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六度進行をジョージ・ベンソンに学ぶ [楽理]

 今回はジョージ・ベンソンの或る1曲を例示し乍ら曲中の特徴的な和音進行から楽理的に考察する内容となります。Twitterの方でも次のブログの話題はジョージ・ベンソンと呟いておりましたけれども、私が分析するとなると兎角冗長と成すのは読み手の方も推測に容易いとは思うのですが、単に長ったらしいだけではなく楽理的に目を瞠る物を見出せる様な、そうした高潮点を用いて論じていこうかなと思います。


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テクノポリスのヴォコーダー吟詠 [YMO関連]

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 先日はYMOのアルバム『Solid State Survivor』収録の「Castalia」にまで言及してみたりしていた物で、あらためて当時のYMOブームを追懐するのでありますが、YMOのブームというのは79年秋頃に始まってアルバム『×∞増殖』の発売辺りが最も巷間を賑わせていた頃だったと記憶している物です。


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坂本龍一に見る基底部を背かぬ属十三の形体 [YMO関連]

 今回は先頃話題にしたKYLYNの「I'll Be There」の補足ともなるのですが、本記事タイトルにしている事からもお判りになる様に、坂本龍一の自筆譜から読み取る事と、私が以前載せていたコード譜のそれと整合性が取れないのではないか!? と疑問を抱く方が居られたのでその辺りを払拭してもらう為にもあらためて「コード表記」という物をきちんと説明しておいた方が良いだろうと思って述べる事にした訳です。
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副次和音で逸脱すると……!? [楽理]

 前回はノン・ダイアトニックのコード進行過程に於ける三全音の分布を俯瞰するという手法を取り上げた訳ですが、前回の例はあくまでも非機能和声であり旋法和声のノン・ダイアトニックでの取扱としての見立てであり、よもや三全音の体系を「全音階」即ちダイアトニック且つ単一の調性を固守する状況下にて先の様な穿鑿して見るのは馬鹿げた事であります。


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楽曲内に於ける三全音の分布 [楽理]

 今回は三全音(=トリトヌスおよびトライトーン)が楽曲内にどういう風に分布しているのか!? という事をあらためて語るのでありますが、所謂全音階的作法(機能和声的な手法)における三全音の分布というのはそれはハ長調を基にすると和声的には「シとファ」および「ファとシ」が併存している状況であるのは周知の通りです。そのうえで横の線としての──つまり機能和声での《旋律》という姿──ファとシの間を仰々しく彷徨って上下に進行するのは避けられます。何故ならば、ファはミに行こうとする動きを妨げない様に振舞う事を是とされると共に、シはドに行こうとする動きを妨げない様にして「自然な」動きを要求されるからです。その進行のプロセス中にファとシの間を旋律が動く様な事は避けられるのであります。例えば次の様に

『音階の第4音と第7音、または第7音と第4音の間に、1つ以上の音を挿入するような進行を使ってはいけない。これは複合トリトヌスと言う』(『対位法入門』アルノルト・シェーンベルク著 レナード・スタイン編 音楽之友社刊)



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