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Oberheim Bassを聴いてみる [制作裏舞台]

さてさて、先日語った「Be My Love」でのOBベースについてさらに掘り下げてみまひょか。

まずはサンプルの方から



ま、OBベースとローズの音によるサンプルですな。

ちなみにローズの方は、以前RolandさんがリリースしていたS-760用の『Keyboards of the 60’s & 70’s Vol.2』収録のSuitcaseの音ですね。

このローズの音を今回選んだのは、視聴用サンプルですので気軽に作ったので軽い容量のモノを選んだという理由(笑)に加え、このサンプルシリーズのSuitcaseの中低域は、ローズ特有のブーミーで飽和感のあるエグみ感タップリの音だから使ったワケであります(笑)。

肝心のOBベースの方は、Be My Loveで使う音よりも少々EQでファットな音にしておりまして、ポコ感よりも低域が増して、どちらかというとミニムーグ系になっちゃってますが(笑)、生のOBサウンドをそう易々と視聴用に使うと、本番のリリース用への魅力を欠いてしまいかねないので(笑)、わざとこうしたというワケです(笑)。我ながらいけずです。

Be My Loveの原曲の方をご存知の方なら、このベースの方が原曲よりも太いのが判ってもらえると思うんですが、わざと太くしたのは先述の理由だけではなく、アンプ感のあるふくよかなEQの重要性もこの際述べてしまおうという意図もあってこーゆー風にしてみたんですな。

同じようなベースの音をムーグで作ってみて、双方のEQカーブを比較しながら音作りをしています。Match EQやQ-Cloneを使えば確かに双方の差異を埋めることは可能ですが、今回はそういう畳み込み技術を使ったイミュレートはしておらず、あくまでもアンプ感のあるEQを狙うための音作りなのでした。

「アンプ感」というのは、手っ取り早く言えば、低域のキワはブーミーで、それこそ中域から広めのQでオーバーシュートしていて、限界域でスパッ!と切れるというようなカーブ。

低域と高域でのオーバーシュートされてスパッ!と切ったカーブ。これが重要で、しかもこれがエレクトリック・ベースの場合、奏法がフィンガーだろうがスラップだろうが両方にマッチング可能なファットな「アンプ感」のカーブを作らなければなりません。

そうして音作りをするEQカーブを、少々軽めでポコ感のあるOBベースに通してみたのが今回のサンプルというわけであります。

アンプ感を感じさせるEQは中低域がキモで、今回のEQカーブで一番ピークのある帯域より1オクターブ高い方へピークをずらして低域をカットすると、今度はこのカーブはフレットレスベースに活かすことが可能になります。そのフレットレスサウンドは初期ウェザーのジャコの音ではなく、デ・モインのおしゃれ賭博師が収録されているジョニ・ミッチェルの「ミンガス」のアルバム風のジャコのフレットレス・サウンドのEQです。

で、このフレットレス・ベース用のEQカーブにQ幅の狭いピークを中低域にふたコブらくだ風に作ると、今度はチャップマン・スティックに応用できるんですな。このスティックの音は、トニー・レヴィンが参加するステップス・アヘッドの「N・Y・C」や、ABWHで聴ける、ノン・フェイザーのエグいスティックの音を再現させる音に近付くことが可能なのであります。

シンベからエレベ、果てはフレットレスやらスティック、と。

私のEQ哲学はこうして一本の線で出来ております(笑)。

ま、いずれにしても応用はいくらでも利かせられるんで、時には大胆にEQを弄るコツを会得するとイイことあるぞ、と(笑)。