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ローズ名演 [クロスオーバー]

今思えばDX7が席巻していた時代とは何だったのかと自問自答してしまうほどDXサウンドは廃れ、エレピといえばいまだにローズが席巻している現在。

ウーリッツァーの立場を無視するな!という声もあるのは勿論判っておりますが、ローズのそれとはやはり数馬身以上の差は付けられているのが実情でありましょう。無論、ウーリの魅力もありますが。

DX7が練習スタジオに常備されるような時代の前というのは、普通にローズやCPがスタジオには勿論、ライヴハウスにもあったモンです。ただ、普通の練習スタジオに常備されている機材の多く(アンプ関連)というのは、破損防止のために概ねアッテネータ噛ませていたりするものが多く、ツマミ上ではフルテン刻んでいても実際にはそんな設定が出ないようになっているモノが多いのであります。全部が全部そうではないんですけどね。

車で言えばリミッター噛まされて180km/h出ないようにされているのと同じ。リミッター解除されてないと突然「ググッ」と引っ張られたような挙動になりますよね(つーか、よいこのみんなは公道で確認しちゃダメですよ)。

スタジオのアンプ類の大半もそういう風に手を施しているのが実はあるんですな。それでもゲインを稼ごうとすると後段のゲインが稼げない設計になっているためか、プリ部のゲイン弄るのと等しくなって歪みが増す、と。これはギター&ベースのアンプに限らず、キーボードやらボーカル類のためのパワードミキサーにも同様のコトが言えます。

んで、普通のシンセをブチ込んでもアッテネータ噛まされてりゃ出音は結局抑え込まれ音量は稼げない。それでも稼ごうとして音が歪むとなると、ローズなんてぇのはモロにブーミーになって嫌悪されやすい、と。

それでも尚使いこなせるようなアンサンブルの音を重視するバンドであれば、その手の練習スタジオにおいてもローズの特徴を活かした音を使いこなしていたでありましょうが、大半は使いこなせず、当時の音楽シーンからは蔑ろにされやすい「イナタい音」として嫌悪されていたのが実情ではなかったでしょうか。

DX7ですらまともな音を出せずに、ウブの素人でも「とりあえず」心満たせる音をシンセで出せるようになってきたのはM1がリリースされて練習スタジオに常備されるようになってからではないでしょうか。それでも使いこなせない人がいて、そんな人達を満足させられるレベルになってきたのは01Wの出現を待たねばならなかったというのが真相ではないかと。

エレピの醍醐味と言っても、ハウスやらスムース・ジャズ畑で重用されるローズの音というものは、透き通るような高域とコーラスをかけたリチャード・ティー系のサウンドだったりします。加えて、ローズの音はそれ系じゃないとNG!タイプという人の多くはだいたいローズ慣れしていないタイプの人が多いように思えます。あくまでも私が見てきた感想ですが。

ローズの深みを知れば知るほど、その手の音よりも、本来の少々ブーミーでエグみの強い若干歪んだような音を好むと思うんですが、この手のイナタいローズの音の曲をたまには作らないとなぁと思い、「Tenemos Roads」の進捗状況は遅々として進まず(笑)、またまた最近浮気をしていた曲があったんですね。

下記の曲は、いずれ私がリリースするだろうと思われる作品であります。

Diamond Dust / Jeff Beck
Foxtrot / Spyro Gyra
Sophie / Jeff Beck
Miles Beyond / The Mahavishnu Orchestra
First Class Vagabond / Hiram Bullock
Underdub / Hatfield and the North
A Creature of Many Faces / The Brecker Brothers
Same Old Same Old / The Section(←コレ、追加です。なんで書き忘れちゃってたんだろ?)


これらの中でも「A Creature of Many Faces」はブレッカー・ブラザーズの中でもかなり好きな曲のひとつでもあり、実際にもう作っている最中なのでありますが、先頃集中的に語っていた「ベッカー・サウンド」をさらに強くしたような和声の世界観を有しているのがブレッカー・ブラザーズと思っていただいて差し支えないと思います(笑)。

まあ、音を味覚に例えるとしたらベッカーの音は「ピクルス」で、ブレッカー・ブラザーズのそれは「らっきょう」や「わさび漬け」みたいなモノ(笑)。

余談ですが、ブレッカー・ブラザーズにおいてはインプロヴィゼーションに関してはマイケルの方が極めて秀でていると思いますが、コンポージング能力においては兄のランディの方がマイケルよりも秀でていると私は思います。

ところで上記の曲は私の好きなローズの曲をただ単に列挙したのではなく、エグさがあって、独特の箱鳴り系の「ポコ感」がオイシイ音を吟味できるという意味で挙げております。ヤン・ハマーの場合、ローズは透き通った音とは対局的なブーミーなエグい音を好むタイプだと思われますが、マックス・ミドルトンもやはりそのタイプだと思います。

ジョー・サンプルが出てこないやん!と思われる方も居るとは思いますが(笑)、ジョー・サンプルの曲でも実は育んでいる曲が1つあるのでいずれリリースするかもしれません。70〜80年代ではなく比較的近年の90年代の某曲なんですけどね。