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ベースの醍醐味 [ベース]

最近、なかなか耳にする機会が少なくなったスラップ・ベース。「チョッパー」なんて言えないくらい今やコッ恥ずかしかったりすることに隔世の感を覚えます。「ナウでヤングなカワイ子ちゃん!」というコトバを口にすることに匹敵するような恥ずかしさ。服装で例えるならノースリーブのデニム・ジャケットにバンダナ巻いて、下はアイアン・メイデンのTシャツとか(笑)。

左近治は幸い「ヘヴィメタ」の洗礼は受けなかったのでそういう服装には縁遠かったのでありますが、夕焼けニャンニャン大流行りの頃、ザック・ワイルドに憧れベルボトム履いて街を徘徊していた気合いの入った時代もあったモノです(笑)。あの時代にベルボトムを探すのは極めて困難で、行き着けの業者に海外買い付けの際に絶対ベルボトム見つけてくれ!と頼み込んで入手したりしたモノです。

そんな時代を振り返ると、スラップベースの憧れというのは殆どが世はマーカス・ミラー一色、のような頃。誰もがサドウスキーを手にすればマーカス・サウンドが手に入れられるのではないかとばかりに騙された人が多かったのではないでしょうか(笑)。

ベース・ソロなどを演奏するシチュエーションなどおおよそ無いに等しいにも関わらず、ちょっとスキを見つけては「ンペンペ」うるせーこと、うるせーこと(笑)。

リフで酔うタイプの曲ってぇのは概ねハーモニーは乏しくて旋律的に酔っているだけなので飽きちゃうんですな(笑)。どんなにコード指定しようがてめえのリフによってモード・チェンジすら忘れて●●一発で済ませたり(笑)。

この手の「勢い一発系」に疲れ果てた左近治。そんな私もベース弾き。良いリフにはやはり耳傾きます。

ベース・ソロではなく、スラップのリフとして曲の彩りを与えている名曲って何だろうな?とふと振り返ってピックアップしてみることに。

Pessimisticism / The Crusaders (Marcus Miller)
タイムシャワーに射たれて/久保田利伸 (中村キタロー)
New York Times / 日野皓正 (Tom Barney)
Bitch To the Boys / Shakatak (George Anderson)
Dee-Dee-Phone / AB's (渡辺直樹)
Someday / 山下達郎 (伊藤広規)
何かが海をやってくる / サディスティック・ミカ・バンド (後藤次利)
Tell Me What Is / Graham Central Station (Larry Graham)

上記の曲は、運指の妙味、フレージングとしての良さ、音程の跳躍の妙味などスラップにおいて大事な要素のバランスが絶妙だと思えるフレーズを選択しているつもりです(笑)。あらためてこうしてピックアップしてみると、私のスラップの嗜好性が判るってぇモンです。

学生さん達はそろそろ文化祭シーズンに突入すると思うので、いかにもスタジオで録音しただけのような「客観的な音像」をイメージして、いかにも「チョッパー」なサンプルを作ってみました。指差して笑っていただいて構いません(笑)。


「今時、こんなベース弾きいたらブン殴るだろうな〜」と思わんばかりの「うるせー」ベース(笑)。あの時のベース小僧、今や頭髪すらも失ってしまい加齢には勝てない人達も多いのではないかと思うのでありますが、21世紀になった今でも要所要所ではスラップをキメるシーンは少ないながらもありまして、ぞんざいな扱いにはしてもらいたくないものであります。




一方では、飛び道具ではないものの別な視点でのベース・ソロ。いわゆるダブル・ストップやらコードを使った「聴かせる」タイプのソロ。

こういうソロというのは、スラップビシバシ決めるよりも受け入れやすいのではないでしょうか。この手のソロで私が過去に一番感動したのはジェフ・バーリンのプレイでしたっけ。

そこで今回は何を血迷ったか左近治。昔のベース用MIDIデータを起こして「Green Sleeves」を鳴らしてみることに。

本テーマ2回目のくりかえし部分の4小節目。アタマの弱起をカウントせずにトータルで12小節目の装飾音を活かした「プルンプルン」した音は、打ち込みには結構注力しないといけない部分ですが、おおむねこういう装飾音を出す際は、打ち込みではなく実際のベースでは薬指から入って中指に力入れずに浮かせたような感じで、薬指から弾いて一緒に中指を引き連れるような感じで装飾音を演出します。これとプリング・オフやグリッサンドを組み合わせると味が出る、という。

私自身はこの弾き方を「スタクラ弾き」と呼んでおりますが、ソロ部分だから決まる味わい深い奏法というのを再認識してもらいたいものです。まあ、アコベ弾く人なら当然のようにこなせる指の動きではありますが、ジャンルによっては掌底と薬&中指で引っ掛けてストレイ・キャッツのようにスラップしてたり(笑)、アコベといえどもボウでしか弾かないという人も居るでしょうが、いわゆる指弾きのアコベをイメージしていただければ、「スタクラ弾き」の装飾音のカッコ良さというのはお判りになっていただけるのではないかと信じてやみません。

ちょっとした違いで色々な音を出せる。これはベースに限った事ではないですが色々な音をバリエーションとして持つということは重要なので、打ち込み全盛の今だからこそあらためてモノホンのベースからじっくり研究してもらいたいと思うばかりです。

「Green Sleeves」の続きはKクリにでもアップしてみようかと企んでおりますが(笑)、特にリリースする必要があるわけでもないのでこのままでイイのかもしれません(笑)。