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Disposable Love(使いすてハート) / 高橋幸宏 楽曲解説 [楽理]

 本記事は、1982年6月にリリースされた高橋幸宏の3枚目のソロ・アルバム『What, Me Worry?(邦題:ボク、大丈夫)』に収録の「Disposable Love(邦題:使いすてハート)」の楽曲解説とする物であり、併せて私のYouTubeチャンネルにて本曲の譜例動画をアップした事による物です。



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何某かの歴時に当て嵌まる装飾音の一例 [ドラム]

 扨て今回は、1994年発売のスウィング・アウト・シスター(以下SOS)のアルバム『The Living Return』に収録される「Low Down Dirty Business」という楽曲を例に、表題に見られる《装飾音》やそれに付随する話題を語って行く事に。

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ローファイ・サウンドへの回帰が見られる昨今(2024) [サウンド解析]

 今回は、90年代に流行ったローファイ・サウンドが再び脚光を浴びて来ている様なので、特にドラムなどの音は非常に能く使用されていた事を振り返り乍らあらためてローファイ・サウンドの音作りのアプローチについて語って行こうと思います。

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YMOの「Epilogue」に用いられる微分音について [楽理]

 Yellow Magic Orchestra(以下YMO)のアルバム『Technodelic』収録の「Epilogue」に用いられる微分音について語ろうかと思うのですが、本曲は坂本龍一作曲によるもので、恐らく「Prologue」や「Epilogue」は坂本本人以外の関与はほぼ無いのではなかろうかと思われる様な、アルバム収録の中でも一際孤立感を漂わせている楽曲でもあります。


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突発性難聴になって判った事 [たわごと♪]

 扨て、2024年も立春に差し掛かる時に、私の耳は突如「突発性難聴」となってしまいました。これにより音楽制作が思う様に捗らない状況に陥っている訳ですが、多くの場合ストレスや疲労が原因となっているケースが多いとの事です。

《そういや睡眠が浅かった事が続いたな》

と想起し乍らも、ニュースでは能くミュージシャンが突発性難聴になって予定コンサートをキャンセルだとかの報道はあっても、症状がどういう物なのか!? という事はなった人にしか判りませんし、著名な公人であったりすると、突発性難聴という病気こそが音楽家のスティグマであるかの様に思われているフシがある為か、なかなかその症状や実例が公になる事は少ないかと思います。

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短増三和音(マイナー・オーギュメンテッド・コード)の存在を確認する [楽理]

 扨て、今回の記事タイトルにある短増三和音というトライアド(諸井三郎著『機能和声法』より)は「マイナー・オーギュメンテッド・コード=minor augmented chord」という物である訳ですが、一般的にそうそう目にする事は無いかと思います。

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ドミナント・シャープナインス(♯9th)とポリコードの関係 [楽理]

 ドミナント7thコードに増九度(=♯9th)が付与されたコードを「ドミナント・シャープナインス」コードと呼びますが、通俗的に知られているのはジミ・ヘンドリックスの「Purple Haze(紫の煙)」での物です。

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Finaleで微分音を取扱うという事 [DAW]

 1991年からFinaleを使い続ける私ですが、そんな私でもいまだにFinaleの独特なコマンド群に苦悩する事は少なくありません。

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ドミナント・コード上で見えて来る微分音の脈絡 ─四分音(24EDO)編─ [楽理]

 今回は、微分音の使用をドミナント・コード上で用いるという状況を想定した上で「四分音」=24EDOを前提に語って行こうかと思います。


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『全国こども電話相談室』のオープニング曲の調を探る [サウンド解析]

 TBSラジオの嘗ての長寿番組だった『全国こども電話相談室』のオープニング曲と言えば、天地聡子の歌声が実に印象的だった物でありました。

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調とは何か、複調とは何か [楽理]

 扨て今回は、当ブログに於ける過去の記事で例示した私のオリジナルのフレーズをリメイクしてYouTubeにアップしたデモの説明の為に用意する記事となります。何しろ、

《ジプシー音階を謳っているにも拘らず当のジプシー音階が使用されている様に感じられない》

と当惑されている方は少なくない事でしょう。

 私の言外にある示唆という物を感じ取っていただくという事はかなり難しいのかもしれないので、その辺りを説明する為に今回は「調」という物をあらためて知っていただく必要があるので、斯様な表題となっているのです。



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YMO「タイトゥン・アップ」の好演にあらためて舌を巻く [楽理]

 扨て今回は、YMOのアルバム『X∞増殖 Multiplies』収録の「Tighten Up(以下タイトゥン・アップ)」について語って行く訳ですが、本曲はアーチー・ベル&ザ・ドレルズ」のカヴァーであるものの、細野御大のベースはオリジナルのグルーヴをも凌駕(←完全に食ってます)する程のグルーヴを聴かせ、それを後押しするかの様に高橋幸宏のドラミングも冴え渡っており、テクノの方法論の中に落とし込んだ稀代のリズム隊の好演をあらためて縷述すべきであろうと思い本記事をアップする事に。



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大村憲司による微分音を活用したギター・ソロ「Glass(ガラス)/ 高橋幸宏」 [楽理]

 1981年に発売された高橋幸宏の3枚目のソロ・アルバム『ニウロマンティック -ロマン神経症-』には、大村憲司、フィル・マンザネラというギタリストを起用していた訳ですが、マンザネラの名があるのも驚いた物でしたが、大村憲司というギタリストの凄さをアルバムA面1曲目からあらためて思い知らされた凄いギター・ソロ。

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タッピング奏法が齎すもの [楽理]

 扨て今回は、ジョー・サトリアーニによる両手タッピングの名演のひとつとして知られる「Midnight」の譜例動画をYouTubeにてアップロードをしたので、本曲解説と併せて80年代に於けるタッピングに関する社会的な状況を縷述する事に。

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YMO作品「Camouflage」に見られる31等分平均律および楽曲解説 [楽理]

 今回はYellow Magic Orchestra(以下YMO)のアルバム『BGM』に収録の、高橋幸宏作品となる「Camouflage(邦題:カムフラージュ)」について詳述していこうと思うのですが、本記事タイトルにもあるように、本曲では31等分平均律(以下31EDO)に基づいた微分音使用が顕著であるので、その辺りも詳しく語って行こうかと思います。

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チョロQ3「夏は夜 7/8」楽曲分析 [楽理]

 今回は、プレステ(PlayStation)用ソフト『チョロQ3』のゲーム・サントラ曲となる収録曲の1曲である「夏は夜 7/8」という楽曲の譜例動画をYouTubeにアップした事に伴い、全159小節に亙って楽曲解説をして行く事に。

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音楽用語のカタカナ表記 ─ドミナント・モーションは和製英語ではない事など─ [楽理]

 今回は「音楽用語」について色々と語って行こうと思うのですが、本記事では音楽用語を羅列するのではなく、音楽用語を《正しく》使う事の重要性と、その正しさを覚えなくてはならない後人が陥りやすい陥穽に注目していき乍ら、日頃漠然と呼んでしまいそうな誤った音楽用語や《顰に倣う》事の重要性を語って行こうかと思います。

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IVEの「KITSCH」に見られる微分音および中全音律 [楽理]

 IVEが暫くの沈黙を破り、2023年4月10日のフル・アルバム発売を前にカムバック曲としてアップされた「KITSCH」という曲は、静謐で春の温もりを感じるゆったりとした曲調に、ディスコ・ビートを予想していた所に突如チル・アウト系で作られている楽曲であります。

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シンセ・ベースとベース・シンセの代表曲 [ベース]

 今回は、シンセ・ベースが楽曲を彩っているタイプの好例となる代表曲をいくつか取り上げようという試みであるのですが、表題の「シンセ・ベース」と「ベース・シンセ」とはどう違う物なのか!? という所も多いに疑問を抱かれるかと思いますので、先ずはそちらから説明して行く事にします。


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ガムラン音楽に於ける2つの誤謬 [楽理]

 パリ万国博覧会でドビュッシーが遭遇するガムラン音楽を聴いてインスパイアされ、後にドビュッシーは全音音階(=ホールトーン・スケール)を用いる様になったという逸話は夙に有名。今でこそジャズ/ポピュラー音楽での全音音階の殆どはドミナント7thコードに随伴させて使用されてしまいますが、ドビュッシーの意図としてはそうではなくオクターヴから分割される音程の均齊化でありました。

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メトリック構造と微分音考察 Venom / Stray Kids [楽理]

 K-POPの制作土壌は自由と多様性に富んでいる。先般音楽番組『関ジャム』出演の蔦谷好位置氏が述べておりましたが、これには私も深く首肯したものでした。私は以前にもブログでK-POP関連について何度か触れた事がありましたが、Stray Kids(以下SKD)の「Venom」を聴いた時には《ケーポ馴れ》している私でも度肝を抜かれたモノでした。

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♭13th音と♯5th音(aug)の違いをIVEの「Eleven」に学ぶ [楽理]

 2022年の暮れの紅白歌合戦に出場したIVEはデビューから1年強が経過し、話題性も相俟ってだいぶ広く知られる様になって来たとは思いますが、メンバーの誰かの名前を誰もがサッと覚えられる位にまで周知される様になるのが望ましい姿でありましょう。

 IVEにとって幸運なのは、デビュー曲である「Eleven」が非常に息の長い人気を保っている所にあろうかと思いますが、日本国内でも2022年秋には「Eleven」の日本語版がリリースされる様になり、いずれはCMなどで活躍を見る様になるのかもしれません。







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YT IS GONE [YMO関連]

 高橋幸宏逝く。70歳。2023年1月11日午前5時59分脳腫瘍による誤嚥性肺炎で死去。あらためて心よりご冥福をお祈りします。今を思えば、暮れに「Drip Dry Eyes」を題材に拙筆ブログおよび譜例動画を投稿しておいて良かったと思っています。ユキヒロよ、さらば。

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高橋幸宏「Drip Dry Eyes」楽曲解説 [YMO関連]

 1981年6月に発売された高橋幸宏の3rdソロ・アルバム『ニウロマンティック -ロマン神経症-』に収録となる「Drip Dry Eyes」(以下ドリップ・ドライ・アイズ)というのは、YMOファンの間でも名曲のひとつとして知られているもので、メジャー7thの響きが際立った佳曲であろうかと思います。今回は、YouTubeの方で短尺乍ら譜例動画を制作したので、併せて楽曲解説を縷述して行こうと思います。



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半音下行クリシェを三全音に「置換」する [楽理]

 半音下行クリシェ進行はなぜ現れるのか!? 本来「クリシェ」とは装飾の為の動機のひとつに過ぎないのでありますが、静的な状況に対して線的に揺さぶりをかけようとする装飾として、それが半音階的な動機として遭遇する事が多くなり、そうした例として半音下行として頻出する様になったのが「半音下行クリシェ」なのであり、クリシェは総じて半音階でもありませんし下行形のみなのではありません。そればかりは誤解なきよう念頭に置いて欲しいと思います。

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懐かしのアーケード・ゲーム『パックマン』BGMに見られる5連符と微分音 [楽理]

 扨て今回は、有名なゲーム音楽に使用されている5連符と微分音について語る事にしますが、そのゲーム音楽というのは今から40年以上前にデビューした『パックマン』に用いられているゲーム音楽となるので、多くの人々に知られているであろうゲーム音楽に「5連符」やら果ては「微分音」などが用いられていたのか!? と俄かに驚かれる方も居られるとは思います。小難しい音楽の要素も、実は親しみのある音楽に潜んでいたりする物です。

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分数コードを堪能する為のオススメ曲 [楽理]

 今回取り上げる分数コードでありますが、分数コードにそれほど慣れ親しんでいない方が手っ取り早く分数コードという状況を会得できるタイプの楽曲を紹介する為の記事です。つまり、楽曲のタイプとしては調判定すら難しくしてしまう様な耳に小難しく厳しい物ではなく、耳に優しい楽曲に分数コードの彩りが絶妙なバランスで配合されているタイプの物を選んでいるのです。

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『シン・YMO』を読んで [YMO関連]

 2022年8月19日に発売となった田中雄二著『シン・YMO』(DU BOOKS)を読み終え、ノンブルは693ページまで振られ、20字・28行・3段(=1680字/頁)という事になり、序文・跋文・ディスコグラフィ・出典を除けば単純計算でも108万6960字となる大著であり、相当な労作である事が伝わって来る物です。

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Underdub / Hatfield and The North 楽曲解説 [楽理]

 数多あるプログレ楽曲の中でも難曲のひとつに数えられるであろう名曲のひとつ「Underdub」は、ご存知ハットフィールド&ザ・ノース(以下HF&N)の2ndアルバム『The Rotter’s Club』収録となるフィル・ミラーの手に依る作品です。

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*写真はジョーン・クロフォード


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A Tribute To N.J.P(坂本龍一)について [楽理]

 記事タイトルは坂本龍一のアルバム『音楽図鑑』収録の「A Tribute To N.J.P」(以下「NJP」)の事でありますが、ビデオ・アートの第一人者ナム・ジュン・パイク(白南準、Nam June Pike, 백남준)に捧げられた曲であるのは知られた所であります。

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