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国内商慣習と音楽産業界と [たわごと♪]

Logic Studioの価格大崩壊ともいえる、従来の価格や旧LogicやNortatorユーザーから見れば、それはもう非常に低価格なワケでして(笑)。でも、この価格は日本国内での標準的な視点だからこそ「大崩壊」に映るんですが、諸外国から見れば日本国内のような驚きはそれほどでもないかもしれません。

Logicに限らず、他社のDAWソフトの多くは400~500ドル辺りの価格帯が多く、Macには非対応のソフトも概ねそれくらいの価格帯でリリースされている、と。

メーカーサイドからすれば、それらの小売価格よりも遥かに安い価格で卸しているワケですから、メーカーからすればその後利用者からアップグレード料金として200ドル前後をさらに払うことで、500ドル相当の小売価格商品を売ったのと等しいワケですね。

国内商慣習だと、卸業者は商社系を思わせるほどの価格を付けたりします(笑)。まあ、最近ではやたらと高くしただけでは売れない事情もあるのか、一昔前に比べればそれほど多くの利幅は得ていないかもしれませんが、卸業者や小売店の利幅が膨らむことによって小売価格がどんどん高くなってしまうのは、日本国内における輸入商品の多くの欠点でもありますね(笑)。

250ドル程度のソフトが日本では8万円だったりとか(笑)、場合によっては翻訳版のマニュアルの製本やら装丁、サポートにコスト分上乗せ(+粗利)などで500ドル前後のモノが雄に15~20万円くらいしちゃったり(笑)、そんなモノもありました。

楽器関連メーカーが家電業界にも手を広げてしまったことで招いた、旧来の専門店での価格下落による粗利益確保が暴落したことにより疲弊化してしまったんですなあ。CDや書籍のように再販制度で保護されているわけでもない。多くの楽器を在庫しているワケでもないのに、絞り込んだ楽器関連商品の家電業界の圧倒的な回転率の前に取引額は増え、専門店よりも強固な関係を築いてしまったんですが、その家電&楽器の先駆けでもあった某社が秋葉原から姿を消すというのは、隔世の感がありますなあ。

旧来の専門店からの突き上げもあって、多くの楽器類はオープンプライスとなってある一定の「予定調和」の売価によって販売されるようになりました。この予定調和もメーカーが強いたり、深く介入してしまえばモロに公取違反なんですが(笑)、満ち足りるだけの粗利を確保するためにはある程度の介入も許容せざるを得ない背景もあるでしょうし、それ以上に価格下落三昧の価格崩壊は、楽器業界は誰も望んではいないでしょう。

そういった中、ここ数年はようやく楽器業界もある程度は粗利を確保できるように推移しているとは思うんですが、あまりに顧客を見下したような販売価格にしてしまうと今度は消費が鈍化してしまうわけですな。

一昔、ふた昔前くらいのバブルな楽器店では、陳列されている電気楽器はすべて通電されていてすぐに音が出るようなディスプレイだったのが、今や展示してはいてもビニールに被せられたり、チマチマ接続したりしながら試奏するような楽器店も増えました。不動産を所有している楽器店というのはそういう展示関連には結構痒いところに手が届く的な展示をしているところが多いように思えますな。

例えば、展示品を安く買い叩く!とか(笑)。顧客サイドとしてはなるべく通電していないものをめざとく見つけて交渉するってぇのもアリかもしれませんね。多くの展示品は、その取扱メーカー(問屋)との取引実績が良好なら、展示品に関しては、展示していない在庫商品もよりも安い卸値だったりします。

または特定商品は取引実績によって他社よりも安かったりなど色々あると思うんですが、それくらいの「実績」がある場合は、各商品の売価に反映されるよりもその企業全体の株主への配当金やら人件費やらに還元している場合が多いので、消費者にすぐ還元されるというのは結構少ないものなんですな。

ある商品で、○○楽器ではよく見かけるメーカーなのに、××楽器じゃ店の規模としては同じくらいなのに全然陳列されていなかったりなど感じたことはありませんか?特にギター関連に多いですよね。こういうのは特定メーカーとの実績を確保した上で、他社より有利な「おつきあい」(つまりリベート欲しさ)をする上で必要な取引なワケで、中には店員レベルで見れば陳列させたくなくても扱わなくてはならない商品もあるとは思うんですね(笑)。

高額な商品とかだとお店が備品として償却するための策として展示しているものもあるでしょうし、それを「展示品だから安くしろ!」と言っても無理だと思います(笑)。

で、秋葉原という街は消費者的な視点で見ると結構融通が利くんですが、この街のお店は町全体が「組合」を組織していましてですね、メーカーに対してかなり強い発言力を持ってます。企業全体での売上がナンボという考え方が色濃いため、ある商品は実際には原価割れして売っても、他の売った商品で粗利確保しているからオッケー!的な売り方が存在します。

とはいえ、今はどんな商品も薄利の時代。たかだか数万円程度の商品の粗利額なんて先述の通り。そんなところに「値引きしてくれ!」なんて押しかけてもこのご時世、そうそう応じてはもらえないとも思います(笑)。

トコトン値引きにこだわりたい時は、ある程度まとめ買いできる時にもちかけてみると、消費者サイドとしてイイことあるかもしれません(笑)。