SSブログ

自然の摂理をEQに応用 [制作裏舞台]

♪毛虫は~、損でやんす~♪

着メロ時代にリリースしたこともある左近治ですが、ご存知の通り「ケムンパスでやんす」という歌ですね。

いつしかこの名曲がiTunes Storeでリリースされる日が来るであろうと信じてやまない左近治でありますが、ご存知無い方は機会があれば是非一度は聴いてほしい、毛虫の人生に投影できる哀歌(おバカソング)であります(笑)。

毛虫やらミジンコはもとより、クラゲだって自然界の営みを一身で受け止めているからこそああいうスタイルでありまして(笑)、ああいう姿形というのは音響面でも結構応用できるモノなんです(マジで)。

楽曲のアンサンブルなんて、物理的にみればもはやそれは層流ではなく「乱流」なのかもしれない。熱力学、あるいは流体力学やら物理方面にお詳しい方ならもうお判りだと思うんですが、例えばイリヤ・プリコジンの散逸構造論に見られる化学反応系「ブリュッセル・モデル」で証明されるグラフとか、イコライジングに応用も可能であります。ただ単に左近治の場合は人様のご都合主義を真摯に受け止め、可聴帯域にそのまま二次元のグラフをロガリズミックorリニアに当てはめてしまっているような安直なものでありますが(笑)、アイデアとしてかなり実用的なので結構活かしたりすることがあります。

とりあえず最近のブログでイコライジング面で語った記事のひとつ、 Logic8でRhodesサウンドメイキングというのがありますが、その記事の中のバスドラのイコライジングの部分のアイデアというのは、この場合は自然倍音列を念頭に置いたイコライジングのアイデアなんですが、他にも「フィボナッチ数列」を当てはめてイコライジングに応用することなど多々あります。

倍音列やらフィボナッチ数列を当てはめる場合、それを周波数の上方向ばかりではなく、基準とする周波数からミラーリングさせてみたり(リフレクトさせたというかエリアシングの概念みたいなもの)、色々試行錯誤してみたりするんですな。但し、フィボナッチ数列の場合低次の範囲はモロに自然倍音列の低次倍音に当てはまるので、倍音列とは違う範囲を参考にしたりするワケであります。

それらのアイデアで得たイコライジングは何もスタティックに噛ませるだけではなく、LFOのパラメータを与えて動かしてみたり、と。そういうことでエフェクティヴな音色変化にも応用が利くというワケであります。

人間の耳など、本当は片耳どちらも同じ音量でとらえるワケではなく、レベルの補完は脳が処理してくれているのが実際。

両耳でモノラルソースを聴くのではなく、片耳で片チャンネルのスペクトラムを読む、ということがミックスには大いに役立つことも多々あり。ステレオイメージの補完とは結構意図しないことを脳がヤッちゃってくれていることに気付くワケですな。

しかし、それでも最終的にはステレオイメージを処理しなくてはならないため、あれこれ知恵使ってミックスを仕上げるワケですが、そういう時のアイデアとして倍音列やらフィボナッチ数列を応用することで役立ってくれるというワケであります。

そういったパラメータを自分なりに租借できたら、その後はReaktorでensファイル作ったり、と。決して難しいものを組み上げているのではなく、スタティックな処理で良ければ本当に単純なensファイルであります(笑)。そして他のensファイルを利用してゴチャ混ぜにしてみたりとかすると、変なエフェクトが出来ちゃったりと。左近治の制作裏舞台なわけでありますが、EQという部分は本当に多岐に渡る作業なんで興味が尽きることがないのでありまして、そういう深みのあるフェーズに異なるアイデアを用いるのは実に面白い発見があるものなんですな。

耳にしている現実は、脳でどれだけ補完されようが自然現象の結果として聴いているワケでして、目の前から空気が消えて真空になってしまえばデジタルだろうがアナログだろうが音すら聴こえません(笑)。

虫ケラだろうが微生物だろうが、その姿形があるのは自然の法則をふんだんに活かしたからこそであり、それこそが「調和」と「安定」のための形なんですな。

きったねぇミックスを少しでも「調和」させたいという思いがある故に、自然の摂理から学ぶイコライジングはあらためて必要だな、と実感するワケでありました。