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FM東京 平日午前8時 [制作裏舞台]

今ではTOKYO-FMって言わないといけないんでしょうかね!?FMエアチェック全盛の頃と言えば毎日録音していたのがNHK-FMのクロスオーバーイレブン。裏番組(FM東京)では「ソニー・デジタル・サウンド」と、シャカタクの「Takin‘ Off」が使われていたり、日付が変わるとジェットストリーム(笑)。

知財に足場固めてレコード会社の吸収・合併をガッツリ行って、ソニーは囲い込みの度を強めていったワケでしたが、VAIOのCMにダフト・パンクが使われている時代くらいまでは良かったと思うんですよ、選曲とか。「ソニー・デジタル・サウンド」におけるシャカタクだってポリドールですからね(笑)。自前コンテンツにばかり配慮せずにレコード会社の垣根を越えたところがソニーらしかったと思うワケであります。

扨て扨て、80~90年台においてFM東京の平日午前8時のジングルは!?というと、ピアノのポリリズミックなリフの後オーバーハイムがユニゾンで攻めてくる。さらにスラップベースが入ってきて、フルートのメロディが流れてきましたね。

あの曲は未だCD化されていないデイヴ・ヴァレンティンのアルバム「Land of the Third Eye」に収録の「Astro-March」という曲なんですな。作曲はデイヴ・グルーシンです。となるとこれはGRPレーベルだろ!?と連想される方はたぶんこの曲やアルバムについての知識がある方ではないかと。

ベースはマーカス・ミラーですな。8分裏から1拍5連トリルというのはこの曲のコトだったんですな(笑)。

まあ、この曲は32&40和音着メロ時代から制作をしようとしていたんですが、当時は左近治自身が着メロ制作に気合が入らず、Kクリにおいては着うたもまだ導入していなかった頃。作るのをやめてしまったという事情があったんですな(笑)。

まあ、最近では着うたばっかり作っている左近治なので、そろそろ頓挫していたこの曲を着うたとしてリリースしてみるか、と思い腰を上げて来たる2008年4月4日、リリースすることにしたというワケです。

左近治周辺のマーカス・ミラー・フリークの方は何人かおりますが、この曲がマーカス・ミラーだったということを知る人は意外に少なかったんですが、それもそのはず。この音源は今手に入れることすら難しいかもしれない。この曲において一番すきなのはジェフ・ミロノフのプレイなんですけどね。

左近治自身マーカス・ミラーのスラップで心地良くなれるのは別にこの曲ではなく、ボブ・ジェームスのアルバム「Obsession」収録の「3AM」のF Bassの音だったりする、と(笑)。ペグ緩めたSEはJBだと思うんですけどね。

とはいえ郷愁の念に浸れる曲というのはまた別なものでして、ラジオ番組とはいえ十数年は確実に平日は毎日流れていた曲に親しみを覚えている人は多いと思うんですよ。その曲自体を好きか嫌いかは別にしても、ノスタルジーに浸れるというのはそういう所にあると思うんですよ。

自分自身の好みだけで曲を聴いていればいわゆるフュージョン系の音楽なんて殆どシカトされてしまうのが実情ではないかと(笑)。しかも、ただでさえ入手困難な音源に親しみを覚えて貰うにはよっぽどの動機がないと手は伸ばせないと思うワケですね。そういう所で左近治が背中を後押しするようにノスタルジーに浸る中年おじさんが着うたで持ってきた、と(笑)。昔懐かしい雰囲気を味わっていただければ幸いですな。

人によっては電車の車内や車の運転、あるいは少し遅いお目覚めやらバイト先とか(笑)。そういうのを想起できる音楽のパワーというのをあらためて実感するワケですが、私が当時この曲が誰なのかを知った時というのはまだCDプレーヤーすら手にしていない時代。1000円札が伊藤博文だった頃でした(笑)。巷のアルバイトの時給の水準がようやく500円に達した頃ではないかと。確かタクシーの初乗りも400円チョットだったかと思います(笑)。通学に疲れ果てて駅前からみんなで割り勘でタクシー乗ろうとすると乗せてくれないタクシーすらありました(笑)。「学生なら歩け!」と(ある意味当然か)。以降、その運ちゃんが通るのを見かけるたび左近治、中指おっ立てていましたっけ。ホーン鳴らし返されることもありました(笑)。

「線路ほど最短距離は無いだろ?」と誰かが発した言葉に、左近治の取り巻きは線路を歩いて電車を停めてしまったという経験もココだけのハナシ(笑)。ごめんなさい「国鉄」。

とまあ、私の郷愁はさておき、ウン十年も前の曲だけじゃあアレなんで、特命係長只野仁のテーマソングやら(笑)、ごきげんようのサイコロトークの加速テンポバージョンとかも追加してみたというワケですね。

YMO関連曲となると、アルバム「テクノデリック」収録の「体操」をエレクトロ・クラッシュなアレンジにてリリースしますぞ、と。それとジョン・スコフィールドの「Wabash」ですね。

サンプラーを用いたレコード世界初となればこれはロジャー・ニコルスがスティーリー・ダンのために作ったウェンデルと名付けられたサンプラーですね。アルバム「ガウチョ」で使用された世界初のサンプラーを使ったアルバムとして知られているアルバムですね。

国内だとYMOのアルバム「テクノデリック」になるでしょうか。アルバムリリース後のウインターライヴという場では既に市販されていたEmulatorの初号機を使っているようですが、アルバムの方はというと当時の東芝の技術者やらの力を借りてパソコンベースのサンプラーを用いて作られたとも言われております。

当時のパソコンの記録媒体といえば「磁気テープ」なワケですね(笑)。カセットテープだったり。5インチディスケットとか。タモリがソニーの「DUAD」(フェリクローム:Type IIIポジション)のCMに出演していた頃ですよ(笑)。カセットだけでなくオープンリールでも販売されていたことを知る方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

日本人ならやはり国産を応援したいものでありますが(笑)、そんな技術の結集だったYMOのアルバム「テクノデリック」というのは私自身何度もレコードの針を落として聴いたりしたものでした。

このアルバムというのは環境音を巧みに使ってインダストリアルな表現をしていたりとか、一方でビートニクスでの実験的なフィードバックが活かされていたりなど、YMOとは別の場所でも各自があれこれ実験を重ねていたワケですね。

テクノデリックのexアルバムである「BGM」では、デジタルマスターの音が気に入らず、御大細野氏が一旦アナログテープに録音してマスタリングする、といういわゆる「テープ・コンプレッション」という技を初めて行ったと言われている時代。YMOの方々というのはこういうことを当時から行っていたというワケですね。

テクノデリックというアルバム全体はかなりシンプルなアンサンブルな構成となっていて、ゲートもかなり多用しているように思えます。初期のYMOに見られるような対旋律的で対位的なフレーズは鳴りを潜め、シンプルな「テクノ」な音になっていくワケでありまして、YMOのファンが二極分化されていった頃でもあると言えるでしょう。

アルバム「テクノデリック」の印象的なところは、初期のYMOに見られた既出ジャンルの「加工」的な要素が強く見られていて、その「咀嚼」感のバランスが実に絶妙だと思うんですな。YMOたる立ち位置としてはBGMこそが独自性を強く感じるワケですが。

「Neue Tanz」にしてもこれはモロにクラフトワークの世界でありまして(笑)、「Stairs」なんて50sジャズの咀嚼と言わんばかりのアレンジ。特にあのドラムのリフはジャジーなドラムのブラシワークを置換したようなアイデアのリフでしょう。サンプラーを使っていると思われるSE音もブラシワークを感じさせますよね。何より中盤のピアノソロがバド・パウエル風といいますか、ここだけじゃなく「Un Poco Loco」を彷彿とさせる感じなんですよね。テクノなジャズを形容しながらポップに仕立てようとしてこうなったのではないかと思えるほど、ジャズ色が強いと感じます。

小生、小学校6年生の頃にジャズがどんなのかを知りたくて聴いた曲がバド・パウエルの「クレオパトラの夢」。ジャズを知らない人でも知っているであろう曲ですね。これを機に身も心もパンクスだった私が徐々に脳内は楽理に冒されていくキッカケとなった曲でもありましょうか(笑)。

「Light in Darkness」はブランドXの「Nuclear Burn」を彷彿とさせるような、YMOの咀嚼感覚がイイ意味で発揮されている好例だと思うんですけどね。元々高橋幸宏のドラミングのそれにはNEU!の世界感や801のアンサンブルをもっとドラスティックに機械的にしたような感性を感じることができるんですが、テクノデリックあたりからかなりドラムフレーズは細かく刻むというか、ファンキーなリフを多用してくるワケですね。

とまあ、テクノデリックのネタで引っ張ってみたワケですが、今週はYMOのテクノデリックに収録のひとつ「体操」をエレクトロ・クラッシュ系とでも言いますか、学力偏差値とっても低い感じな「ロック」な音でアレンジしちまいまして(笑)、実に脳幹に呼応してくれる音となってくれていると思っております(笑)。脳幹直撃系というよりは、六価クロムで鼻に穴開く感じ系かなー!?(笑)。

まあ、原曲の当時のプロモーション・ビデオを見ても、全体主義を皮肉ってラリ入ったジャンキーな人を統制するような面白さを描写しているワケですが、クスリやりすぎて歯も無いかどうかは別にして、とりあえず学力偏差値I Don’t Careな感じで作ってみよっかなーと思って作ったワケですね。

この曲は坂本龍一の作曲なんですが、どちらかというと高橋幸宏っぽいオルタナなコードワークなんですよね。ソリッド・ステート・サヴァイヴァーに通じるような。しかし坂本龍一のそれはモード・チェンジしながらもそのコードの「平行調」にベースラインをクリシェさせていきながらコード進行間の共通する音或いは、隣接する音のクリシェを楽しんで元のキーに解決させていくという、結構綺麗なアレンジを聴くことができるんですね。偏差値関係ねぇ!というスタンスであるためあまり楽理面では深く語らずに判りやすい言葉で代用しましたが、ホントならこういうことすら語らずに音を伝えてみたかったんですが(笑)。

今となってはパソコンありきで動作させている比率の方が高くなっているのでは!?と思えるほど隔世の感があるもんですが、サンプラーに限らずシンセだってその潮流に乗っているワケであります。時代は変わるモンですな、と。

他の曲については長くなってきたのでまた別の機会にでも(笑)。