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楽曲内に於ける三全音の分布 [楽理]

 今回は三全音(=トリトヌスおよびトライトーン)が楽曲内にどういう風に分布しているのか!? という事をあらためて語るのでありますが、所謂全音階的作法(機能和声的な手法)における三全音の分布というのはそれはハ長調を基にすると和声的には「シとファ」および「ファとシ」が併存している状況であるのは周知の通りです。そのうえで横の線としての──つまり機能和声での《旋律》という姿──ファとシの間を仰々しく彷徨って上下に進行するのは避けられます。何故ならば、ファはミに行こうとする動きを妨げない様に振舞う事を是とされると共に、シはドに行こうとする動きを妨げない様にして「自然な」動きを要求されるからです。その進行のプロセス中にファとシの間を旋律が動く様な事は避けられるのであります。例えば次の様に

『音階の第4音と第7音、または第7音と第4音の間に、1つ以上の音を挿入するような進行を使ってはいけない。これは複合トリトヌスと言う』(『対位法入門』アルノルト・シェーンベルク著 レナード・スタイン編 音楽之友社刊)



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