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ベーズの偶数次倍音を嫌わないで! [ベース]

ジョン・パティトッッチの1stソロ・アルバムに収録の「Baja Bajo」を手掛けていてあらためて細心の注意を払ったのが「偶数次倍音」。

特に、第二次倍音や四次倍音。

ふた昔ほど前、それこそマーカス・ミラーのドンシャリのシャープで艶やかなスラップ音全盛期の時代のベース音というのは「野太い」音系の音はフィンガー・プレイでも迎合されていないようなフシがあって、音程感のハッキリしない指弾きベースの音が横行しておりました。もちろんジェフ・バーリンやら「あの手の音」というのはリア・ピックアップで拾う音或いはブリッジ寄りを弾くことが重要だったワケなんですが、80年代終盤から90年代に入る辺りからスラップの音がもてはやされることがなくなってきたのとほぼ同時期にProToolsが席巻していくという時代を迎えるワケであります。

この頃からベース音は少しずつ輪郭がハッキリしてきて、旧来は嫌悪されていたような帯域も必要とされるようなミックスが増えてきたように思えます。

野太い音で必要なのは第二次倍音を主体とした偶数次倍音だと左近治は思うのでありますが、旧来の音はこの辺りの倍音成分が嫌われていたんですなあ。

この辺りの倍音は弾きムラによって音量差が顕著に表れるため、こういう倍音成分を多く出すベースというのは一時期は敬遠されていたように感じます。プレベの難しさも一つの要因でしょう。少なくともジャズベよりかは偶数次倍音が豊富です。サンダーバードやリッケンバッカーでも似たような傾向にありますね。リッパーとか。

アコベも偶数次倍音が豊富で、倍音の弄り方によってはアコベっぽい音を得ることも可能であります。あくまでも「感じ」ですけどね。

この手の「アク」の強いキャラクターの音だと、ジャズベのドンシャリ・スラップに慣れてしまったような人だと、その音に及び腰になって弱々しい音を弾こうとしてしまう傾向にあるように思え、弾きムラによる音量差を極力抑えようとする心理の表れなのでしょうが、そういう心理は逆にこういうベースには逆効果になります。ガッツンガッツン行ってしまった方が返って音のキャラクターが整うのですからこれまた不思議なモノであります。

リリースはいつになるか判