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円周率をチェレプニン音階にあてはめてみる [サウンド解析]

え〜、ちょっと今回は変わった企画を試みるコトに。

つい最近、チェレプニンの音階について色々語ってみましたが、今回はチェレプニン音階の音列を円周率にあてはめて音楽作っちまおー!ってなコトを実践してみるコトに。

まあ、ゆとり教育の代名詞とも言える円周率=およそ「3!」(←世界のナベアツ風に)なんてぇのは、例えばチョーキングなどメチャクチャ下手で調子ッ外れのクセして、「おお、チョーキングうまいね〜」とホメられるようなモンで(笑)、いかにヒドいものなのかということをあらためて理解できるとは思うんですが、とりあえずは9音音階であるチェレプニン音階を円周率にあてはめちまおーッ!とゆーコトで作ってみました。


ただですね、円周率というのは1〜9の数が出現してくれるのではなく、ゼロも出現します。円周率の深淵を探る人などゼロが続いた時にはさぞ大喜びしたんじゃねーかなー、と思うワケですが、今も円周率はコンピュータ駆使して探られているワケですね。

「9音音階にどないしてゼロ使うねんな?」

そうなんです。ココなんです問題は。


過去にもブログでチラッと円周率を音階にしてみたりするというネタを語ったコトがありましたけれども、その時は深く言及しませんでしたので今回はチト掘り下げてみることに。月イチくらいには大脳新皮質使ってやらないと「おバカ」になっちゃうので、涼しくなってきたこともありヒマなんで今回は少々マジモードで。


円周率を音列に置換するってぇコトは、ある意味では、そのランダム性により「セリー」を構築することも可能なんですな。セリー音楽のセリーです。

ま、ここではセリーについて深く言及しませんが、ある一定のモチーフを定義付けしたら、そのモチーフを二度と使わないようにして「次の音」を構築していくような作曲法と思っていただければ判りやすいでしょうか。


んで、肝心のゼロの扱いですが、今回左近治はゼロ出現時において、それは「休符」且つゼロを調性変更のフラグとして扱っています。

更に、ゼロの前後の3つの数をそれぞれ加算して、3種類の調性を後述のように定義付けしております。


例えば、「1230987」という数列があったとしたら、ゼロの前の3つの数字とゼロの後の3つの数字をそれぞれ足してみます。
そうすると・・・

「6」という数と「24」という数字を得ることができます。で、さらにこのふたつの数字の差を絶対値で求めます。すると絶対値は「18」というコトになるので、これを3で割ります(絶対値というコトバに拘っている理由が判らない小6、中1の人は先生に訊ねてみてね!)。

割り切れた数を・・・Cチェレプニン・スケール
余り1・・・Dbチェレプニン・スケール
余り2・・・Ebチェレプニン・スケール


という風にしております。ゼロが複数続けば休符も続くし、音も無いのに調性が変更される可能性があります(調性が維持されることもあります)。

Cチェレプニン音階というのは、Eチェレプニン、Abチェレプニンも構成音は同じです。ってなワケで3種類用意すれば12音全てを満たす調性が得られるワケですね。あてずっぽうにアレコレ転調させる定義付けをするよりも、3つの定義付けで間に合うことも理由のひとつ。

なんで前後の3つの数字に拘ったのかというと、左近治の趣味の領域ですが、魔法陣(奇数方陣)の発想を3声のセリーを使って導入してみよっかな、というアホなコトを趣味でやっていたので、大きな理由は特にありません(ホントはあるんですが小せぇコトなのでココでは割愛)。

魔法陣ってェこたぁ、縦、横、ななめ、合計しても等しい和を生じるワケですが、チェレプニン音階を導入しつつ、3声部&3音ずつのセリーを魔法陣にみたてて9種類のセリーを導いて作った音楽というのを楽しんでいたという、ただそれだけの理由です(笑)。故武満徹の立体楽譜がどういうモノだったのかは詳しくは知らないんですが、魔法陣導入した楽譜(アンサンブル)って面白そうだな、と考えていた左近治だったワケです。


ある意味、この手の音楽となるとアイデア勝負ともなりますが、よいこのみんなはマネしないでね!(笑)円周率およそ3のままでイイっすかから。悪い子はトコトン学んでください(笑)。


それと、ゼロ以外で同じ数字が連続した時はオクターブ変更を行いますが、前後の音との音程差が著しく極端にならないように、これは左近治が勝手に行っています(笑)。この辺の定義付けも可能ではありますが、あざとい人だとこのアイデアでメシのタネにしてもらっても困るので、こちとら無償で提示しているワケですから、もっと深く追究したい方はそれなりにご自身で進めてくださいね(笑)。とはいえこの手の題材なら誰でも一度は用いたコトがあると思うんですけどね。現代音楽やらに興味を抱いている人は。



算数&数学の初歩程度でも、こういう音楽を生み出せるということが判っていただければな、と。ちなみに音波とは耳に届いた時こそが情報が届いた証ではあるんですが、途中でロスしている音だってありますし、それはどうやっても音波として現れないのは判りますよね。

現存する万物というのは、ある一定の「波動」に相殺されずに調和しているという証ですので(原子だろうが太陽系だろうが宇宙だろうが)、10進数を用いて求めることができないだけの現存する「円」。機械的にはどんな精度をもってしても現状では「真円」は得られないのでありますが、世の中のそんな成り立ちやらを数字に置き換えて音にする、という醍醐味を味わってもらいたいんですなあ。音楽というのも結局はソコなんで(笑)。


で、今回用意したサンプルは、それこそハモンドにでも弾かせればプログレっぽい音並びになっているのは興味深いですね(笑)。もっと追究して巧い具合にコード・プログレッションさせることも可能ですが、題材的にはもうコレで十分だろ、と思うのでこの辺でとどめておきます。

3.14・・・のアタマの3から始めて、16分音符に置き換えています。それが10小節。小数点第159位まで知ることができますんで、音覚えていただければそれくらい覚えられるってぇこってす(笑)。


底意地の悪い左近治が敢えて忠告するしますとですね、ハナからチェレプニン音階を導入していることにより、チェレプニン音階の呪縛から逃れることはできないので(笑)、十二音技法とは全然違います。ゼロ出現時にミラー・モード導入してテトラコルドの高低を入れ替えるにしてもチェレプニンは釣り合っていますし、レトログレードするなり、協和音程だけを用いてハモらせるフラグとして活用するなり、色々研究してみてください。

十二音技法とは異なるものの、釣り合いの中での不可思議な音列の魅力とでも言いましょうか。