SSブログ

短調が齎した多義的な音楽観に伴うドミナント機能の暈滃 [楽理]

 前回は上屬音と下属音という事も語った事もあり、この機会に「ドミナント」とやらを今一度詳らかに語る事にします。私のブログをお読みいただければ既にお判りいただいているかと思いますが、「ドミナント(D)→トニック(T)」という所謂ドミナント・モーションに於ける不協和音→協和音への「解決」という進行感というそれを、私は能く「卑近」と表現しております。この表現には別段悪意はありません。調性感としての予見が甚だ楽な見通しとなる音楽的状況が、それこそ映画のラストシーンを冒頭から予見可能である様な物が音楽で表現されるとしたら、私にとってそれは苦痛でしかありません。


続きを読む