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00年代回顧録 [回想日記]

新年あけましておめでとうございます。今年も左近治の冗長ブログにお付き合い願えれば幸いでございます(笑)。手のヒビ割れはなかなか完治しない左近治でありますが、2009年年の暮れにさしかかって飛んだ災難が私のブログの手を休ませてしまうことに(笑)。そんなワケで2010年もあらためてよろしくお願いします。日本人なら西暦よりも元号で平成22年もヨロシク!と言った方が風情が出るのでありましょうか(笑)。

そんなワケで、今回のタイトル通り「00年代」とやらを振り返ってみようかと思うワケでありますが、あらためてこの10年を振り返ると、このブログの本来の姿というものも見えてくるワケでありまして、それがKクリにおける着信音ライフ。これは避けては通れぬコトであります。そもそも私がブログを始めたキッカケは、Kクリの楽曲リリースにおけるショート・コメントでは到底語りきれない話題を「補足する」という位置付けで始めたワケでありまして(笑)、ついつい色んな音楽関連のネタ鏤めておりますが、基本的な姿勢というのはそういうコトだったんだ、とあらためてご理解いただけると幸いでございます(笑)。


まあ、着信音の世界とやらも10年前とはだいぶ様相が変化しているのでありますが、制作面におけるハードウェアにおいてもココ10年というのは相当様変わりしているワケであります。


基本的には制作はパソコン・ベースになるワケですから、パソコンの世界なんてぇのは3年もあればガラリと変わってしまう世界。そういう社会と密接な関わり合いのある世界に身を置けば、ハードおよびパソコン周辺のインフラがどれだけ激変したのかというコトをあらためて痛切に感じるワケであります。


Kクリを始めた時に必要だったPC環境は、私の場合はWindows98 SEでありました。無論、その前段階のMIDI制作はMacでDigital Performerで行い、それを変換していたワケですな。正直なところ、Kクリでの制作においてPC環境が必要でなければ、私がWindowsを手にするのは相当後になっていたのではないかと思います(笑)。Opteronが登場した時は相当心動かされたモンですわ(笑)。大体今から5~6年前ってこってすな。


制作面においてハードもソフトもかなり変わったこの10年。10年前だと外部MIDI機器の多くを連動させる環境が非常に多かったため、MIDI環境を管理して、あくまでもMIDIをベースとした制作に重点を置いて、少ないオーディオ・トラックをシンクロさせるというのがDAW環境の現実でした。それが今では殆どがソフトウェア・ベースの音源で完結させるようになっているワケであります。


着メロ制作の一番最初の頃は3&4和音の時代。今ではオーディオ・ベースの着うたフォーマットに変換という作業でありますが、MIDIを基にしているという点においては大きな変化がない10年でもありますが、労力部分に目を向けてみるとココ10年で労力が劇的に軽減されているのか!?というとそんなコトは決してありません(笑)。


着メロ時代ですとデータそのものをデフォルメする必要もあったため、返ってデフォルメする作業に手間暇かける必要が出てきたりしたモンですが、DPのSearch機能や多くのMIDI編集メニューとショートカットには相当助けられたモンでした(笑)。逆に言えばここまでMIDI編集にこだわらざるを得ない着メロの制限というのがある意味面白く、同時に作業に慣れや定型的にマクロ化することでラクになることで、制作作業そのものに多くの時間を割くことができて曲も多数リリースすることができたモンでした。


着うたにおいてはMIDIのデータ・レベルの制限など無いようなモンですからもっとラクになるのではないか!?と思われるかもしれませんが、着メロのようにデフォルメさせてしまうと出音そのものがチープになりますので、なかなかそういう手法は持ち込むことが難しくなりますし(笑)、そうすると、制作そのものがある程度変化しているので自分のリリースしたい楽曲のイメージもガラリと変わる。そうすると自分の嗜好性をそれまでよりも更にトコトン追究したモノが多くなる、という流れになって1曲に注力する度合いが増すこともあって、決して作業面でラクになるということは感じていない左近治であります。


ここ10年の中には、ヒマさえあれば着メロ制作!みたいな時もありましたし、そういう時代には自分の好きな音楽をのんべんたらりんと聴く時間を犠牲にしてでも着メロの世界の面白さを満喫していたこともあったモンですが、だからといって完全に自分の音楽の聴き方を犠牲にしていたワケでもなく(笑)、敢えて表現するならば、音楽の聴くという時間の使い方がそれまでよりも上手く選別できるようになったというのが大きく変化した部分でしょうか。


ココに大きく寄与しているハードウェアというのはMacやWindowsというPC部分ではなく、実はHDDレコーダーとiPodであります。無論iPodはWindowsに対応する前まではMacオンリーの対応であったワケですしパソコン必須のアイテムとも言えますが、それら2つのハードウェアがあったコトで、より巧みに時間を活用することが出来たのでありまして、これらのハードの出現には本当に感謝している左近治であります。結構意外だなーと思われるかもしれませんが、この2つ無くしては語ることの出来ない便利アイテムであるワケです。


それらに共通するのはクイック・アクセスとデータの蓄積化に伴う時間短縮なワケですが、そこから選別する(ネタ探し)をするのは私の役目でありまして、ココの部分というのは時間を削減できない(してはならない)部分でもあるワケです。コアな部分を見逃さずに選別する、というコトにおいては主観をジャマしてほしくないインターフェースですな。


テレビの視聴率低下が著しいと話題になっている昨今、スペシャル番組でなければそれほど巧くデータ放送を活用しているとは思えないエセなインタラクティヴな世界(笑)。CATVを導入している世帯でなければアナログ放送というのは概ねどこかのチャンネルの電波利得を優先させたモノにしてしまっているため、特定のチャンネルは映りが良く、ソコにチャンネル合わせておけば誰もが観てくれた、という時代であったのでしょうが、地デジでこういう不安要素が解消されたから、多くの人がまんべんなくいろんなチャンネルに興味を示したことで、観てみればドコもそれほど大差は無いコンテンツだったというコトに視聴者の多くが気付いたコトで視聴率低下の一因になっていると思うんですな(笑)。しかしながらNHKは地デジ普及によって身入りも増えたのかコンテンツが良くなっていると思いますけどね(笑)。


とはいえ、データ放送にしても放送と完全にリンクしているワケでもない。出来合いの情報をさもマルチタスクかのように見せているだけで、リアルタイムに変化する番組無いの情報をHTMLタグのように埋め込まれているワケでもなく、視聴者が気になる情報やキーワードとリンクしているワケではないんですな。視聴者の多くは、ある特定の情報に長けている分野を放送しているのでなければ、誰もが情報を欲しているワケですからね。ここをおざなりにして番組は制作サイド(ここも放送局が直接関与しているのではなく下請け・孫受けになっていることが弊害となる)の思惑通りに「出来合いの」情報が滞りなく作られていれば問題なし、みたいな所があってデータ放送すらおざなりの番組だってあるワケです(笑)。


出演者の発するコメントが番組とは無関係であっても、それをリアルタイムに「タグとして」反映させて、その情報をwikiやらにリンクさせても充分だろうに。流れている音楽やBGMなども制作サイドは下請け・孫請けの事情など関係なく情報を共有、著作物の共有を密に且つ簡素化して視聴者にリアルタイムに届けるなど、こういう試みが出てこないとテレビコンテンツの新たな開拓って出来ないと思うんですな。

無論TV放送はHTMLを埋め込むことができませんし(笑)、番組のあらゆるキーワードをwikiはもとより無関係のスポンサーにまでネットを通じてリンクしてしまったら本末転倒だとか、著作権の取り扱い(営利企業であるがめに著作の扱いが厳格になる)が新たに発生してしまうことで著作料が発生してしまうなど色んな面で問題はあるでしょうけどね(笑)。


結果的に「囲い込み」を前提に制作しないと成立しないコンテンツというのが、今の社会では嫌悪されつつあるワケですな。もっと掘り下げた情報まで行き着きたいのにそれをさせないもどかしさを視聴者の多くが気付き始めているというワケです。


まあ、どんなに上手そうにグルメ・レポートしてくれても視聴者の腹をリアルタイムに満たしてくれるワケでもありませんし、味も香りも判るワケではありません(笑)。

じゃあ、そこまで詳細な情報を視聴者は欲していないのだとバッサリ切り捨ててしまうとマズイだろ、というコトなのであります。


私がTVコンテンツ関連の楽曲のリリースを少なくした理由というのは(概ね着うた制作にシフトした時)、それまではTVコンテンツを意識して「あれもこれも」という狙いを定めて多数リリースすることで、利用者の方々はそれでショップの雰囲気やキャラクターを感じてくれていたワケですな。それであっても左近治の展開する曲はモンドな指向であるため、一般的にはキャラ掴みづらいでしょうけどね。

その「キャラ」がある程度判りやすくなってくると、惰性でモノ作れちゃう向きがあるんですよ。

しかしながら、私が紹介したい部分というのは「この曲、○○で使われてます!」とか、そういうコトではなくてですね、寧ろ

「この曲が○○で使われておりましたが、このアーティストはこーゆー曲も作っている人なんです!」


こういうコトなんですな。


例えば、GONGというバンドを知らない人に、カンタベリー系の良さをどう伝えるか?

サマー・ソニックでGONGを知った人だっているでしょう。SYSTEM7とかね。


別にカンタベリー系に始まったコトではなく、TVで○○や××が使われていた曲をまんま披露するのではなく、そこから発生する系統樹を強く意識してもらって、その先にある「更に良い曲」など、そういうコアな情報を如何に引っ張りたいか!というコトに尽きるワケですな(笑)。


全ての人が深く情報を知りたいと思っているワケでもないでしょうけれど、そこまで知りたい人は確実に存在するはずで、実際に私が「そこまで知りたい」タイプの人間であったコトを思えば(笑)、そういう人を蔑ろにはできないのであります(笑)。勿論、知っている者同士で話題に華を咲かせたり、共感できたりするのもイイでしょう。ただ、赤の他人でネットを介したマジョリティというのは、実際に出会う人達との間に生じる情報の共有・共感は必ずしも一致するワケではないのが現実で、ホンネでない事をネットというインフラとパソコン・ベースという環境を活用することで利便性が生じた「だけ」で、その利便性の前にあぐらをかいて言いたくも無いことをついつい言ってしまう利用者だっているワケです。

ここに「あぐら」をかいてしまうタイプの人というのは、目先の環境が自分にとって利便性があるだけであって、本当に心の底から叫ぶ欲求の声という本来のマジョリティとしての在るべき声とは違うモノなんですね。故に私のブログではユーザーコメントを制限していることが多いんですが(笑)。


ネットという利便性など関係なく、例えばKクリ宛に封書で私に対してリクエストを送ってきた、というマジョリティがあったとしたらそれはネットというインフラを「便利に」活用してリクエストしてきた方の声よりも注視すべきコトだと思いますし、私の述べている「マジョリティ」の部分ってこーゆーコトなので誤解のないようご理解くださいね。


つまり、私本人が発したい情報や紹介したい楽曲というのは、もはや、ただ単に店のキャラクターの「惰性」で生じたモノで想起しやすいモノだけを展開すればいいというモノでは無くなっておりまして、そこに付随させる説明もショート・コメントでは到底語りきれないという側面があるからこそ、このような冗長ブログになってしまうワケですな(笑)。


例えばですね、障害を抱えられている方というのは、健常者が便利ツールだと思い込んでいるケータイやパソコンであっても、不便なモノが殆どだと思うんですな。

健常者であっても、身に付かない術とやらがあるのが現実。実際に着信音の世界で言えば耳コピができない健常者だって多数存在するワケですからね。


健常者の中の便利ツールを巧みに操るエキスパートが、目先のインフラの利便性でたまたま発した声よりも、血判状で封書で送ってきた文書の方にチカラを感じるのはコレ当然のことでありまして(笑)、声を挙げられない人(サイレント・マジョリティ)をどれだけ見抜くか、というコトが重要だと思うんですな。これはKクリのセミナーに足を運ばれた製作者のみなさんなら誰もがご存知のコトだと思うんですが、どんなに凝視していようが見て見ぬフリをするのが大半の人の行動でありまして(笑)、気に掛けている人というのは確実に存在するワケですから、その人達にムリヤリあれこれ御高説じゃあ嫌悪されるのが関の山なのでありまして、ついつい耳と目が行く「情報」を提供できればな、と思っているの左近治なのでありますな。


というワケで、着信音の制作面では特に大きな変化の無い左近治であるワケですが(笑)、良い音楽を取り上げるということは、自分自身がそこまで原曲を愛しているからこそでありまして、そういう魅力を率直に、しかもより深く語ることができればなーと常々感じているのでありまして、そういう良い音楽に出会うことが今も出来るのはiPodだったりするワケですな。時間の制約だけではどうしても手一杯になってしまうことが多いので、ここに生じる「利便性」だけは「惰性」ではないんですな。


惰性に埋没することなく利便性を追究しながら本質の魅力を知ることができるということが大きな喜びなワケでありまして、服買いに行って店員にホメ殺しされてついつい買ってしまったというような誘惑に負けない「真の魅力」を見出して音楽に出会いたいものであります(笑)。


私自身、手にする新譜の出会い全てが「真の魅力」に繋がっているワケではありません(笑)。しかしながら、限られた時間の中で過ごした音楽との出会い。この10年間にもありました。

但し、人生の中でもこの10年間というのは2割は占めているはずなのに、それまでの10年よりも数少ない出会いであったのは確かです。だからといって左近治が出会ってきたここ10年にリリースされた楽曲の出会いが全ての人に当てはまるワケでもありません(笑)。まあ、左近治の嗜好度を探る意味でも、私のiPodで4ツ星・5ツ星を付けているココ10年間にリリースされた「新譜」に収録されていたお気に入りの楽曲を列挙してみるコトにしました。ハナシが長くなってきたのでこの手の話題でくつろいでいただけたらな、と。


1. Selfish Gene / Walter Becker 「Circus Money」
2. Passing By / Zero7 「When It Falls」
3. Te Quiero Por Otro Lado… / Savath & Savalas 「Apropa’t」
4. Let Me Be / Elizabeth Shepherd 「Parkdale」
5. I’m Down / As One 「Out of the Darkness」
6. Night Belongs To Mona / Donald Fagen 「Morph The Cat」
7. Turn Down the Pancake / Fiver 「Eventually Something Cool Will Happen」
8. Darkness Into Light / Flowriders 「Starcraft」
9. Where Love Shines / Incognito 「Who Needs Love」
10. Hunter / Portishead 「Third」
11. 現実を嗤う / 東京事変 「教育」
12. Private Laughter / Bonnie Pink (EP)
13. Tour De France Etape 2 / Kraftwerk 「Tour De France」