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ハモンドB-3を語ってみる [クロスオーバー]

普段はデジタルな話題になりがちだったので、今回はオルガン、と。半拍半フレーズの16分音符3つ分の音価に4つや5つとかの音詰め込んで不思議な連符を「勢い」で弾いたりとかですね、そういったプレイというのは他の楽器から見て非常に参考になる部分があるんですね。それを右手と左手で別のリズムをこれまた「勢い」で弾く、と。例えば左手は2拍3連のアクセントで4連(つまり1拍6連の4つフレーズ)刻みながら右手で16分音符かき鳴らし、とか。

こういうプレイを肌で覚えると、「幻想即興曲」のタイム感がようやく体得できたりとか色んなメリットがあるワケですね。

そういったプレイ的な側面とは別に、レスリースピーカーのもたらす音色変化やパーカッションスイッチを入れて少しだけアタッキーにした音を少しディストーション系で歪ませてみたりとか(笑)。

僅かに歪んでくれる(ひずみ)B-3の音ってこれまた心地良いモノがあったりするんですな。オルガンという楽器ではあるものの、音色面においては実に多様的なワケで、特に60年代の音源とかはハモンドによる「シンセサイズ」とでも形容しましょうか、そういった音を作って、まだまだ身近ではなかったシンセサイザーを充分に代用されていたワケであります。

今回は、あなくろ本舗にてGentle Giantのアルバム「Interview」収録の同名タイトル『Interview』のブリッジ部をきらびやかなシンセの音を混ぜてリリースしているのでありますが、ジェントル・ジャイアントのケリー・ミネアーは結構B-3のパーカッションスイッチのみの音色を多用するんですね。つまり、エレピっぽい音を得ているというワケであります。

ハモンドをしゃぶり尽くしているようなタイプのプレイヤーなら大概はそういう音も使うワケでありますが、あまりにハモンド漬けにシフトされてしまっているプレイヤーはそんな音の時にエレピっぽいフレーズはあまり弾かないコトが多かったりもするんですな(笑)。

ところがケリー・ミネアーやパトリック・モラツはチト違う。エレピっぽいセンスを存分に堪能できるタイプのプレイヤーなんですね。

PFM(Premiata Forneria Marconi)を聴いたって確かにパーカッションスイッチは使っても、それはやっぱり「オルガン」的なプレー。そういうタイプの音やフレーズもアリではあるんですが、プレイの多様性とヴォイシングの使い分けというのが先のお二人はさりげなく巧いんですね。

ソフト音源にて色々リリースされているB-3系の音源ですが、パーカッションスイッチオンリーの音色となると、まだまだ本物ほどの多様性に乏しいというのが左近治の印象でして、そんな中今回私がリリーした曲はLogic Pro内蔵の音源にてどうにか混ぜている、というワケであります(笑)。

パーカッションスイッチを巧みに使ってエレピっぽく弾いているという名曲はですね

Proclamation / Gentle Giant
Interview / Gentle Giant
Kabala / Patrick Moraz

辺りがオススメですね。特にパトリック・モラツの「Kabala」はプログレやロック畑にカテゴライズするには勿体無いほどのクロスオーバー・サウンドを構築しております(笑)。

とまあ、そんな一方で悟生楽横町の方では何故か「モグタン」関連のBGMをリリースしている左近治なんですが(笑)、こういう飛び道具系も久々リリースしないとなあ、と思いましてですね、これまたモンドなラインナップとなっているワケでありますね、ハイ。


左近治にとってモグタンとは結構縁深いと言いますか(笑)、当時のKクリのオーディションで私が応募したのは他でもない、「まんがはじめて物語」のオープニングテーマである「不思議な旅」のパーカッシヴなアレンジで応募したという経緯があるんで、そういう意味で縁深いというワケであります。

今回のモグタンのBGMは、いわゆる実写からアニメに切り替わる時の呪文ですね(笑)。モグタンが真ん丸になって宇宙を縦横無尽にバウンドしてる時の(笑)。たまたまムーグ系の音を作っていた時に思い付いたので作っちゃったんですけどね(笑)。正直、工数「1」です(笑)。着うたファイルコンバートの作業を除けば10分要していません。

でもですね、これだけ手を掛けなくても、原曲が素朴でありながら「効果」を的確に得ている楽曲(BGM)というのは、訴求力に衰えというものは感じないモンなんです。手間暇掛ける掛けないで語るモノではなく、それだけ元の曲がキャッチーだというコトなんです(笑)。

オルガンのパーカッションスイッチやら、シンセの素朴な音など。楽器の個性をそのまま最大限に活かして効果的な音を作りだすということは、趣きが全く異なる音楽であっても、音に対する魅力というのを実感しているからこそ具現化されているというワケで、ひとつの楽器に対して弄り倒すとでもいいましょうか、そういう追究を垣間見ることが出来るのが音楽の奥深い部分であります。