけどね。このように楽理面で文章にして解説してしまうと、一般的な和声とはほど遠い解説になってしまうので余りにも変な和声を連想されてしまうかもしれませんが(笑)、実際に聴いていただければごく普通に耳に馴染んでくれると思います。

おそらく、このように解説しない限りは、なんてコトなく普通のジャズとして聞き流してしまうであろう音だと思います。音取ってみて初めて「変な音使ってるなー」みたいにお気付きになってくれるのが一番嬉しいのでありますが(笑)。


左近治が「Bm△7/C△」でインプロヴァイズするとしたら「A音」も使っちゃいます(笑)。D#チェレプニンのスケール外の音ですね。D#チェレプニンを冒頭に使いつつ、D#チェレプニンの5th音である「G#音」を半音上げて使ったりします。

そうするとA、A#、B、Cという半音音程が3つも連なるコトになるんですが、ロウワー部でCメジャー・トライアド、アッパー部にBm△7に増13度と言えばいいのか増六の音足した音をコードで鳴らしてみてください(笑)。A音をトップノートとして。

ヴォイシングによっては奇麗に響かなくとも、譜例の「Bm△7/C△」部分の「G音」をダブル・シャープして弾いてみても構いません(おそらくコレが一番耳に馴染むヴォイシングだと思います)。そうすると特に変な響きには聴こえないと思います。


ちなみに、この「Bm△7/C△」のアッパー部の「G音」はロウワー部の拝借です。


誰もが知っているような曲のメロディに対して、少々毒ッ気をまぶす、と。


半音音程1つだけでも耳が成熟していないためにメジャー7thが汚い!と豪語するヒトも実際にはおりますが(笑)、おそらくその程度の耳だと音楽やっていく上ではかなり足枷となるため、私の今回の解説もそのような人向けには語っておりません。少なくとも七度の美しさや増四度の美しさをマスターした方が最低限のラインとなります(笑)。

念のため付け加えておくと、「Bm△7/C△」において左手七度ではなくオクターブなのは、アッパー部を汚さないための配慮です(笑)。人によってはコレでも十分「汚れてる」とのご指摘を受けるかもしれませんが(笑)、私には汚れて聴こえません(笑)。

仮にコレがソロ・ピアノという前提であれば、ピアノの左手のヴォイシングはオクターヴではなく「10度」。つまりドとオクターヴ上のミで弾いてもよいでしょう。手が小さくなければ10度なら開くでしょうし、響きそのものを実感されたい方はそうやって弾いて確かめてみてもよろしいと思います。


連続した半音音程を旋律的に弾いただけでも叙情性を醸し出すのは難しく、さらにそれを和声的に操るのは色々工夫せにゃならんのでありますが、その辺りの妙味を知っていただければなと思います。

何も、使い慣れない音列が現れたからといって及び腰になる必要はなくとも、楽理面ではきちんと把握している必要はあるものの、こういう音を蔑ろにしないでくれよ、と思うことしきりなんですな。

私の場合は和声的に欲張り型であるため、ウォルター・ベッカー御大のように極めて巧みにシンプルに機能させる彼岸にはなかなか達せないモノでありますが、その辺りはお許しを(笑)。

半音つなげりゃイイんだ!みたいな解釈は決してしないでくださいね(笑)。

私の場合、こういう音をとりあえず体得できたのはウォルター・ベッカーとヒンデミットのお陰であります。というのも、今回のチェレプニン・モード導入で最大のヒントとなったのは他でもない、ウォルター・ベッカーの1stソロ・アルバム収録の「Medical Science」のお陰なのであります。これについては後日あらためて詳細に語る予定でありますが(笑)。

何はともあれ、興味を抱かれた方はとりあえずお聴きになっていただけば幸いでございます。

ハロウィン 第一楽章 [サウンド解析]

どこかのバンドを連想させるようなタイトルにしちまいましたが、そっちのジャンルとは全く無関係の話題です。そうですな、ハロウィンだったんですな。

m_X-Orcism.jpg


ハロウィンに乗じたカツアゲやらオヤジ狩りに遭遇することもなくDAW周辺に勤しもうとすると、SSLから知らせが!

「X-Orcism」なるフリーのエフェクトですか。フムフム、これは面白そう。

とゆーワケで、SSLのX-Orcismの説明不要とも言えるプラグインの説明の話題にすることに(笑)。

6つのパラメータしか備えておりませんが、「INPUT GAIN」については説明は不要でしょうな(笑)。

「ECHOES」は、ついついピンク・フロイドを連想してしまうのが左近治の悪いクセ(笑)。とりあえずホントのエコーですな。ディレイ・タイムはDAW上のテンポに何かしら変化が与えられるのかと思ったんですが、スタティックですね。そこまで期待してはいけないかもしれませんな(笑)。でも、ディレイを単純に使っただけではないようでスッキリしたエコー・サウンドですな。ディレイ・タイムをアレコレ探るよりも普通にこのエコー使った方が手っ取り早いかもしれません(笑)。

「THE HOWLING」というパラメータは、とりあえずノイズ・オシレータのようです。だからといってホワイト・ノイズをまんま放流したようなソレとは違いますが、このプラグインは「エフェクト」であるので、ノイズ・ジェネレータとなる所がキモですね、シンセ的視点で見れば。

「WAILING」パラメータはピッチ・モジュレーションのLFO(LFOスピードはスタティック)という機能のようですが、シンセのパッド系と深めにかけたい時のエレピとか、高域が爽やかな音なので結構相性良さそうです。

「TOMBVERB」は、このプラグインの中で最も重宝しそうなリバーブで、画像辺りのセッティングでドラム用のリバーブとしても使えそうな、用途の広い感じの音です。中低域の飽和感が少なく爽やかで、一定のリッチな量感が確保されているんで、ボーカルやらシンセにもかなり用途の広そうなリバーブで、この手のフリーのプラグインなのでタカをくくっていましたが結構上品なので驚きました。

「GHOUL」はピッチ・シフトですね。プラスマイナス1オクターブで、センターがジャストという可変域となっているようです。オクターブ上げた時の、意外にも破綻の無いピッチの保持が良かったです。Absynthのイケイケなパッドにも使ってみましたが、動的にピッチが変動するソースにおいても追従度は高い方だと思います。

さらに、このピッチ・エフェクトはドラムのキットのサンプルをブチ込んで見ると、これまた破綻が少ないので、スッキリとした感じを残しながら、ライトな音を得られるので、混ぜこぜ系ドラムにもかなり使えそうです。ドラムでこれだけ破綻の無い音処理というのがとても好印象でした。

で、今回用意したデモはX-ORCISMを使ったものにしてみました。安直なドラムとエレピとベースのサンプルです(笑)。

空間系として使っているエフェクトは全てX-ORCISMです。前半はマジ曲系で後半はX-ORCISMをふんだんに使ったエフェクトで(笑)。

マジ系としてエレピに使う時に配慮したことは、2つのbusにパラ出ししていること。この場合パラ出し2つともピッチ・デチューンとリバーブを特化した設定にしております。

しかしながらパラ出ししようがそれだと面白くないので、busにパラったそれぞれのX-ORCISMの前段にプリ・ディレイを置きます。両者のプリ・ディレイは揃えずに、ある定数を与えたら、両者の比率が長短3度&6度の振動比の比率を導入します。私が空間系エフェクトのLFOのスピード(多相コーラスを語った時)などに用いる手法です。

さらに、パラ出し2つのbusのディレイを通った後にHPFを噛ませます。

ひとつのbusのHPFを設定した周波数の1オクターブ+完全5度の関係になるような周波数をカットオフ周波数とします。

例えば、完全5度の振動比は3:2なので、これにオクターブを足すというと6:2、つまり設定周波数を1とした場合、比率として3:1若しくは1/3:1になるようにもう一方のbusのカットオフ周波数を設定してあげるという意味ですね。

さらに判りやすく言えば、1つ目のbusのカットオフを600Hzに設定したら、もう一方のbusは200Hz or 1.8kHzに設定してあげればイイってぇ意味なんです。

なんで1オクターブ+5度を用いるのかというと、これは色々考えはあることですが今回は詳しく述べません(笑)。

ただ、それに加えてBusルーティング側もきっちり等しいエフェクトが同等に音像においてセンター定位を占めてしまうのはどうも避けて通りたい。そういう諸問題も加味した上で、さらにそれぞれのbusのセンター部分の抑え込みやらは色々考慮する必要は出てくると思います。こういうBusルーティング側のパノラマ加減が無頓着になると、ソースが増えれば増えるほど、無処理の音像はデジタル・ミックスにおいて破綻の度合いを強めます。飽和しやすい音になるってぇこってすな。

今回のこういう用法に限らず、デジタル・ミックスにおいては特にこういう所に留意したい部分でもあります。Logicの標準プラグインでもそういうのはありますし、Fluxでもその手のエフェクトはフリーであったりしますので色々お試しになってはいかがでしょうか。

ま、いずれこの手のことも詳しく述べていこうと思っておりますので、今回はこの辺でグッとこらえて、とりあえずサンプル曲のコード進行辺りの話題に移るとしましょうか(笑)。

コード進行の方は

AbM7→AbmM7(+11)→GbM7→GbmM7→EM7・・・

という風になっています。

例えば上記のコード進行を

AbM7→G7→GbM7→F7→EM7・・・という風にすると!?

あんれまあ、こりゃフランシス・レイの「男と女」やらスティーリー・ダンの「Peg」のイントロやらIONAのCMのアレだったりします(笑)。

つまり、ルートを半音クリシェせずにドミナント7th回避すると、実はドミナント7thに隠れたマイナー・メジャー7thコードやディミニッシュ・メジャー7thコードを導くことができるってぇコトも同時に理解することのできる、とっても便利なサンプルにしてみました。過去にも散々この手のコード進行やりましたっけ(笑)。

とまあ、そんなワケで連休を楽しんでみてくださいな、と。


多相コーラス [サウンド解析]

Logic Proには「Ensemble」という多相コーラスが付属してきます。LFOは2基に加えてランダムなLFOを別に1基という合計3つのLFOでより深みのある出チューン効果を得られるというワケです。

ランダムLFOをごく薄く混ぜるというのも、ゆらぎを演出させて深みを与えることはできますが、私がよく行っている設定は、ランダムLFOは使わずとも他の2基のLFOのスピード比を純正律の整数比になるように設定することがあります。

通常は平均律を扱うワケですが、そのアンサンブルに対してデチューン効果を演出したいのならば、なにもLFOにまで平均律の概念導入する必要なく、別の音律の概念の方がよっぽど厚みや深みを得られるだろうという発想です。

6:5や5:4やら9:8やら、巧くすれば15:8とか。3:2だってイイでしょうし、4:3だってイイかもしれません。こういう振動比については以前にもチラッと語りましたが、私の場合は長短3度あるいは長短6度の比率にセッティングすることが多いでしょうか。

Logic Proの「Ensemble」は、そのゆらぎ加減を視覚的に判断できるがひとつの利点だと思っております。単純な波紋のように見える模様が、複雑さを与えることで、周期性を保ちつつも複雑な幾何学的な紋様に変化する様は、複雑な和声というのもこのような幾何学的な音の紋様を描いているんだろうなーとイメージすることができるんですな。

私の場合、単純な和声よりも複雑な和声(いわゆる不協和と言われる和声)の方が好きであります。もちろんそればかり使っていてはメリハリにも欠けるため、安定感を醸し出すコードを与えつつ楽しむというワケですが、少々複雑な和声であろうとそれを手玉に取れなくて使えなくなってしまっている人は意外に多いと思います。

釣りに出かけて「ド」が付くほどのピーカンだったりベタ凪ぎだったりすると釣果は得てして良好な結果にはなりません(笑)。釣果云々ではなく、雲一つ無い、風ひとつ無い、波すら立たないようなシーンって釣りでもそうですが音楽でも私には嫌いなシーンなんですな(笑)。かといって「調子ッ外れユニゾン&オクターブ」を許容できる、という意味ではないですよ(笑)。モノには限度がありますが。

松島に赴いた時、私の行った時がたまたまそうだったのかもしれませんが、海とは思えないほどベタ凪ぎだったんですね。日本有数の地震の巣でもあり、気仙沼だって有名な魚河岸だったりするんで、私としては荒れ狂うとまでは言いませんが、情感豊かな水面(みなも)だったりするんだろうなーと思っていたので違った意味で驚いたことがあったんですね。松島のそれがイヤだったというワケではないですよ(笑)。

まあ、日常生活に置き換えてみたものの、あまりに純然たる単純なハーモニーは私にとっては杓子定規のようなものに過ぎず(笑)、もうちょっと不確定要素を欲すると言いましょうか、例えれば万華鏡を覗くにしてもさらにフラクタルなものが欲しいな、と。それに似たようなものがあると思うんですな。だからこそコーラスというエフェクトにおいてもテンポやビートに沿ったものが要求されるワケではないのだから、調和を取りつつも多少汚す、みたいなね(笑)。

それこそLFOのスピードのパラメータを厳密に処理したいのであればReaktorやら使えばイイわけですし、色んな手法はありますが、平均律においてもデチューン効果を得たいのであれば他の音律の概念導入した方がスムーズだろうと思うワケですな。生の楽音のピッチなどかなり揺らいでいるのが現実ですしね。

DAW上で数値化されるものが多いからといって杓子定規な考えだけに収まってしまうのは勿体ない、と。

EQでイク!? [サウンド解析]



奥深いEQセッティング。サンレコの先月号でも特集やってましたっけ。ただ、EQというのもそれ自体のツマミ類がフラットであっても、自身が音のクセを持っているというタイプも結構あるもので、そういうキャラクターがもてはやされるシーンにおいては最早EQ的な考えだけでは済まされないという側面もあります。

LogicPro8のEQパラメータで付加されたベルカーブの対称/非対称のパラメータ。これは結構活用できるのでありますが、バンド毎に独立した設定というのはできないので多段挿しするしか現在では手はないのでありますが、そもそもブースト&カット量とQ幅は反比例的にカーブを保つような設計になっているというのがEQの基本的な設計と思ってもらって差し支えないでしょう。

EQを富士山に例えれば、Q幅というのは裾野までの幅ということになりますな(笑)。LogicPro8の対称/非対称パラメータは、富士山の地下に同等の「谷」を作り出す際、山と同じカーブではない対称的ではないカーブで谷を作る、ってぇコトなワケですな。

EQのベルカーブというのは面白いもので、ブースト&カット量に応じてQ幅が変化するような、概ねベル内の面積を極力一定に保つようなものがあったり、或いは裾野の領域がブースト&カット量に応じて拡大するようなものとか、色々あるワケですね。

SSLやニーヴ、GMLのEQがもてはやされるのも、単純なベルカーブではない独特のクセを持っているからこそ受け入れられているのも理由のひとつではないかと思います。

まあEQの特性にも色々あるわけでございますが、話を戻して先月号のサンレコのEQ特集。例えばギターとベースを混ぜた時のピークの均し方について。

視覚的にEQポイントを探りつつ、不要なピーク均しの重要性を声高に唱えるのはイイんですが、そこまでして原点に戻ったかのようにEQについて述べるのであれば、視覚的に確認できるピークとやらをピーキングの特性なのか或いはRMS/VUなどで視覚的に確認すべきなのか、ということまでは言及していないところが残念な点でしょうな。

もちろん音作りに関してピーキングorRMSで確認するかは要所要所で異なりますが、例えばピーキングメーターで市販のCDなどを確認した場合、一部にはスネアの音がピーキングに現れないようなアンサンブルもあるワケですね。ピーキングには出ないのにRMS / VUなどでは現れたりするメーターの動きやらその逆も然り。ギターやベースというのは中低域にエネルギーが密集しているためQ幅の狭いピーキングで均そうとしても音のキャラクターを変えるだけにしかならない。つまるところ、サンレコのあの記事においてはRMS / VUで均した方が功を奏すると思えますが、他のアンサンブルが入った場合その限りではありません。普通ならキックも入ってきますしね。100〜460Hz辺りはキックのキモの周波数は少なくとも3つあります。たったこれだけの狭い帯域と思えるでしょうが、100Hzを基準にすれば2オクターブ以上の帯域なワケでして。

視覚的にピークを確認するにはその応答特性も重要であるし、整えるアンサンブルの占めている帯域にもよりますが、たった2つのアンサンブルで低域のピークを均すのであれば、RMSで確認しながら広めのQ幅でやってあげた方が無難ではないかと思いますが、こういう部分には言及していないのが残念。そもそもあの説明では視覚的にこだわりすぎる向きすらあって、色んな特性のあるモニタ環境の前段で視覚的に確認しようとする基準作りを全くの素人から構築させるのは少々難しいと思うんですな。ある程度の経験を備えた上での基準を構築した人ならいくらでも視覚的なイメージが湧くものでありますが、誌面を割く必要のないほどの解説で済むような注意点であるにもかかわらず、こういう点がおざなりになるのが最近の雑誌には多く見受けられるんですなあ。サンレコに限らず。

但し、答えがひとつしかないのではなく色々なケースが考えられるため、記事をどのような方向性に導きたいのかが結局曖昧になり、万能調味料的な解を導いているだけではダメだと思うんですな。

例えば、マハビシュヌ・オーケストラの「Miles Beyond」。今私が手掛けている最中で手前味噌ではありますが(笑)、ビリー・コブハムのキックはセンターではなく11時30分くらいの所にあるワケですよ。ベースはしっかりセンターで。

だからといって、両者の低域ソースの音像が完全に分離したようなものではなくて、アナログ時代ですらセンターのかち合いを嫌った上でこのような定位を施したと思える音像なんですな。若干片chに低域ソースを振ったことで、逆のch側の倍音成分を少々手を加えることでよりステレオ感を演出することにも繋がる、と。

このようにして低域ソース楽器を敢えて定位をずらすことによって左右のchのレベルのバラつきをどのように整えるのか!?というとこれまたサンレコのような手法だけでは通用しなくなってしまうのでありまして、そもそも低域ソースの定位には触れずに、さらにはレベルメーターの応答レスポンス特性にも言及せずに視覚的な部分だけでのEQエディットの解説は少々危険だと思うんですなぁ。よいこのみんなにはぜひともマハヴィシュヌ・オーケストラのような、数少ないマルチトラック時代のレコーディングの定位作りからミックスを学ぶべきだと私は思うんですな。

耳だけでは判別しづらい定位を弄って上げるだけでも、現在のデジタル社会ではそれだけでも「かち合い」を緩和させることができるってぇモンですよ。さらにはDAWのプロジェクトを44.1kHzで制作していれば低域にはより「不必要な」エネルギーを残存させて、デジタル的な飽和状態がやってくる、と。20トラック以上のソースでもセンターに集中させれば素人でも不必要な飽和感を実感することができるってぇモンですよ(笑)。

EQだけではなく定位をずらして馴染ませる方法とか色々あるんですが、生のモノソースを数多くレコーディングするならいざ知らず、大抵のソフト音源をハナからステレオで処理しているからこそ、そのステレオ感とやらに甘んじて定位を思い切り振ることができないミックスの臆病者が素人の人達は多い実情を把握していれば、EQだけではない妙味もちりばめた上で解説することが専門誌として重要なのではないかと思うのでありますな。

まあ、どんなに文章で説明しようとも結局は音で実感しないと判らないことでもあるので、結局のところ、習うより慣れろ!の世界だとあらためて思うワケでありました(笑)。

円周率をチェレプニン音階にあてはめてみる [サウンド解析]

え〜、ちょっと今回は変わった企画を試みるコトに。

つい最近、チェレプニンの音階について色々語ってみましたが、今回はチェレプニン音階の音列を円周率にあてはめて音楽作っちまおー!ってなコトを実践してみるコトに。

まあ、ゆとり教育の代名詞とも言える円周率=およそ「3!」(←世界のナベアツ風に)なんてぇのは、例えばチョーキングなどメチャクチャ下手で調子ッ外れのクセして、「おお、チョーキングうまいね〜」とホメられるようなモンで(笑)、いかにヒドいものなのかということをあらためて理解できるとは思うんですが、とりあえずは9音音階であるチェレプニン音階を円周率にあてはめちまおーッ!とゆーコトで作ってみました。


ただですね、円周率というのは1〜9の数が出現してくれるのではなく、ゼロも出現します。円周率の深淵を探る人などゼロが続いた時にはさぞ大喜びしたんじゃねーかなー、と思うワケですが、今も円周率はコンピュータ駆使して探られているワケですね。

「9音音階にどないしてゼロ使うねんな?」

そうなんです。ココなんです問題は。


過去にもブログでチラッと円周率を音階にしてみたりするというネタを語ったコトがありましたけれども、その時は深く言及しませんでしたので今回はチト掘り下げてみることに。月イチくらいには大脳新皮質使ってやらないと「おバカ」になっちゃうので、涼しくなってきたこともありヒマなんで今回は少々マジモードで。


円周率を音列に置換するってぇコトは、ある意味では、そのランダム性により「セリー」を構築することも可能なんですな。セリー音楽のセリーです。

ま、ここではセリーについて深く言及しませんが、ある一定のモチーフを定義付けしたら、そのモチーフを二度と使わないようにして「次の音」を構築していくような作曲法と思っていただければ判りやすいでしょうか。


んで、肝心のゼロの扱いですが、今回左近治はゼロ出現時において、それは「休符」且つゼロを調性変更のフラグとして扱っています。

更に、ゼロの前後の3つの数をそれぞれ加算して、3種類の調性を後述のように定義付けしております。


例えば、「1230987」という数列があったとしたら、ゼロの前の3つの数字とゼロの後の3つの数字をそれぞれ足してみます。
そうすると・・・

「6」という数と「24」という数字を得ることができます。で、さらにこのふたつの数字の差を絶対値で求めます。すると絶対値は「18」というコトになるので、これを3で割ります(絶対値というコトバに拘っている理由が判らない小6、中1の人は先生に訊ねてみてね!)。

割り切れた数を・・・Cチェレプニン・スケール
余り1・・・Dbチェレプニン・スケール
余り2・・・Ebチェレプニン・スケール


という風にしております。ゼロが複数続けば休符も続くし、音も無いのに調性が変更される可能性があります(調性が維持されることもあります)。

Cチェレプニン音階というのは、Eチェレプニン、Abチェレプニンも構成音は同じです。ってなワケで3種類用意すれば12音全てを満たす調性が得られるワケですね。あてずっぽうにアレコレ転調させる定義付けをするよりも、3つの定義付けで間に合うことも理由のひとつ。

なんで前後の3つの数字に拘ったのかというと、左近治の趣味の領域ですが、魔法陣(奇数方陣)の発想を3声のセリーを使って導入してみよっかな、というアホなコトを趣味でやっていたので、大きな理由は特にありません(ホントはあるんですが小せぇコトなのでココでは割愛)。

魔法陣ってェこたぁ、縦、横、ななめ、合計しても等しい和を生じるワケですが、チェレプニン音階を導入しつつ、3声部&3音ずつのセリーを魔法陣にみたてて9種類のセリーを導いて作った音楽というのを楽しんでいたという、ただそれだけの理由です(笑)。故武満徹の立体楽譜がどういうモノだったのかは詳しくは知らないんですが、魔法陣導入した楽譜(アンサンブル)って面白そうだな、と考えていた左近治だったワケです。


ある意味、この手の音楽となるとアイデア勝負ともなりますが、よいこのみんなはマネしないでね!(笑)円周率およそ3のままでイイっすかから。悪い子はトコトン学んでください(笑)。


それと、ゼロ以外で同じ数字が連続した時はオクターブ変更を行いますが、前後の音との音程差が著しく極端にならないように、これは左近治が勝手に行っています(笑)。この辺の定義付けも可能ではありますが、あざとい人だとこのアイデアでメシのタネにしてもらっても困るので、こちとら無償で提示しているワケですから、もっと深く追究したい方はそれなりにご自身で進めてくださいね(笑)。とはいえこの手の題材なら誰でも一度は用いたコトがあると思うんですけどね。現代音楽やらに興味を抱いている人は。



算数&数学の初歩程度でも、こういう音楽を生み出せるということが判っていただければな、と。ちなみに音波とは耳に届いた時こそが情報が届いた証ではあるんですが、途中でロスしている音だってありますし、それはどうやっても音波として現れないのは判りますよね。

現存する万物というのは、ある一定の「波動」に相殺されずに調和しているという証ですので(原子だろうが太陽系だろうが宇宙だろうが)、10進数を用いて求めることができないだけの現存する「円」。機械的にはどんな精度をもってしても現状では「真円」は得られないのでありますが、世の中のそんな成り立ちやらを数字に置き換えて音にする、という醍醐味を味わってもらいたいんですなあ。音楽というのも結局はソコなんで(笑)。


で、今回用意したサンプルは、それこそハモンドにでも弾かせればプログレっぽい音並びになっているのは興味深いですね(笑)。もっと追究して巧い具合にコード・プログレッションさせることも可能ですが、題材的にはもうコレで十分だろ、と思うのでこの辺でとどめておきます。

3.14・・・のアタマの3から始めて、16分音符に置き換えています。それが10小節。小数点第159位まで知ることができますんで、音覚えていただければそれくらい覚えられるってぇこってす(笑)。


底意地の悪い左近治が敢えて忠告するしますとですね、ハナからチェレプニン音階を導入していることにより、チェレプニン音階の呪縛から逃れることはできないので(笑)、十二音技法とは全然違います。ゼロ出現時にミラー・モード導入してテトラコルドの高低を入れ替えるにしてもチェレプニンは釣り合っていますし、レトログレードするなり、協和音程だけを用いてハモらせるフラグとして活用するなり、色々研究してみてください。

十二音技法とは異なるものの、釣り合いの中での不可思議な音列の魅力とでも言いましょうか。

2008年夏 Rhodes聴き比べ [サウンド解析]

今回はまたまたローズの聴き比べであります。とりあえず2種類です。



コード進行はというと、

Fm9(13) --> AbmM9 (#11,13) --> EbM9 --> Eb9 (#11) --> BbmM9 --> GmM9

というように、マイナー・メジャー・コードを今回もふんだんに使っておりますが、たぶん今回コードネーム書かなかったらマイナー・メジャー使っているとは気付かないのでは!?と思えるくらいさりげなく使ってみました。

前半はNI Elektric Piano 1.5 後半はScarbee CEPです。

間接音 [サウンド解析]

まあ、前回の続きでアレルギー面やらにも目を向けてみると例えばサンレコに寄稿している赤川新一氏の記事は、居住空間の在り方などを踏まえながら興味深い記事を読む事ができ、近年のサンレコにおいては貴重な記事のひとつになっているように思うわけですが、今月号の水道水とシックハウスの関係はかなり興味深かったのであります。

健康なんてのは自分自身が健康な時は概ね無頓着なもので(笑)、耳すらヘッポコな人が多いものだから音に関わる日常だってかなり無頓着。

突然居住空間が変わればさすがに間接音にともなう残響の違いを判別することは可能であっても、慣れが生じてしまえば無頓着になってしまうのが大半ではないでしょうか。

間接音の分布具合やら果ては空調や室内の温度変化に伴うピッチのゆらぎなど音感鈍い人なら勿論無頓着でしょう(笑)。だからこそ自分自身の血圧や心拍数の変化なども健康だからこそ無頓着になってしまって自分のみ見回りの血流すらも無頓着。これらのファクターなど無関係にブラインドテストなど容易く展開してしまうという情けない有様。

自分の声などいかに間接音に「作られたもの」なのかということは、以前に無響室について語った時でも体験談として述べましたが、間接音が作り出してしまっている音質に惑わされない目利きというより「耳利き」が重要になってくるのかなーと思います。

自分の部屋を「器楽的な」音響ルームにチューニングしたいという人は多いでしょうが、実は生活空間のキモとなる床部分に目を向ける人は少ないのが実態でしょう。

床で全てを構築するというのも「どだい」無理なハナシですけどね(笑)。

間接音を積極的に取り入れることだってあるし、実際にはこういうシーンが多いわけですね。DAWソフトで全てをバーチャルに片付けてしまうとついつい見落としてしまうシーンかもしれませんが、だからといってサンプル音源でマイク収音の間接音部分まで目を向けている人は少ないでしょう。出されたもの(リリースされたもの)をそのまま素直に受け止めて、その音にEQやらダイナミクス系で若干の編集を加える程度だったり、というレトルトカレーに一工夫!みたいな程度に済ませちゃっている人いませんか?(笑)。

たまたまアレルゲンの耐性があるからシックハウスに気付かない。それは自分の環境に只単に慣れ親しんだだけの基準で音を決めてしまっているという。今の時代音感を鍛えるどころか衰えさせかねない時代でDAW人口が増えていくという悲しい現実に目を向けざるを得ないと。気付いた時には自分自身が健康を損なう(=器楽的な意味ではこの場合、求められる「音感」が無いということとの暗喩です)ようでは時既に遅し。

これだけ暑いさなか、自分の家の周りでの温度変化には敏感でも、その慣れた場所での音響の変化に目を向けて敏感になってみれば気付くことなど沢山あるんですけどね。

聴覚について [サウンド解析]

浜崎あゆみの左耳の難聴のニュースが報じられている最中ですが、この私とて暮れにセカンド・オピニオン受診して異状なしってぇコトだったんですけどね、とりあえず聴覚について今一度お話しよっかな、と。

人間の耳ってぇのは興味深いもので、正常な人でも両耳の感度は全然違うんですな。数dB~10dBくらいあっても普通。でもそれが両耳でアンバランスに聴こえないのは脳が補完しているからなんですな。デジタルで言えば1bitから2bit分の開きがあるのだから驚きですな。その感度は全帯域トータルの感度なので、片側の耳がある特定の周波数帯の感度の鋭さ/鈍さってぇモンが実はあるんですな。

で、日常的に片側の耳が、疾患などではなく生理的な要素で一時的に「聴こえにくい」とか、騒音の激しい場所で仕事をしていたとか生活していたというシーンである周波数帯において鈍かったり聴き取りづらくなるという症状は誰にでもあってですね、あまりにアンバランスさを欠いてしまうとそれまでの両耳とは違和感を抱くので、概ね泳いだ時に耳に水が入ったくらいの違いを認識するんですが、これよりも「見逃せてしまうような違和感」程度だと、脳が徐々に補完していっちゃいます。

大音量でいつも音楽を聴いていたりすると、「見逃せてしまうような違和感」を放っておきがちになるので、実は耳にはよろしくない。それでいつの間にかその見逃せてしまう違和感が「日常」となって脳が補完してしまう、というワケです。

もちろん人間の耳には個体差もあるワケで、その個体のクセとやらを人間の脳はどうにかこうにか補完しようとしているってぇワケです。

結合差音が聴き取れないようだと(周波数の違う音叉を同時に鳴らして、それらの音叉とは違う音が内耳に生じる現象)内耳機能が損傷してしまっているのは間違いないでしょう。差音というのは例えば2つの異なる振動数(ピュアトーンで)を同時に鳴らすと、その双方の周波数の差分が聴き取れるというワケで、ほぼピュアトーンのような一昔前の携帯電話の着信音などでは、耳に近付ければ簡単に認識することができます。

左近治自身、3&4和音時代に結合差音を利用したアレンジを施して、三声や四声を超える楽曲のアレンジに挑戦したものです。対位的には美しくないけれども、差音を生じさせるためには仕方が無い!というアレンジをしていたこともありました(笑)。今ではもうそれらの楽曲を聴くことはできませんけどね。

で、後天的に視覚を失った場合概ね聴覚が鍛えられます。方向感覚を掴むのは耳や触覚なワケで耳が鍛えられるというワケですな。というよりも視覚に頼れないからこそなのでありますが、モニタリングですら照明を明るくせずに暗くした方が音を捕らえやすくなるというのも似たようなモノであります。

以前のブログでも絶対音感についてチラッと語りましたが、人の声の低い/高いがきちんと認識している人なら誰でもある能力でして(笑)、これこそが絶対音感たるものの根幹(笑)。

ある人の声がいつもより声がおかしい。

「風邪ひいた?」

これが判れば絶対音感の発揮例。何もピアノの音当てられるだけが絶対音感ではないんですな(笑)。それだけ音名当てられるほどのピアノ弾きの中にハンマーの部分音を列挙できる人にどれだけ出会ったことか(笑)。それでいて自身のピアノの調律には無頓着で調律は年に1回で十分!というトンデモない人が「ナンチャッテ絶対音感」を引き合いに出して特殊性をアピールしようとする、雑魚ピアニストやら音楽屋の悪いクセですな(笑)。

幼少の頃から音楽方面で芸達者だと日本の教育社会だと概ねチヤホヤされながら育っていき、それがピアノ主体の音楽教育(民間の)だと、週末にコンクールやら催し物で一所懸命持ち上げられ(笑)、音大卒業してプロのなるかと思いきや、町のピアノの先生とか調律師とか。これが現実。ここまでの地位になる人すら限られているのが現実で、実際にそれらの人達でも絶対音感はあるのだけれども、本当の秀でた音感を持っている人は実際には少ないでしょう。一般的に見れば、そんな方々よりも遥かに劣る音感(一般的に「音感が無い」と呼べるに相応しい)を持つ人が殆どなんですからね。

オーケストラのアンサンブルだって、同一曲内でピッチの変化していることすら聴き取れないようではいかんのですよ(笑)。器楽的な意味で絶対音感が優れている人はあらゆる部分音も可能な限り抽出できて、音名に表す場合はセント単位の増減も判り、符割の細かいフレーズやらパッセージでも記憶することが可能(つまり耳コピが可能)、自身の脳内で得意・不得意の調性感を持たないetc(←特定の調性を持ってしまう場合、概ねいっつも同じ調の曲しか作れなかったりする)

さらには、聴こえてくる音を自身のボキャブラリーに「置換」してしまうのも、音感が鈍い人の顕著な例。或いは他言語だったりとか。特に日本語の場合は「文字」から置換された「音(五十音)」に置き換えてしまうので、日本語を習得して五十音を覚えた時からデフォルメが開始されてしまうという側面も(笑)。これを意識できているのであればデメリットにはならないと思うんですけどね。

こういう中で鍛えられた人の絶対音感というのはもはや「なんちゃって~」の類の人とはもう別物なんですな。

音にうるさいスティーリー・ダンのライヴを見に来た人5000人の中で、これだけの耳を持っている人は5人居るか居ないかでしょう(笑)。もしかしたら1~2人居ればまだイイ方かもしれません(笑)。

左近治はどうなの!?と言われれば、さあ、それはご判断にお任せします(笑)。私よりも音感が鈍い人には数多く出会うのが私のこれまでの「日常」でしょうか。器楽的に。


ハナシを戻して難聴の類の場合、女性の場合は脳の構造というか神経伝達も男性と違うので、耳に障害が出ているとより一層外的要因は男性よりも特定しづらいかもしれませんね。耳の再生手術というのは現在の医療技術をもってしてもまず無理な分野じゃないでしょうかね。メスどころか針のように細いもので触れただけでも特定の細胞を損傷させてしまいかねないのが人間の耳。実に難しい部位。もしかすると、投薬治療やら向精神作用の投薬治療で効果が出るのかもしれませんし。
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