SSブログ

APOGEE DuetとRhodes聴き比べ詳細 [クロスオーバー]

APOGEEから面白そうなものがリリースされたようですね。『Duet』というバスパワー駆動のオーディオインターフェース。
Apogee-duet.jpg


スペックを見ると24ビット96kHzが最高で、72dBのゲインを確保するプリアンプ、と。Maestroが付属しているようですがUV-22HRに対応しているかどうかは明記されておりませんな。これで495ドルなら充分欲しくなってしまうアイテムですなコレは。

さてさて、先日のRhodesエレピのデモの件『Rhodesエレピ聴き比べ』について述べてみまひょ、と。

全部で5種類のエレピを使ってみたんですけどね、左近治がKクリの着うたの方で過去にリリースしてきたエレピとは正直いずれも違うんですよ(笑)。

みなさんはどういうタイプのエレピが好きだったでしょうか!?高域部の澄み渡った音を欲しがる人も多いとは思うんですが、ローズというのはどういう風にEQ施したりして相対的に高域がリッチな音にさせたとしてもですね、ミドルがふくよかに出ていないと、ただでさえ倍音が豊富ではない音なのでミドルが少ないと倍音が立たないんですな。

ハイをブーストするもよし、相対的に低域をカットするもよし、場合によってはコーラスのセッティングの位相差で生まれる高域が干渉して強調されることで得られるリッチな高域というセッティングも可能であるものの、倍音を立たせる為に必要なコトは、ミドルレンジが太くないとダメなんですな。これはローズに限らずどんな楽器にも言えると思います。狙った音が結局その帯域をカットするとしても。

ベースでもスラップでハイが強調された音というのは、元からドンシャリじゃ弄りようが無いんですね。いやらしい位にズ太いミドルを備えてくれている生の方が色々弄りやすいんです。

とゆーワケで、ローズのデモはですねある程度ミドルがしっかりしてコシのあるタイプを選んでみたつもりですけど、打鍵をとにかく強く弾いてローズ特有のブーミーな飽和感というエグい音にしてまでは弾いてません(笑)。音叉を思いっきり叩いて飽和するようなああいう感じですか。ローズ好きな人って高域の音もそうですが、この特有のエグい飽和感を好む人が圧倒的ではないかと思うんですが、私の演奏はさておき、今回デモで使用したローズはいずれもそういうブーミーな飽和感は得られます。

ではローズのデモの1フレーズ目。

これはNative InstrumentsのElektric Piano1.5のAuthenticシリーズとして新たに加わったパッチのMK-Iですね。パラメータで用意されている「ROOM」はかなり絞りましたけど箱鳴り感と特有のショート・アンビエンスは付加されています。その後Metric HaloのDSPの方のコンプとEQを足しています。



次は2フレーズ目。

これはScarbeeのC.E.P.の8ベロシティ版ですね。Kontakt内蔵のChorusを使ってMetric HaloのNative版のChannel Stripを噛ませています。



3フレーズ目。

これはRolandのS-760用のサンプルライブラリ「Keyboards of the 60’s & 70’s Vol.2」のSuitcaseのパッチをKontaktで読ませたものですね。このライブラリは10年以上前は実は結構重宝しましてですね(笑)、その後MK-80を手に入れたり、VOCEのelectric piano+を手に入れたりもした時期があったんですけど、軽量でブーミーな感じが結構好きでしたね。このデモでは低域が軽く聞こえていますけど(笑)、上記のプラグイン類とは違うモノを通しているためこうなっているという。思えばVOCEのハーフラックのアレはRhodesというよりもウーリッツァーの方が得意なキャラクターでしたけどね。ただ、このRolandのサンプルの難点は、当時私が一番愛用していたS-3200XLで32MB搭載して(最大)いたという時代。今を思えばこれだけ軽量でそれほど多くのマルチサンプルは組まれていないのでどうにかこうにかループを巧く使っているという。故にループの使い回し的な音はどうしてもディケイからサステイン部にかけてが少々PCMシンセ系になりがちで、サステインも離鍵するまでが平滑なデジピのようなエンベロープ。そういう意味では長い白玉だと不自然さが今だと顕著に感じてしまいますかねえ。個人的には結構当時はお気に入りの音だったんですけどね。


4フレーズ目。

こちらはLogic ProのEVP-88の「Stage MK-I」をアレコレ弄って、MatchEQを通している点が顕著でしょうか。MatchEQのカーブイミュレートは私がアレコレ無い知恵使って某ローズの音をエミュレートしたものを使用(笑)。



5フレーズ目。

他の音よりもトレモロが顕著ですが(笑)、これもLogic ProのEVP-88です。「Attack Piano」を使用しております。EVP-88におけるAttack Pianoは個人的には結構好きなんですが、EVP-88の弱点は、高域のベルの音がどうしても不足気味というか。ただ、中域から低域にかけては私はかなり好きな方で、ハウス系でどうしてもハイの利いた音が欲しい場合は、細めのQでオーバーシュートさせて弄ってやらないとなかなか出てくれない頑固者プラグインでもあります(笑)。

とりあえず今回はこの辺で。