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Scale Illusionにあらためて思うこと [サウンド解析]

 音響心理学方面では知られている言葉である「Scale Illusion」とは、「音階錯覚」を意味する物であるのですが、単に複数の旋律を錯覚として捉えるだけではなく、右利き・左利き夫々各人の優位性が左右の急峻な音像変化が伴うと音高判別が左・右の優位性に同調する様に「錯覚」を生じたりするというのも実に興味深い物でもあるのです。


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メロディック・マイナー・モードのⅣ度上の和音活用 [楽理]

 2015年のゴールデンウィーク明け辺りから北米市場に於て絶好調のSUBARU(スバル:富士重工:古河グループ)「CROSSOVER 7」のTVCM曲に、カーディガンズの「Carnival」のカヴァー曲が用いられているのを能く耳にします。カヴァー作品については検索すれば当該サイトなど詳らかにされているので私の方では敢えてカヴァー作については語りませんが、数ヵ月前にもトーレ・ヨハンソン絡みで語っていた事もあり、実に良いタイミングである事を踏まえて、私の当該記事などを今一度ご確認いただければ幸いです。


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付加6度 制限と自由 いま昔 [楽理]

 6thコードについては以前にも取り上げた事のあるテーマですが、今回はその「制限」と「自由」という様な側面について語る事にします。とりあえず6thコードの6度音というのは、上向限定進行音という取扱いであるという所は最も重視しなくてはなりません。つまり、6度音は後続和音の構成音に「順次」進行する必要がある訳です。順次進行という事は跳躍進行ではないので、次の音度という事になります。


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スティーリー・ダン『緑のイヤリング』にバップ・フレーズを適用 [AOR]

 今回は、バップ・フレーズ構築の為の続きとなるので、前回申していた様に今回は「Ⅱ ─ Ⅰ」進行に於てそのプロセスをどのように「解体」するか!? という所に主眼を置いて語って行く事になりますが、その「解体」が意味するものは、今回の記事タイトルからも読み取れる様にバップ・アプローチで静的な和音進行に対して和音進行の動的転がりを強めた物にするためのアプローチという事を語る事になるのです。


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バップ・フレーズとモード体系和音の混淆とした世界 [楽理]

Circuit_of_Rainbow_ANRI.jpg 扨て今回は、記事タイトルこそ物々しい印象を受けかねませんが、尻込みしてしまうかのような物ではありません。とはいえ肩すかしを喰らう様な物でもありませんが、今回題材にするのは杏里のアルバム『サーキット・オブ・レインボウ』収録の同名曲であります。


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ミクソリディアン♭5thスケール [楽理]

 前回の記事で取り扱った今井美樹の「ポールポジション」にてバップ・フレーズに解体するというアプローチの件で補足をしておく事があるので、続きを語る事になります。今回は、普段使い慣れないモードや硬減三和音も視野に入って来る重要な話題となるのでご容赦を。


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今井美樹「ポールポジション」にバップ・フレーズ解体の試み [楽理]

Ivory_MikiIMAI.jpg 扨て今回は、嘗てJ-POPと謂われる前の時代に松任谷由実をもアルバム売上げを凌駕する勢いで売れた程であった今井美樹のアルバム『Ivory』に収録されている「ポールポジション」を題材に取り上げる事にします。


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D→S進行(偽終止)など [楽理]

 扨て、D→S進行つまりドミナントからサブドミナントへ進行するという事は、通常の和音進行としては相当に自然な進行から背いているものでありますが、2015年に入ってから私も何度か君が代とか、旋法性のある曲に於てそれほど不自然な物だろうか!? と例を挙げたりしてきた物ですが、ドミナント和音からの進行が五度下方進行をしない事の事実を受け止め乍ら、ドミナント7thの多義性を色々語って来ている訳なので、そうした私の意図する所は感じ取れるだろうと思います。


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『新しい和声』〜藝大和声から芸大和声へ!?〜 [書評]

 林達也著『新しい和声』アルテスパブリッシング刊が上梓され、どういう側面での新しさに踏み込んでいるのか!? という視点で比較考察してみました。体系を重んじ乍ら現今社会(音楽界)で蔓延る現実とどのように対照あるいは同居させているのか興味深い所です。では早速書評から。


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