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Sculptureをいじっていると [サウンド解析]

Logic Proに内蔵されている物理モデルのソフトウェア・シンセサイザーである「Sculpture」ですが、これは本当に良く出来ているというか、人によってはSculptureを使いたいがためにLogic Proを新たに買ったという人も左近治の周辺におります。

音のキャラクターはまさに唯一無二というか、オケに入っても存在感があって、非常に「立つ」んですね。ひとたび聴けばすぐにそれと判る音。

加えて、パラメータも非常に細かく、エディット心をくすぐってくれるアイテムなんですけどね、私左近治はですね、まあ安直ではありますがスティックの音をSculptureで作ったりしてるんですね。チャップマン・スティックの音。

スティックの「あの感じ」と言っても色々エグ味が違うので、チマチマとパラメータ変えてみては色んなスティックの音を作ったりしてるんですけどね、先ほど何を血迷ったか意図しないパラメータをあれこれ変わっていることに気付いて、その「奇妙な」音のエンベロープのサステインを調整してみたら、ある音ソックリの音が出来ちゃったんで急遽その曲を作ることにしたんですね(笑)。まだ完成していませんが。

その曲は、坂本龍一の『きみについて』のイントロの音です。ショート・ディケイのアレ。

そういやこんな曲あったなあと、当時は家族や親戚にまで保険加入させて(笑)非売品のレコードをゲット出来たモンですが、「きみについて」欲しさにゲットしてみたら、意外とB面収録の「夜のガスパール」の方を気に入ってしまったという思い出があります(笑)。夜のガスパールは既に着うたリリースしておりますけどね。

当時は貴重だったそういう曲も今ではすっかり忘れていたのでありますが、音がたまたま似ていたため折角だからと思って作ろうと奮い立ちました(笑)。

似てる、似てないなどと騒ぎ立ててみてもですね、ふと振り返ればおよそ四半世紀前のシンセ音を作ろうとしているワケですからね(笑)。テクノロジーは日々進化しているからこそ、今ではお茶の間レベルでDAW扱えるわけですが、ただ単に似ているだけで一喜一憂しているようでは音楽を聴くという部分においてもっと成長しないといけないなあ、と自責の念にとらわれながらも「どうせだから作っちゃえ!」という安直な考えに開き直れてしまうのが左近治流(笑)。

ホンモノと遜色のない位似ているというワケでもないですし(笑)、今ならヘタすりゃ、あの部分の一音ずつサンプリングしてしまった方が似せるよりよっぽど手間がかかりませんが、コレをやっちゃうと着うたとしてリリースできないのは、著作権(原盤権)に抵触してしまうということはお判りいただけると思います。

ゆえに、「似せる」ワケなんですね。似せるじゃなくて「ニセ」でも通用してしまうのがこの世界でもあるんですけどね(笑)。

「きみについて」の音に対して驚くのではなく、Sculptureの応用範囲の広さにあらためて驚いてしまったワケなんですね。

ここ1~2年くらいのテレビドラマのBGMやらジングルやらCMにもSculptureのソレではないかと思う音は沢山使われていますし、まあ、早い話がそれだけキャラクター的に確立してしまっているわけでありますな。

テレビのジングルやらSE系で他に顕著なのがREAKTORのデフォルトのアンサンブルとして用意されている「Gauger」でしょうかね。コレも唯一無二の本当に音が立つキャラクターですが、結構頻繁に耳にしますね。これらの音の特徴は、どんなに手を施しても「それ」だと判るくらいキャラクターが強いんですね。決して音があまり変わらないのではなくて(笑)。空気感やらでも判るくらい強いキャラクターですね。ケータイで鳴らしてもその音は死にませんからねえ(笑)。

ただ、端末によっては低ビットレートにせざるを得ないものもあるので、そういう端末上で再生する時は概ね高域の周波数が大幅にカットされるんで、ヘタにそれらの音の立つシンセの音をLPF噛ませなかったりすると、着うた用ファイルにコンバートさせる際に途端にエイリアス・ノイズだらけになることもあるんで注意が必要なんですね。コンバート側でも内部でLPF噛ませている筈なんですけどね、レンジが広かったりその帯域の周波数が多かったりするソースだと低ビットレートにするとエイリアス・ノイズはかなり顕著になるんで、それらの音を使わない時も結構注意しております。