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変拍子系の曲 [制作裏舞台]

ドラムンベースやら少し前のジャングル系の音楽のそれは、BPMを倍化させることで、本来のフレーズが持っていた音価に対して違ったシンコペートされたリズムに感じることが最大の魅力ですね。もちろんその特化したジャンルにはそれ相応の「音」に仕上げることも必要なワケですが(笑)。

または、元々速いBPMや速い音価によって構築されたパラディドル・フレーズをより鮮明に判別させるためにテンポを半分にして、スローでダーティーなエレクトロ感を演出することもあるワケです。

そのようにビートを加工しようがしまいが、音楽というのはとかくリズム部においては強拍と弱拍を人間がそのまま感じるアクセントではなく、1拍半フレーズやら半拍半フレーズやらパラディドルなどで巧みに演出しているワケでありますな。

判りやすく言えば、リンゴ・スターのドラムリフは、そういったパラディドル・フレーズのテンポを半分にして8ビートに当てはめたりすることで、通常の曲にある2・4拍目にスネアがないという奇異感のあるリフを作り出すことができるワケですね。

ボンゾ(ジョン・ボーナム)にもこういう視点のセンスを感じますし、YMOの高橋幸宏にもそういう部分を感じます。サイモン・フィリップスもこういうのは巧いですが、常人では理解できないほどの倍テン化とかあったり(笑)、カリウタ先生にもこういう妙味を感じるワケですが、リフとして強固に構築するという嗜好性をビンビン感じるのは、やはりリンゴ・スターなのではないかと思うワケですね。

4拍子の曲に違ったアクセントを刻むことで興味深いリフを作るのはそれはそれで魅力なんですが、人間というのはただ単に倍テン化させずに、その1.5倍くらいのテンポアップによるフレーズで楽しもうとするのか、BPM=120を基準とするなら、その1.5倍前後のテンポと、そのテンポアップ後の半分のテンポでビートチェンジしたりなど。ロックなどに限らず、テクノやフロアシーンでも散々使われているテクニックですね(笑)。

ジェントル・ジャイアントなどこういうのを使い分ける最右翼のバンドでして、彼らの場合そこに変拍子も加わる、と。これをもっと特化させるとザッパとか(笑)。

4拍子の拍であっても奇異感を生じるフレーズなのだから、その流れに沿った産物として生まれる変拍子は実に「自然」で、通常の会話のリズムに近くなるんですね。ただ、日本語の場合は拍子の概念は常に決まっていて、拍内に色んな連符を埋めるような感じなので、英語圏のリズムとはまた少し違うような気もしますが(笑)。

つまり、4拍子ですらアクセントの配置によっては奇異感を演出させられるわけですから、そこに変拍子を織り交ぜても、よっぽど不自然でない限りは返って自然に聴こえることもある、と。ゆえに、以前にHatfied and The NorthのMumpsの時語った「鼻歌感覚」の変拍子というのはこういう表現によるものだったワケです。

自然な変拍子、それを色々探してみて思い付いたのが、Basiaの『An Olive Tree』。まあ、この曲が収録されているアルバム『Sweetest Illusion』は名アルバムのひとつでもあるんで、他にも採り上げたい曲満載なんですけどね、思い立ったが吉日、とばかりに手掛けることにしました(笑)。


YMOを基軸にしてしまっているような方は、バーシアのそのアルバムから、坂本龍一の「Sweet Illusion」を連想してしまうかもしれませんが(笑)、たぶん、坂本龍一やらを好きな人はバーシアとか持ってたりするんじゃないかなーと思いながら、作ることにしちゃったというワケです(笑)。

ホントは「Sweet Illusion」の着うたも2年前のKクリ着うた開始時に既に完成していたんですけど、原曲のまんまアレンジなのでチョットつまらなくなってしまって頓挫しているという(笑)。もうちっとヒネリが必要だろ、と思いつつ、思い起こせば2年経過しているという(笑)。