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Logic8でRhodesサウンドメイキング [クロスオーバー]

まあ、のっけからブライトなRhodesの音を用いたサンプルを提示してみたワケでありますが、Logic8からChannel EQのQ幅特性がかなり変更されて色々と選択可能になったので、かなり音作りに役立てることとなったワケであります。



Logic内蔵のエレピEVP-88は物理モデルタイプのエレピ音源でありまして、フィジカル・モデリングという処理によって色んなキャラクターのエレピを発音させているのですが、従来はエグみのある中域ふくよかなセッティングが多かったものの、この手のブライトなトーンの音はEVP単体の「クセ」を熟知した上でEQのセッティングもなかなか1つでは得られなかったりした左近治でありました。

まあ、今回Logic8の地味ではあるものの、EQとコンプ類はサイドチェーン応答特性も含めてかなりオイシイ内容になっているので、ここぞとばかりにブライト系のローズサウンドを作ってみたというワケであります。

MP3で使用した他のアンサンブルはApple Loopを加工したものです。

例えばバスドラはゲートとサイドチェーンを使って少々デッドに仕上げていますが、バスドラのこの手の音の場合、左近治は、最低域にピークを作った帯域から1オクターブ+完全五度から2オクターブ上の帯域を狭いQ幅でカッとすることがキモなんですな。

例えば60Hzの2オクターブ上は240Hzというように。

こうすると太さがありながらもタイトに引き締まって前に出てくれる音になるワケで、少々中音域付近の分布が多いローズの音をうまい事馴染ませつつ、高域のブライトな音に彩りを添えようという狙いでこういう音にしてみたんですな。

ややもするとシンセのフィルタードシーケンスは不要だったかも、と思うのでありますが、まあ、オケが貧弱になるよりかはマシだろ、と思いましてですね(笑)。


EQ4EVP.jpg

肝心のローズセッティングは上記の画像の通りですな。

コーラスではなくてフランジャーを使っているのは、フィードバックがあるかないかの辺りで、逆相で特定の周波数帯域が相殺してくれることを狙ってマイナス値のフィードバック量を与えております。こうすることでコーラスのデチューンによってブライトな成分をやたらと強調しかねない音を抑えつつ、ドライ時の音とキャラクターが大きく変貌を遂げないようにしているセッティングなのであります。

ひとつ注意なのは、96kHzサンプルレート周波数のセッティングで語っているので、44.1kHzで制作している人は同じセッティングであってもこの周波数レスポンスは得られないので注意が必要です。まあ、どことなく似るという風にはなるでしょうが、中低域辺りが相対的にブーミーな感じになると思います。

で、EVP側でベースのEQはカットしているのに、後段のEQで再び持ち上げているのは、これこそが物理モデルの「クセ」でありまして、プラマイゼロ的なEQとは全く異なるからこそ、敢えてこうしているというワケであります。

物理モデルが故に、こうした前段のクセと後段処理の妙味が活きる、というワケです。




視聴曲補足
ええと、またまた老婆心ムキ出しで視聴曲のコード進行をとりあえず載せておこうかな、と。まあ、語る必要もないかとは思うんですが念のため(笑)。

Cm9(11)→A♭M9(#11,13) on B♭→G♭M7(#11,13)→BM7(9,#11)

とまあ、こんな感じですか。2つ目のコードは2ndベースにしてるんでアッパーのコードに耳持ってかれないよう注意が必要ですよ(笑)。まあ、エンディングのアレンジとかに使える便利な、ひとつのモチーフに対してリハーモナイズさせていく、と。

最後のコードをですね、メジャー7thでサークルof 5thでパラレルモーションさせずにですね、A7(9,#11,13)としちゃうと、坂本龍一の『きみについて』系になります(笑)。つまるところ、想定される5度進行と同じ構成音をアッパーに持つ7thコードに行かせちゃうというやり方ですな。まあ、色んな遊び方ができるってェもんですな。

そうそう。坂本龍一の『きみについて』もきちんと制作中ですので(笑)。リリースされた時には記念に、イントロのPluck系サウンドをSculptureで模倣した音色データでも披露してみましょうかね、と。