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スピードボール [ベース]

扨て、今回はスタンリー・クラークのブッチブチでゴリゴリなエレベのプレーの打ち込みを繰り広げているワケでありますが、まずは手始めに、ソロ・アルバム「Time Exposure」収録の「Speedball」から語ることに。

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このアルバムは、どちらかというとアルバム1曲目のルイス・ジョンソンとスタクラのベース・バトルから始まるコトで、その筋のベース弾きの間では結構知られているモノだと思うんですが、後に角松敏生のソロ・アルバム「Sea Is A Lady」に収録されていたベース・バトルの曲というのはまさにこのアルバムからインスパイアされているのは明白であります(笑)。

まあ、四半世紀も経過してスラップ・ベースのフレーズも多様化してきた現在、それほど難しいコトは弾いてはいないものの、当時としてはベースをフィーチャーして左右別々にベースのフレーズが聴こえて来る、という曲は度肝を抜かれたモノでした(笑)。

時代的には丁度「We Are The World」のレコーディングにルイス・ジョンソンが参加したコトと重なって、結構各所で取り上げられていたモノでした。

そんなこんなで、「Speedball」は3曲目に収録されているんですが、今回左近治が制作した部分というのはイントロ部の所ですな。スタクラ本人がリードを取っているんで、ベースパートが無くウワモノのコードワークしか聴けませんが、実はココにベースが割愛されているコトで、後の唄メロ部のスタクラのコード・プログレッションの妙味を味わえるワケでして、しかもこの部分のハーモニーが少々希薄であることが幸いして、かなり面白い調性の移ろいを見せてくれるワケですよ。

運指こそはそれほど難しい動きをしていないのでありますが、要は「あの」ブッチブチと掻き毟るかのように弾き倒すスタクラ特有のプレイ。まあ、アコベの高音弦から薬→中→人という風にガッツリ弾くようなモノ、と思っていただければ宜しいんですが、こーゆープレーすることで、トンデモない速弾きの符割やら装飾音の嵐となったりするのがスタンリー・クラークの真骨頂でもあるワケです。

原曲にも増して、さらに勢い余って「掻き毟っちゃった♪」みたいなフレーズにして打ち込んでいるのが左近治流(笑)。

まあしかし、スタンリー・クラークの特徴的なフレージングというのは勢い余って弾いてしまったかのように聴こえるような装飾音も実はとても深い意味があって、これがさらに複雑な符割として聴かせてくれる魔力のようなモノがありまして、この装飾音が加わるタイミングというのも出鱈目なモノではない所が重要な点であります。

まあ、そのナゾについては次の「Life Is Just A Game」にて語ることに・・・(笑)