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Groovin’ Song / Fuse One (David Matthews) [クロスオーバー]

 制作も終わり、近々リリースされるであろうこの曲。Dave Matthews Bandのデイヴ・マシューズじゃないですよ。デヴィッド・マシューズはフュージョン系のプロデュースでも有名なそっち界隈の御大です(笑)。

 さしずめDave Matthewsの方は日本での知名度は、米国のそれとは雲泥の差なので、間違ってダウンロードされてしまう方は恐らく少ないとは思うんですが、米国での人気(特に女性から)では日本で言うと福山雅治に群がる女性のような様相に近いものがあると言えばいいでしょうか(笑)。

 まあ、私の方で作っているのはフュージョンのDavid Matthewsの方なのでお間違えのないようにお願いします(笑)。

 さてさて、このFuse One最終アルバムとなってしまう「Ice」ですが、3枚続いたFuse Oneの中でも駄作と言われている節がありますが(1枚目以外は駄作という声も)、いやいやどうして、リフや構成は2枚目の「Silk」と3枚目のこちらも練られていない印象はあるものの、ハード路線のイナタいクロスオーバー・サウンドは保っています。その辺がCTIレーベルの所以か。

 本アルバムでオススメできる曲は「Groovin’ Song」と「Requiem For Marvin」くらいなものですか。特に3枚目は惰性感が強くて2枚目よりもダラーッとした感じは確かに否めないんですが、この曲においては古き良きクロスオーバーの雰囲気があるんですね。ラリー・コリエルのステレオ・ギター(各弦独立ピックアップでパンニング調整のできるやつ)のソロは聴けるし、なかなかイイ曲です。

 3枚目のこのアルバムがリリースされた当時は、世間ではもうDXサウンドが溢れ返っていて、DXサウンドだけでは飽き足らず、サンプリング・サウンドやデジタル・シンセ・サウンドは当たり前のようになっていた時代のリリースというのはまさに奇跡とも呼べるものでした。

 スラップ・ベース・サウンドが消え初めてきたのもこの辺りですかねえ。いわゆる、ひとつの時代の終わりを象徴するような86年頃。ファッション界ではネオ・クラシックとかBCBG(ベー・セー・ベー・ジェー)などが持てはやされて、3つボタンなどのトラッドなフォルムのジャケットやスーツが出てくる頃でしたね。

 私自身はトキオクマガイやゴルティエのいわゆるQueer系なセンスが妙にドキドキしいていた時代でもありますね。現ドン小西のKONISHI YOSHIYUKIのブランドとか(あの人はそっち系ではないと思うけど)も結構好きでしたねえ。

 音楽だとヒューマン・リーグとかジョルジオ・モロダーにハマり、別路線のハウスやテクノを聴きつつも、私自身が世間の荒波に流されアナクロに回帰していた時代の訪れの時代でもありましたか。今ではすっかりドルガバやヘルムート・ラングが好きな不良中年生活を堪能しているわけでありますが(笑)。

 で、肝心のリリース予定の「Groovin’ Song」の方は、ほとんどオリジナル・アレンジです。1拍半の弱起(シンコペ)のリフがあるので、2拍半は軽いドラムオンリーのリフからスタートさせてみました。

 各拍のリム・ショットがキモとなる感じなのですが、最も力を注いだのはスティーヴ・ガッドのバスドラのノリや音。バスドラは80種類以上の微妙に違う音を使ってシーケンスを組みました。もうちょっと裏拍のバスドラをモタらせても大丈夫だったかなと思いつつ、音でカバー。最初の色気あるバスドラはガッドというよりもデイヴ・ウェックル風になってしまったような・・・(苦笑)。Busトラックを多様して位相もかなりいじってアンビエントな感じを軽く混ぜているので、リム・ショットが響き渡るこのドラム・リフは全体としてはチャド・ワッカーマン風にも聴こえるかもしれません(笑)

John McKee / Jack De Johnette [クロスオーバー]

 次のあなくろ本舗でのリリース予定曲です。スローでメロディアスなズージャ。カクテル・ラウンジ系の心地良い曲なのです。

 私はこの曲を聴く度、クインシー・ジョーンズの「Little Karen」を思い出してしまいます。

 Little Karenのミックスは、というかクインシー・ジョーンズの曲の多くは楽器を思い切りパンを振ったミックスが多く、しかも左右の音量バランスは定位の配置が極めて素晴らしいと思ってます。

 ベースが左右どちらかに振ってあったり、その配置が絶妙。よくよく考えてみればオーケストラだって各楽器はまとまったグループに配置されていて、コントラバスが中央にあるわけではないし、打楽器も中央にあるわけではないんだっけ。

 そう考えると、ハーモニーのバランスによる音量バランスを保ちながらアンサンブル全体を統率するというのは実に難しいもので、指揮者というのは数十人ひとりひとりの音を知覚しているのだから、そういうゴッド・イヤーを持つような人が関わると優れたミックスになるのだろうかと勝手に思ってしまいました。

 低音は周波数の1サイクルの波長が長く、距離にすると数メートル級になります。左右の耳でどちらか1サイクル遅れて聴こえようとも、倍音成分が少なければ両耳の距離よりも圧倒的に1サイクルの波長の方が長いんで定位感を判別するのに曖昧になってしまうというわけです(というか方向や距離感をつかみづらい)。

 サラウンドのLFEチャンネル用のスピーカーが中央に配置されていなくとも機能してしまうのはこういう特性があってのことなのは言わずと知れたことですが、倍音構成は曖昧にしちゃあいけません(笑)。

 ちなみに私が好きなエンジニアは

ダグ・エプスタイン
レイ・バーダニ
ロジャー・ニコルス
エリオット・シャイナーなど、多数。

 何が言いたいのかは、また後日

シティ・コネクション/エマニエル坊や [クロスオーバー]

 これ、現在制作中の曲です(笑)。とりあえずはエレクトロニカ風な、どっかで聴いたようなアレンジで近々お目にかかれることでしょう。

 私の記憶が正しければ、エマニエル坊やのこの作品(クラリオンのCMだったかな)、1981年だったと思います。私は中学1年生。この年の夏、タモリ倶楽部(テレビ朝日系列)が始まりました。

 いまやすっかり長寿番組になったタモリ倶楽部ですが、今年の5月頃だったかな!?番組放送中に「シティ・コネクション」がBGMとしてかかっていたことにインスパイアされまして、当時のシングル・レコード引っ張り出して(よくもまあ持っていたものだと自画自賛)、早速Macに取り込んでモニタリングしながら耳コピに勤しんだワケであります、ハイ。

EmanuelBohya-7d2e1.jpg


 私の所有するアナログ・プレーヤーはいまだ現役で、MCカートリッジのリード線には銀線を使うという念の入れよう(笑)。

20年以上も聴いていないレコードに針を落として、曲のアタマからケツまで再生&録音。カビが発生していないのでプチノイズも無く録音できちゃいました!

 そのついでに16bit/44.1kHzに落としてオーディオ・ファイル作成&CD-Rに焼いて、さらについでにiTMS用にAAC変換(iPodに入れてないけど)。

 さあ、耳コピするぞ~! と、作業開始。

 「ん? なんかピッチ高い」

 アナログ・プレーヤーは異常無し。サンプルレート44.1kHzを48kHzで聴いているわけでもなし・・・(※こういう場合、ほぼ半音上がります)。

半音ほどじゃないけど高すぎるぞ。


 よくよく探ってみると、エマニエル君のこのレコード、なんと!
 コンサート・ピッチ446Hzでカッティングされている!

 たぶん普通のピッチで録音後、マルチトラックのバリコンを高くして再生しているんだと思うんですけどね。

 なるほど、道理で全体がハイ・ピッチな感じがするのかとあらためて感心するとともに、商業音楽としてのコダワリを感じたのであります。

 ほぼクォーター・トーン(1/4半音)に等しいので、それくらい上げればエマニエル君の声もさらにフォルマントも一緒に上がるので可愛さも引き立つというワケですね。

ギター(ストラトのハーフ・トーン)が妙にハイ・ピッチなので、耳コピする時に妙だなーとは思ったんですが。納得です。
 (※クォーター・トーンは半音の半分、すなわち50セントのことです。文中に誤りがありました。エマニエル君はそのまた半分ということを意味していますので誤解なきよう)

 3~4年ほど前に、ツーカーのCMで藤原紀香が出ていた時のBGMで「幻想即興曲」がかかっていたことがあって、この時代は32&40和音立ち上げくらいの時期だったと思うんですね、確か。

 で、何が言いたいのかというと

 「こんなリアルにピアノの音は携帯じゃ出ないだろー!」と思いながら当時CMを見ていたワケなんです。

 で、着うた開始の時に、幻想即興曲の時代のピッチ(432.5Hz)で、ベタだけど幻想即興曲リリースしてみよーかなーと思ったことがあって、とりあえず作ってみたんですが、悲哀な感じが増したのと同時に、ウチのショップのキャラじゃないしなーと思ってお蔵入りにしたことがあったのです。

 私が試してみたかったのは440Hz以外の低いピッチでのピアノの音という側面に加え、

左手8分3連

右手16分音符


 という極めて難易度の高い演奏を再現したかっただけなんです。


 まあ、幻想即興曲はうまくやれば4和音時代でも再現できたので、当時から4和音用に制作したMIDIファイルは持っていたんですが、実は3連と16分という、奇数と偶数を同時に鳴らすデータはJ-PHONEでは急所で、うまく再生されないということがあったのです。場合によっては鳴る場合もあるんですが。

 幻想即興曲系の符割りを演奏しやすいものは手っ取り早いのは、いわゆるハモンドB-3系でブルージーな演奏なんですが、私はどうも左手16分&右手6連でしかこういうのは自分のリズムで
演奏できないという事情がありまして(私はエレキ・ベース弾きなのです)、着うたじゃ何でもござれだから当時出来なかったことをトライしようと思うことがあっても、制作中に意気消沈することは何度もあるんですね。


 一発屋として名高い「シティ・コネクション」ですが、そういうコダワリを再現しつつ、制作意欲も維持したまま着うたでリリースにこぎつける素材の良さ(笑)にあらためて感動です。




 あ、もちろん着うたの方のピッチもきちんとオリジナルを踏襲しています!

EmanuelCityConnectionBack-86cd9.jpg

6月14日リリース曲 Incognito(遥かなるサンファン)/Spyro Gyra イントロより [クロスオーバー]

 さて、いきなり始まった左近治のブログ。Kクリを始めて早6年目に突入。着メロ業界の紆余曲折を目一杯体感してきた左近治(笑)、いまや着うたしか作っていません!

 ただひとつ言えることは、着メロ時代は常にWindowsプラットフォームが必要だったこの世界において、根幹たる制作環境は一環してMacという所に自画自賛。

 とはいえ、以前YAMAHAのセミナーにて松武秀樹氏がホストで話をされていた当時、やはり氏の会社でも着メロのMIDI編集はDigital Performerを使っているとのこと。

 YAMAHAのメロっちゃスタッフの方々もDigital Performerとのこと。肩身の狭い思いをしながら(笑)Macでシコシコ制作に勤しむ私には励みになったものです(笑)。
まあ、励みと言っても自分の気に入った曲しか作らないので軽~い気持ちも終始一貫している部分かも。

 さて、最新リリース曲はSpyro Gyraの「Incognito」。バンドのインコグニートじゃありません。この曲はリズム隊にスティーヴ・ガッド御大とマーカス・ミラー、作曲はトム・シューマンというラインナップ。

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 キーはB♭マイナーという、弦楽器泣かせの調号(笑)。案の定、マーカスのフレーズもイッパイイッパイのようです。ベースの音は当時のマーカスの中でもバランスの取れたスラップの音ですが、フレージングは×。そこまでスラップ(当時は「チョッパー」)にこだわるなよ!と言いたくなりますが、DXサウンドが席巻する直前のフュージョン・サウンドという意味でも貴重な曲。

 ほぼ1拍半でコード・チェンジがあるものの、B♭マイナーを軸にB♭mM9→B♭m7(13)という感じで、キモとなるのは7th音や13th音のクリシェを楽しんでいるというワケです。

 ベースはペダルでイイので、蚊とんぼマーカス君もマイナー・メジャー7thの時ばかりは、スラップのお決まりプルの「パウ!」はやらずに逃げているんですね(笑)。リズムの鋭さは相変わらずですが。

 トム・シューマンのコードワークがあまりにも素晴らしいので安直なスラップにはダメ出しをしたいのであります、ハイ。キーはB♭マイナーでbpmも140前後。スラップ御用達ベーシストには本当に苦痛でしょう。

 レギュラー・チューニングであれば。マーカス君の場合、4弦だけはよくDにドロップしたり、Aに落としたりとよくやっていたようですが、今回はスラップの音にはしないでモノ・トリガーのシンベにリプレイス。

 あとは909系のキックの4つ打ちにロー・ファイなゴースト・ビートで味付け、ギターのカッティングは少々シャリシャリにし過ぎた感じではあるものの、イメージ的にはアイラ・シーゲルやポール・ジャクソンJrだったのでこんな感じでいいかな、と。
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