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近況アレコレ [サウンド解析]

テレビメディアのコンテンツを色々振り返るとですね、CM音楽やらドラマ主題歌などは左近治にとって興味深いものはそれほど多く感じなかったというのが正直な感想で、例えば2007年の上半期として振り返った場合CMコンテンツでは、昨年の新垣結衣出演のポッキーのような訴求力のあるCMコンテンツはまだ登場していないと思います。

着メロ・着うたに適するコンテンツだけとして判断しているのではないのであるんですが、最近の薄型テレビのスピーカーは、指向性がキツイものが多くて、例えばワイドに拡散させたとしても、テレビの裏側には回折も少ないようなデッドなものが多く、あるものはリフレクションを利用して位相角をずらしていたりなど、結構工夫しているようです。とはいえCMのステレオ放送で、ワイドにパンを振っている音楽ソースの多くは、その音楽の持つ魅力が最大限に活かされていないように感じますね。

ホームシアターなどにこだわって5.1chなど従来の2chステレオではない環境にてテレビを視聴する方の方がある意味恩恵を受けるかもしれません。とはいえ元ソースはサラウンド形式ではないんですが、2ch再生で最近の薄型テレビの多くのスピーカーは、MSデコード的な視点で見ると、パノラマがワイドな音楽ソースは通常のリスニング環境において希薄な音になりがちで、これが視聴者にどのように伝わっているかということを制作サイドは再び考える必要があるのではないかと左近治は思います。

2ch再生を前提として薄型テレビを視聴する場合、テレビ側が備えている擬似サラウンドの機能をオンにして視聴した方が、音ソースの忠実度やバランスはともかく、パノラマ状況を隈なく再生してくれるので、元ソースを注力して聴きたい人はこういう機能を使い分けることで、CM音楽や番組内のSEのこだわりが判りやすくなるのかもしれませんが、これについては各人様々なのでなんとも言えませんけどね、総じて言えることは、最近の薄型テレビの内蔵スピーカーの性格を把握していないと、音楽がまともに聴こえてこないよ、と。

場合によっては左右の位相変えただけのソースを含むミックスがある場合だと、パノラマ情報をナローレンジにして再生した日にゃあ、音が消えてしまうんですよね。
場合によっては、制作時のサンプルレートの500分の1前後でサンプルディレイで位相合わせをしているようなものだと、このサンプルのズレにマッチする周波数(計算は各自でお願いします)が相殺されて消えかねません。

結局は今の世の中、CRTから薄型テレビの変遷期に登場しているハードの物理的な側面が、音楽の持つ魅力を半減させてしまっているような気がします。

というより、テレビコンテンツにおいてはそれほどワイドにパノラマ振らない方が功を奏する時代なのかもしれません(笑)。音楽番組は別として。こういうことは携帯端末でも抱える問題でもあるんですが、難しい側面でもあるんですよ。