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Santa Rosaにみるシャッフル感覚 [AOR]

ようやくジノ・ヴァネリの『Santa Rosa』が完成したワケですが(リリースはまだです)、左近治は少々手を施した部分があって、手元に話題がそれほどないのでリリースを前に少しだけ制作裏舞台とやらを語ろうと思った次第であります。

今回のブログタイトルの「シャッフルの妙味」とは!?

一体何を意味するのかと言いますとですね、シャッフルのグルーヴの実際とシーケンサーによるグリッド感覚をいかにして符合させるのか、というコトが命題となるワケです。

しかしながらサンタ・ローザは全然シャッフルの曲じゃあありません(笑)。

今回左近治が手を施したという部分はですね、サンタ・ローザの4度のパラレル・モーションの部分です。

ハチロク(8分の6拍子)になる部分ですが、ノリ的にこの曲はハチロクよりも16分音符5つ分の「16分の25拍子」にした方が左近治的にはかなり好きなビート(笑)なので、今回そういうアレ
ンジを施したというワケです。

16分音符5つ分を1拍として、合計5拍。まあ、下記の画像でも参考にしてもらえたらな、と(笑)。


左近治がイメージしているその奇妙なビートをですね、分かりやすく日本語を当てはめてみました(笑)。上段がカリウタ師匠、下段がベースパートをイメージしております(笑)。

16分音符5つ分をそのまま当てはめると、実際のハチロクフレーズと違って音を割愛するか、もしくは16分音符5つ分の音価を6個に細分化したりなど色々方法があるんですが、左近治はテンポを多少揺らしつつも、あからさまに16分音符5つ分をハチロクのノリにまでテンポチェンジを均してしまうと面白くないので(笑)、左近治がイメージする16分の5拍子系フレーズにそのまま編集したというワケです。

ここまで16分音符5つ分にこだわると、通常は「1拍5連」っぽく聴こえるワケですが、前後の小節のグルーヴやら流れを意識しながらハチロクっぽい16分の5拍子系を演出したというワケです。


「変なのばっかり聴いているからとうとう左近治はアタマがイカれてしまったのか!?」(笑)。

いえいえ、別にそういうワケではありません(笑)。


5つフレーズの面白さを演出したかったんですね。1拍に詰め込めばもちろん1拍5連。実は5連符はシャッフルにも相性のイイ連符だったりします。

シャッフルというのは、四分音符=480の分解能で表すと、各拍のケツの音は「320」になりますが、実際のシャッフルというのはこんなにカッチリとケツの音は320の部分には置かれておりません。

左近治の好きなシャッフルの曲の1つ、BB&Aの「Livin' Alone」を例に挙げると、本テーマ部のティム・ボガートのシャッフルは、かなりケツを強調していますけど、コレ、シーケンサー的に見るとですね、これだけ強調されていても「320」よりもっと前にあるんですね。

大体280~290くらい。大半のシャッフル曲もこの辺りに推移するのではないかと。3連符をそのまま弾く場合は違いますけどね。

細野晴臣のYMO以前のソロ・アルバム『泰安洋行』収録の『蝶々san』の林立夫のドラムをご存知の方は是非参考にしていただきたいんですけどね、この曲の8ビートとシャッフルの中間のような不思議なイナタい土着グルーヴのシャッフル感のケツは大体「275」付近です。

8ビートの「240」にかなり近いのに、これだけシャッフルに近い感じに聴かせられるのは、前後の音のアクセント(音量)も貢献しているワケです。


ハチロク、というのは言い換えればシャッフル感覚に似ております。ハチロクは2拍子系でして、そこが3拍子(ワルツ系)との明確の違いでもあるんですが、ワルツのテンポを速めると人間はそれを2拍子系に結局認識してしまうんですね。以前にも語りましたけど、リズムの楽理の基本ですね。

2拍子系に変異して、それのテンポやアクセントも変われば結局シャッフル系に推移します。

人間の感覚というのはそれらの感覚をスムーズに受容しているというワケで、さらに3連符は5連符と相性もイイというワケで、私はサンタ・ローザのパラレル・モーションのブリッジ部を16分の25拍子で作ったワケであります。そんなに違和感無いと思うんですけどね。5つ系の方が曲に合うような気がするんですけどね。カリウタ師匠もよ~く5連符やら10連符使ったりするんで、そういうのもあって試したというワケです。

santa_rosa.jpg