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プレベについてアレコレ [ベース]

プレシジョン・ベース(Precision Bass)。よく「ぷれじしょん」とか間違って呼ぶ人が多いベースですが(笑)、最近になって非常に物欲をそそられるのがこの「プレベ」なんですわ。

プレベはネック寄りの1ピックアップ(厳密に言うと高音グループと低音グループの対)なんで、弦の振幅が物理的に稼げるワケで、ジャズベースと違って弦振動がゼロになる所にポールピースが配置されるのも特徴です。まあ、そんなこと言えばスティングレイもそうなんですけど、スティングレイと比較するとプレベの方がアタッキーであって少々モコモコ感がある、と。

で、プレベはとにかく演奏者を選ぶというか、弦の弾き具合でかなり音色の変わり具合が大きいんで、弾きムラが即音色に反映してしまうんで操るのはエレキベースの中でもかなり難しいと思います。

ジャズベースだとタッチの繊細感は伝えやすいものの、音色はそれほど大きく変化するワケじゃあないし、スティングレイも弾きムラで結構音が変わるタイプであるものの、変化してくれるスレッショルドみたいな所が結構高い所にあるという表現が相応しいかな、プレベと比較すると扱いやすいワケです。

プレベのそんなジャジャ馬要素を巧みに操るのが秀でたプレイヤーとなるワケですが、最近のようにデジタルでのやり取りが標準化して、それらの周辺機器の音質もかなり向上してきた中で、プレベの持つ音のキャラクターがですね、バンド・アンサンブルとしてのオケを作り出すのに結構貢献してくれるような、そういうシーンで妙にプレベの音がマッチすると思えるようになってきたんですよ。

プレベの芯が高域から低域までガツンとあって、少々ミドルを下げても骨っぽさを失わない、ギラつき感は少なく、その一方でモコモコしているワケでもないetc

演奏者の腕にもよるワケですが、プレベの音というのは最近よくあるアンサンブルのミックスには結構持って来いのベースになってきたのではないかと思っているワケです。存在感が一際違うというか。

プレベの音というと左近治にとって代表的なのがウィル・リーですね。まあ初期のティム・ボガートも挙げることができますが、音として好きなのはウィル・リーのPB時代ですね。ブレッカー・ブラザーズとかが代表的ですね。

ウィル・リーの音で好きな曲を挙げると、

『A Creature of Many Faces / The Brecker Brothers / (same)』
『Night Flight / The Brecker Brothers / Back To Back』
『First Class Vagabond / Hiram Bullock / First Class Vagabond』
『Double Steal / Fuse One / Fuse』
『Dizzy / Spyro Gyra / Carnaval』

こんな感じでしょうか。正直、ブレッカー・ブラザーズのベースはマーカス・ミラーも何曲か参加していたりしますが、やっぱりウィル・リーの方がカッコイイです。コードチェンジが多くて、曲の調性が希薄或いはモードチェンジが激しい曲だとマーカス・ミラーはその辺が苦手というか、一発モノじゃないとマーカス・ミラーは映えないというか(笑)。

ハナシを戻してウィル・リーですが、Heavy Metal Be-Bopではない方の(あっちはニール・ジェイソンですけどね)『Squids』(=「Don't Stop the Music」収録の方)だと、たぶんアレはプレベの音じゃないとおぼしきモノがあったりもするので注意が必要です(笑)。あっちのSquidsはたぶんYAMAHA BBのリア・ピックアップの音じゃないかとおぼしきベースも使ってたりするんでウィル・リーは侮れません(笑)。BBのリア・ピックアップの音ってかなり「ブチブチ」するんで(笑)、あの音っぽいなあと思ったりするワケです(笑)。

よく鳴ってくれるプレベに出会うことも大切で(笑)、セッティングのよろしくないプレベだと、変にアタッキーになるだけで、他の音はモコモコするだけで、一番気持ちイイ中域のゴツいsustainfulサウンドが乏しくなるんで注意なんですが、実は多くのプレベは結構セッティング悪かったりします(笑)。良いコンディションのプレベを探すのは結構大変ですよ。とゆーか、音色がすぐに反映されるので、他のベースよりもある意味においてベースの個体差を一番知りやすいベースでもありますね。

今回はこの辺で。