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物陰から凝視するかのように [楽理]

扨て、前回の続きです。まあ、ハイブリッド・コードの件でチラッとお役に立つようなコト書いておこうかと思います。

例えばCをルートとする、左近治がよ〜く使うハイブリッド・コードで「E7sus4/C7」なんてぇのがありますが、こちらの構成音をもう一度確認するとしましょうか。

半年ほど前のブログでも、このハイブリッド・コードの場合、ナチュラル11th音を与えたウラの音程関係にあるドミナント7thを想起させることも可能、ということを述べましたね。
つまりは、上記のコードだとF#をルートとする、11th音を持ったドミナント7thを想起することも可能なんだけど、ドミナントとしての機能はさせておらず、且つ、ルート音に用いている音も違う、というコトです。

前述のコードの構成音は、「E音、G#音、B音、D音 / C音、E音、G音、Bb音」ということになりまして「F#音」は含まれておりません。ただ、ココに仮想的にルートとして与えてみるとしまひょ、と。

そうすると、先のコードの上声部はF#音から見ると

「7th、9th、P11th、b13th / #11th、7th、b9th、M3rd」

という音程関係にある、という事が判ります。

和声的に用いているので、9th系と11th系は本来の音と変化音を同時に使用している和声という風になりますが、この理解はあくまでも「便宜的なもの」としてご理解くださいね。

すると、前回のブログで例に出した渡辺香津美の「師走はさすがに忙しい」という曲中でのギター・ソロでは、Aの5th音に対して私はこのハイブリッド・コードを与えているのでありますから、Eの音程関係の「ウラ」は「Bb」になりますので、Aから見ると半音上の上記のオルタード・ドミナント7thとしてのアプローチとも言えるワケであります。

注意すべき点は、私は和声的に捉えた時の特殊な世界観で語っており、渡辺香津美の実例は「旋律的」なアプローチである、という所を明確にしておかないと、これらを混同してもらっては困ります、ってぇこってす(笑)。

楽理覚えたついでに、こーゆー所見落とすと後々困りますよ、ってぇコトも言いたいんですけどね(笑)。ささやかな左近治の配慮から(笑)このように念押ししているのでありますな。まあ、ここまでご理解いただいている方なら迷うことなくご理解いただいていると思うんですが、世の中そういう人ばかりでもないでしょうから、とりあえず「念のため」(笑)。

普段は底意地の悪い、性根はrotten to the coreな左近治(笑)。教科書に載っているコトにはうわべだけしか触れずに、副読本の方で重要なコトを載せて、生徒のヤル気を自発的にチェックする、というような教師に近いスタンスかもしれません(笑)。

まあ、私自身黒板は殆ど使わず、語りからノートに取らせる、という自由度を与えてくれる教師を好むタイプだったためか、ついつい私もこうして、本編よりも脇道逸れた時に重要なコト語っていたりするんで(笑)、その辺、注意していただければコレ幸いです(笑)。