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今宵もメロディック・マイナー・モードに耳馴染ませて [プログレ]

いただこうと思うワケですが、ちいとばっかし苦味の強度を増しても大丈夫かな!?と恐る恐る紹介したい曲がありまして、ではSoft Headのアルバム「Rogue Element」から「C.R.R.C」なんてぇのはいかがでありましょうか?(笑)。

Soft HeapとSoft Headの違いはごく僅かだということはプログレ・ファンの皆様ならご存知だと思うので今更語りませんが、この曲はアラン・ゴウエンの作品であります。

ゴウエンの良さは、こういう世界観を有しているところなのですが、まぁ、カンタベリー一派ならみなこのような世界観備えておりますし、出音がどうあろうとも皆が方位磁石持っていて同じ方を向いているような人達が互いに融合して、それらが伝播して行く、という潮流がカンタベリーだったことを思えば、ゴウエンだけを特別扱いはできないのですが、なにはともあれ、こういう世界観をゴウエンは非常に好みますね(笑)。

サックスが無ければどことなく毒ッ気強い時のベルトラーミをも思わせますが、ゴウエンのつま弾くローズは結構ツボにハマってくれるので堪らないんですな、コレがまた。

左近治をプログレオタクと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、私にとって音楽ジャンルなどどうでもイイので(笑)、良質で毒ッ気の強度が強けりゃ何でもイイのかもしれません(笑)。それでも和声的な世界においての「絶対等級」を見抜くパワーは錆び付かせたくない、というのが私の信条とするところであります。

まあ、近日点と遠日点から見た宇宙の遥か彼方のクェーサーの違いなど非常に僅かかもしれませんが、カンタベリー系の人達というのは調的な世界観を見抜く能力を有している、或いは調的な世界の束縛と解放の使い分けが非常に統率されていたりするんですな。

酷いジャズ屋の世界だと誰かひとりは必ずといっていいほど「勢い」だけで方程式羅列してるようなのが居たりするモンですが、パット・メセニーのような感性を備えた人が各パートに居ればそのような「やっつけ仕事」的なプレイはなくなるんでしょうが、カンタベリー系の人達はそれがインプロヴァイズであろうとなかろうと軸はブレることなく音を出してくれるワケですな。これはレコメン系にも言えることでもありますが、いわゆる有名どころの「プログレシヴ・ロック」というジャンルを代表する大物グループの多くの音は、「ロック」という形骸化された音の在り方に守られているような向きもあるため、幾つかの曲においては「ロック」的な偏狭的な世界にとどまってしまう楽曲もあったりするんですが、プログレ界の中にあってもカンタベリー系やレコメン系には無責任な音、というのは極めて少ないと思う左近治であります。

メロディック・マイナーという世界を構築するにしても、音は12音で使う音は他の音楽と一緒(フレッド・フリスとかは音律すらも厳格に弄ってきたりしますけど)なワケでして、チャーチ・モードの世界に収まってしまう世界があまりにもポピュラーすぎてメロディック・マイナーの世界を隠してしまっているのだとも言えましょう。

チャーチ・モードの世界など服装で言えばブルーカラーの作業着に等しい(笑)。皆等しく作業着着ては、その服装にチョットだけ「着こなし」を変えているに過ぎないようなモンでしょう(笑)。

作業着と同じ繊維を使用しても、プレタポルテの服をまとうのを好むのが、こういう世界観を楽しむリスナーみたいなモノでしょうか。

非チャーチ・モードの世界の魅力を知る人だと、志向する音の性格は姿形を変えてもどこか共通項を見いだせるもので、それは決して誰彼と音が似ているという酷似性とは異質の「共通項」の嗅覚がより強まると思うのですが、こういう感覚が鋭敏になってくるとチャーチ・モードの世界であってもかなりニュートラルに聴けるようになるモノでもあるので、多くの人にもこういう世界を知っていただきたいなと思うばかりです。

ほろ苦い初恋の失恋など、その当時は小説1冊では済まされないほど語るコトができた世界だったかもしれませんが、幾度も数十回も恋愛や遊びを重ねれば、それほど大きく感じた初恋の世界とやらもたった数行の文章で収めて語ることができてしまうようなモノなのかもしれません(笑)。とはいえ全ての初恋やら若い頃の恋愛を否定するワケではありませんけどね(笑)。経験重ねると、当時の感覚など途方も無く矮小に思えてしまうくらい成熟してしまうという例えなんですな(笑)。

底意地の悪い寓意をちりばめるのもアレなんで(笑)、近年の作品で、カンタベリー系ではないものの、音の志向性というか見つめる方角が同じ方を向いているような曲でもあらためて紹介することにしましょうか。

Flowridersのアルバム「Starcraft」より「Roots Go Deep」など。

この曲は聴きようによっては、アクサク・マブールの「シネマ」のようにも感じますし、カンタベリー系に酷似する匂いを感じ取っていただけるのではないかと思います(笑)。ワウのかかったクラビを歪んだオルガンに置き換えればまるでエッグのデイヴ・スチュワートのようにも感じますし、ローズのフレーズのそれにゴウエンを感じさせてくれるようなフレーズが曲の終盤では感じ取れるのではないかと思います。

音こそエレクトロな類いのモノが詰まってはいますが、EggやNational HealthやGilgameshに似た世界を感じ取れる興味深い作品です。

今回は性懲りもなく、毒ッ気まぶしたクロスオーバーな左近治のサンプル曲を聴いていただいて、変な音を見つけていただきたいと思います(笑)。過去に使ってきたチョット変わった系のコードを使ってる程度なので耳コピは楽だと思います。さりげなく変拍子用いているんですけどね(笑)。

ギターの気の利いたフレーズが浮かばなかったんでギター・パートを割愛しているんでジャズ・ロック風にはならなかったんですが(笑)、とりあえず一連のフレーズは4小節です。2拍の弱起で3/4拍子→5/4拍子→3/4拍子→4/4拍子→2/4拍子・・・という繰り返しです。わざと4拍子概念の2・4の所にスネアを入れてたりするので惑わされないにお聴きいただければな、と。理想的な調的な世界はスティーリー・ダンの「Negative Girl」なのでありますが、それとは全然違うものの、見つめている方向が似ていると思っていただければ幸いです(笑)。