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Match EQ使ってる!? ~Logic Pro~ [制作裏舞台]

ある音の素材の周波数スペクトラム分布を解析して、他の音に反映させようという狙いを持つLogic Pro内蔵のEQプラグイン「Match EQ」で有りますが、今回はお手軽にエディットできる手順をあらためて明記しておこっかな、と。

Logic Proのバージョン7時代は、某国内代理店のホームページ上でも解説されていましたが今は無し。しかも何故か冗長な解説で(笑)、まるで私のブログのようだ(笑)。

とゆーコトで、少々分かり易く図解で説明していこっかな、と。

Match EQの説明が必要なのか?と思われる方もいるかもしれませんが、7時代においてはLogicのリファレンスマニュアルにもマッチングのための手順は明記されておらず、ようやく8になってから少々追記されているんですけどね、マニュアルでも分かりにくい内容を追記しようと思ったワケですな。

Logic 8ユーザーの方はエフェクトおよび音源マニュアルのP94~95を読んでいただくとして、このページの解説している文章の不備をまず指摘せねばなるまいと思ったワケですな。

まずマニュアル記載の手順は、それまで某代理店がサイト上で説明していた手順とは違う方法だったので(現マニュアルの方が簡単)、混乱しかねない旧ユーザーも存在するのではないかと。

あるオーディオ素材からスペクトラム分布を読み取りたい場合、「TemplateのLearnボタンに、オーディオ素材をドラッグ」するようにマニュアルには記載されているものの、デスクトップや他のFinder上のフォルダとも明記はされていないんですね。もちろんこうすればドラッグ可能なワケですが、オーディオピンやらオーディオリージョンからドラッグできるワケではない(←ココ、重要な改善ポイントだと思われる点)。で、そういう手順の違いによって実行可否が明記されているワケではないんですな。

Capture1.jpg


実際にはバージョン7においても、解析したい元の素材をこうしてドラッグする事で、当時の某サイトのような冗長的な手順を踏むよりも簡単に編集できるワケなんですが、旧UIを知っているユーザーですら混乱しかねないと思ったワケなんですな。

Explain.jpg



まあ、図の方ではドラッグによる手順では、ホール&オーツの「I Can't Go For That」のド頭のOberheim DMXのスネアの音をSoundtrackで切り出している所から始まるワケですが、切り出したからといってこの素材をそのまま使っちまうってェのはマズイというのは誰にでもご理解できると思うので(笑)、この音を解析してマッチングさせちまうぞ、と。こーゆーこってすな。


原曲のド頭のドラムリフから引っ張ってきた素材の音(Soundtrackにて)

DMX_Soundtrack.jpg


先のブログでもDMXについて語ったので、ついでにこういう機会に済ませてしまえ!と思ってですね、NIのKontakt 3に付属してきたDMXの音にマッチングさせたろ、と。

NI Kontakt 3 DMX kitをロードさせた所

kontakt3.jpg


今回のトラック&エフェクトセッティング

TracksSetting_Logic8.jpg



実際にはKontakt 3に付属するDMX kitのE音のスネアのピッチは長三度下げた方が、より原曲に近くなるというコトをTipsとして先に述べておかないといきませんな(笑)。原曲の8分のディレイ音は2500Hzからカットして、下も100Hzから下をカットしたディレイ音にした方がより原曲に近くなるんですけどね。本音を言えば、ココのディレイには名機E-1010が欲しい(笑)。

ま、今回ココで作った音(真似た音)は、他のシーンで使ってみよっと思っている最中なのでありますが、そういや暮れにもホール&オーツの日本でのライヴ(数年前の)の模様が放送されておりましたね。T-Bone Wolk見たさに私は見ていたんですが、やっぱりホール&オーツってT-Boneあっての音だよね!と思いつつ、実に官能的なプレベ・サウンドを披露していたシーンを見ることが出来て、私は良い年を越せたというワケでありました(笑)。







元の音素材のスペクトラム

Captured_Spectrum.jpg




Kontakt 3のDMXのスネアをCurrent Materialとして解析

CurrentMaterial.jpg


マッチングさせた時の周波数レスポンス

Matched.jpg



ベーアンもAmpegだったし、その辺のスタジオに頓挫しているトレース・エリオットやらAcousticやらY社のアンプじゃすぐ歪む(笑)。割れるといいった方がイイでしょうかねえ。ま、ベースの音についてはまた別の機会に語るとして、今回はDMXのスネアの模倣をこうして例に挙げながらMatch EQについても語ってしまうという、一粒で二度オイシイ内容になっております。

DMXや808がヒップホップやらハウスのシーンを作ったと言っても過言ではない、その辺りの音楽ジャンルの黎明期。そういう時に照準をあらためて合わせてアナライズする事で、昇華できるものは多いと思います。実際にはこんなチープな音でも学ぶべきものは幾つもあるワケです。

今回Match EQのドラッグによる解析を説明しましたが、ドラムの単発音素材ならまだしも尺の長い素材はどういう風にテンプレートとして解析されるのかというと、その辺りはMatch EQがうまいこと平均化させたようなスペクトラム分布を自動で処理するそうです。この辺りをマニュアル(手作業)でチマチマと弄りたい場合は、以前の7時代の某社の説明サイトの手順を踏めばイイというワケなんですが、果たしてどちらが手っ取り早いかと言えば、試してみればすぐお判りになるのではないか、と。


尚余談ですが、Logic Pro 8のトラブルシューティングに関してはコチラ!
http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=305927