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ミッドナイト・カクテル [リリース発表]

今回リリースする曲のひとつに、かねてから制作のアナウンスをしてきましたが、左近治特有の他の曲への浮気ゴコロが災いしてしまい、すこぶる進捗具合の宜しくない曲がありまして、それがガゼボの1stアルバム邦題「幻想のガゼボ」収録の「Midnight Cocktail」があったのでありますが、ようやくリリースにこぎつけるコトが出来たワケでございます。

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私がガゼボを最初に耳にしたのは忘れもしない、1984年2月29日水曜日(←閏年)のNHK-FMのクロスオーバー・イレブンで流れていた「London - Paris」だったのでありますが、FM雑誌に掲載されている曲情報によれば、その当時はまだ輸入盤でしかリリースされていなかったんですな。


で、当時懇意にしていただいていたレコード店の店主に


「Gazeboというアーティストのアルバムが発売される情報があったらすぐに連絡してくらはいね♪」


と頼み込んで、確か1ヶ月ほどしてから発売されるというコトを聞き付けて国内盤をゲットできた、という記憶があります。


当時のレコード店、ましてや今のようにネット全盛の時と比べても、得られる情報量などタカが知れております。その分確度はありましたけどね。カタログにしたって多くの商品(注力しているモノ)には、線数のキメ細かい印刷物で、情報量も確か。しかしそれらがまんべんなく用意されているワケではなく、音楽コンテンツとなると、やはり新譜情報となるとレコード店にある新譜情報に勝るモノはなく、輸入盤ならその手のコレクターが知り合いに居るか居ないかでもかなり左右された時代であります。


まあ、翌年に人生初のCDプレーヤーをゲットした後にはガゼボのCDも買い揃え、84、85年辺りにゲットした当時のCDというのが私の所有する最も古いCDの部類になるかと思われます。この辺りに製造された一部のCDの波形を見ると、当時のADコンバーター特有の、超高域に走査線のように走る僅かなノイズが発生しているものがありましてですね、概ね18~19kHz辺りにうっすら乗っかっているモノがあるんですよ。楽器界隈でも90年代後半まではこのようなデジタル特有の特徴は見受けられましたけどね。


そんなハナシは扨置きガゼボの方へ本題を移しますが、今回リリース用で「Midnight Cocktail」を選曲した理由は、左近治本人が好きだからであります(笑)。まあ、過去には同じくガゼボの「Love in Your Eyes」もリリースしておりますが。

ジョルジオ・モロダー系に影響されているのは判りますが、他にもウルトラヴォックスっぽさを感じるモノがあったりもするアルバムでありまして、日本国内で最もヒットしたのは「雨音はショパンの調べ」として有名な「I Like Chopin」でありましょう。


その辺の有名どころは置いといて「Midnight Cocktail」の曲の良さは、ハウスとしてのカタチを今でも通用する(大半のハウスが当時からインスパイアして作っているモノですが)ものでして、楽理的側面においてもセカンド・ベースをトニック・マイナーからIIIb△/IV --> IV△/Vと使うのがシャレておりますね。アッパー感を忘れない、ハウスとしてのコードワークとしてはマストな世界観をきちんと有している所がイイ所でありましょう。

何よりも左近治はFマイナー・キーが好きってぇのもあるんですけどね。


原曲では今や懐かしのシモンズの音が入っていたりするんですが(笑)、シモンズの音を一番最初に聴いたのはYMOの「過激な淑女」と杏里のキャッツ・アイだったでしょうか。時代を感じますねー。


私が感じる、シモンズが一番良い音でレコーディングされていると感じるのは12inchでZTTから出ていたプロパガンダのミニ・アルバムである「Das Testaments Des Mabuse」だと思っております。今リリースされているデジタル・コンテンツだと音圧ばかりが先にあって高域の自然な伸びがアナログのそれとはやはり違うと感じます。


とまあ、当時を振り返りながらハナシを進めているのでありますが、因にガゼボが発売された辺りの時代背景はというと、松田聖子がちょうど「Rock 'n Rouge」唄ってた頃です(笑)。


まだまだ1984年前半というとDXサウンドはそれほど席巻しているワケではなく、アナログとデジタルが巧いこと融合していた時代でもあったんですね。大半のフュージョン系はDXサウンドを導入すると途端にソッポを向かれ衰退するのでありますが(笑)、ごく僅かな保守的な人達がDXサウンドを導入せずにいた人達というのが結局は生き残ったような気がします、今となってはどうとでも言えるかもしれませんけどね(笑)。

まあ実際、今現在DX7の実機よりもDW-8000やJX-8Pに手ェ出して持っていた方が価値があると思いますモン。


1984年というのは音楽界では結構節目であるとも言える重要な年代ですので、その頃の時代を感じていただきながら聴いていただくのも良いかな、と。


着信音方面の話題にシフトすると、今回はArturiaのminimoog Vは大活躍しております。チョット前にバタ臭いシンベの話題にしていた手法も用いながら音作っております。


ま、ガゼボの音はオーバーハイムとムーグ、シモンズとコンプ深めのアコピ、それとスティングレイがあれば殆ど実現しちゃうと思うんですけどね(笑)。


余談ですが、マーカス・ミラーのスラップ・サウンドが参加レコーディングの違いによって様々だった音が確立され始めて来たのもやはり1984年辺りになるんですが、その影響力がまだ希薄だった1984年辺りというのは英国ではセイバーやスティングレイが意外と多かったんですよ、実は。ジャズベ・ブームなんてまだまだ先のハナシだったんです(笑)。今やスティングレイ・ブームも通り越してプレベ・ブームですが、世の中こんなに変わるモンなんですな。