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その和音、ホントに実像ですか!? [楽理]

扨て、エドモン・コステールの「属二十三の和音」をようやく例に出すことができて私としては楽理的な側面を語る上で、ようやくコアな話題を語るコトができるかな、と安堵している所があります(笑)。


まあ、ここ数年少々異端な方面での楽理ネタ、継続して読まれている方なら大体どれくらいの日数擁して来たかはお判りになるのではないかと思うんですが、ブログという文章で語ってると、もう既に数年ほど経過しているワケでございますよ!

左近治と面と向かってハナシをしていれば、モノの1時間もあればこの手の話題に辿り着いている筈なんですが、まあ、文章というのは本当に忸怩たる思いをさせてくれるコトがあるってぇモンです(笑)。


まあ、なんやかんやで「属二十三の和音」の話題を扱うようになったワケですから、あらためて「属和音」というモノを今一度おさらいするとですね、第7次倍音という「低次な」倍音を扱っているのが従来のドミナント7thというコードのしきたりで、第15次倍音を視野に入れた「高次な」世界がそれまでのドミナント・モーションというのを回避して独立体系としての名前だけドミナントなコードが属二十三の和音にカテゴライズされる方の世界だと理解してください。こちらの高次な世界のドミナント・コードを便宜的にドミナント15thと呼ぶコトにします。ドミナント15thコードは最高で23度まで扱うコードで、「低次の」ドミナント7thは最高で13度まで扱う、と認識していただけると有難いワケです。


扨て、三度を積み上げるコードはコード表記の流儀を無視してもいずれは属和音を包含してしまう、というコトは既に語っているのでお判りだと思いますが、Dm7におけるナチュラル13thの件で扱ったトライトーンと、ハ長調で生じたトニック上のコード表記の流儀に則った時の11th音は自ずと#11th音となるので、ルートと増四度で生じるコレはなにゆえトライトーンを形成するのとは違うのか!?というコトが少々省かれてしまっていた文面だったので、今のタイミングで語って行くと絶好のタイミングですので今一度語るコトにします(笑)。


ハ長調で生じているG7というコードのトライトーンはファとシにあるワケですが、ファから数えるとシまでは階名は4つなのに、シからファまでを階名で数えると度数は5つになる。セント数で見ればいずれも等しい音程600セントなのに。コレについては既に何カ月か前に語ったコトですね。ハ長調という支配下においてDm7にナチュラル13thを生じさせたとすると(コード表記の流儀から外れて)、トライトーンを包含します。そのトライトーンはG7で生じている音と同一ですので、Dm7は結果的にナチュラル13thを生じるコトで「対」の関係でありまして、同じ方向を向いたコードであり、結果的にDm7上でナチュラル13thを生じた和声は属和音を包含してしまっている、と考えてほしいワケですな。

CM7(+11)というコードがあった場合、CとFisで生じている増四度は、この場合最低音がCと「明確」なため、先のようにファとシが上下入れ替わる必要なく階名を数えるコトができます。ドから増四度を追えば自ずと階名は4つ目ですので、5つ目の階名として転回することは無理な世界として「確定」しているのです。つまり、CとFisが4度の度数で区切られたトライトーンを形成する調は、この場合「ト長調」を示唆するモノとなるため、コード表記のルールに則った方を優先してハ長調のトニックをコード表記の流儀に沿って「CM7 (+11)」に変質させてたとしてもソコで生じる増四度の音程はFとB(H音)とは違うのはお判りですね!?向いている角度も違うため、同類としては扱わない理由がココにもあらためて明確になるワケです。

つまり、CM7(+11)で生じている増四度を、いずれかの属和音で包含されているはずの別の音という風には耳が傾くコトなく別の角度をきちんと向いた上で和音が成立している、と思っていただければより判りやすいかもしれません。


コード表記のルールに則った積み上げを踏襲していれば、調性がハチャメチャな解釈になることはなく、ごく自然に「その範疇」に収まってくれるワケです。これが「低次な」世界の扱いなんです。


高次な方の扱いというのは、三度の重畳はいずれ属和音を包含してしまうものの、ドミナント・モーションを行う為の機能は持ち合わせていない扱いをするという側面を最大限に活用して、ソコを徹底的に推進する世界だと思っていただければよろしいでしょう。

つまり、コード表記としては本当なら芳しくないであろう、ドミナント7th上のナチュラル11thという音を含んだコードは分数コードやらハイブリッド・コードとして表記するコトも可能ですが、仮に「C7 (9,11)」というコードがあったとしたら、それはドミナント15系のコードとして、つまりエドモン・コステールの属二十三の和音のオミット型だと思っていただいても構いませんし、ゆくゆくはどんなコードも属二十三の和音の省略形としての姿が何らかの和音である、という考え方も可能なワケです(笑)。


キツネにつままれたような感じを受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、ではドミナント15th系としてのハナシを推進するコトにしましょう。