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Logic Pro - Busルーティングと残響分離感アレコレ [DAW]

なにもLogic Proに限ったことではないんですが、DAWアプリケーションによるMix作業をする時に欠かせないのがBus(バス)トラックの扱い。

バスやらAUXやら色々名前が付いておりますが、平たく言やぁ、これらは今更言うまでもなく信号経路をパラってやるってコトなワケでして、Busトラックには概ねリバーブなどの残響をアサインするワケですね(当たり前ですが)。

楽曲全体にリバーブを掛けたい場合、マスター出力にリバーブのプラグインをアサインしてしまうという暴挙に出る方は非常に稀有(笑)だと思うんですが、バストラックにリバーブを割り当てておいて、各トラックのSend量で残響付加具合をいじって、全体的に残響がかかる、と。

こうすることで、同じリバーブを共有しながら各トラックの残響具合を個々にいじることができて、さらには、各トラックに同じリバーブのプラグインを1つずつアサインしてしまうという暴挙に出なくても宜しいワケでございますな(笑)。

しかしですね、リバーブを各トラックにアサインする、というようなシーンが「×」というワケでもないんですよね。暴挙でもなんでもないんです。

例えばですね

●直接音→リバーブかける前
●間接音→リバーブが足された音

という風に大別するとですね、各トラックのインプットにリバーブをアサインした時(i)、Busトラックにリバーブをアサインしてセンド量で調節した時(ii)という場合で次のような違いがあるのは既にみなさんもお判りだと思います。

(i)・・・直接音のPanを振ると、間接音の定位も追従する
(ii)・・・直接音のPanを振ると、間接音の定位は動かない

こーゆーワケでありまして、例えばギターの音を右一杯にパンを振ったとして、Busにアサインされたリバーブ(Busはステレオでセンター定位と仮定)に残響を足すとですね、残響音は右はもちろん、本来直接音が定位していない方向からも残響が聞こえることになります。

それが意図したミックスならイイんですけど、シチュエーションよっては左から残響音が聞こえるのは良しとしても、左から聞こえてくる残響音は少なくとももう少し遅延させたいなど、あるいは左からの残響音は全く要らないというケースも考えられるワケですね。

安直なBusトラック残響アサインだと、アンサンブルが増えるごとに残響音が増えることになるんで、直接音のパンニングを緻密に弄っても、リバーブ部の音の物理量が増えてくると共にステレオ感すら失いかねなくなってしまうんですね。

もちろん、最近ではステレオイメージをハナから想定したステレオのリバーブ処理をするプラグインも珍しくはありませんが、あらかじめそういうリバーブがステレオ処理してくれるからといって、前述のような、直接音と間接音が違う方向から鳴ってしまう場合の遅延のタイミングはどのトラックにも一定(バスにアサインしたリバーブが1つとして共有している場合と仮定)なワケで、コレが以前にも話したステレオ感の演出の難しい部分でもあるんですね。


あらためて考えてみると、残響音を付加させるシチュエーションは大別すると下記のようになりますね。

●各トラックインプットにアサインのいわゆる『掛け録り』
●Busトラックアサインの残響(間接音のパンニングは直接音に追従しない)
●双方のイイトコ取り

こんな感じですか。

最後の項目の双方のイイトコ取りをLogic Proで活用するために色々書いてみまひょか(笑)。


では、早速(笑)。


★Bus1を追加・・・トラックはステレオ、出力は「無し」、Panはセンター

★Bus3を追加・・・トラックはステレオ、出力はマスターOUT、Panはセンター、付加させたいリバーブ・プラグインはココにアサイン

★AUX3を追加・・・トラックはmono、入力はBus1、出力は無し、Panは左一杯に振る、SendをBus3へ

★AUX4を追加・・・トラックはmono、入力はBus2、出力は無し、Panは右一杯に振る、SendをBus4へ


これらの設定はAutoload用のファイルとして保管するのもイイかもしれませんね。

で、オーディオトラックやソフトシンセのようなインストゥルメント類のトラックの「Send」はどういう割り当てをすればよいのかというとですね、フツーにBusトラックにアサインされたリバーブを付け足したい場合(※残響音という間接音が直接音のパンニングに追従しないタイプ)を付加させたい時は、Bus3-4にステレオで送ってやるワケです。

もう一方で、残響音という間接音を直接音のパンニングに追従させたい場合は、トラックSendをmonoにして、左に間接音も振りたい場合は、直接音となるトラックのSendをステレオでSend1-2に送って、Busルーティング側のフェーダーを増減してやります。
つまり、Bus1ステレオはフツーにリバーブを掛けたい時の迂回路として、その他のルーティングが左右独立の残響付加のための経路という風にしているのですな。

こうするコトで、イイ所取りMixを行うコトが可能になります(笑)。まあ、わざわざ言うコトでもないんですが、意外に知らない人もいらっしゃるんで書いてみようかな、と(笑)。

ま、これらを弄くりまくっても肝心の音の良さの追究というのはまた別のフェーズにあるワケでして(笑)、難しい所は他にも山積、と(笑)。一応、着うただからって手ェ抜いてるワケじゃないんだぞ、と(笑)。そーゆー部分が伝わればイイかなーと思ってですね(笑)。


そうそう、今回取り上げたセッティングはですね、Logic Proの環境設定で『ユニバーサルトラックモード』を有効にしちゃってると、こーゆールーティングがうまくいきませんのでソコは注意点です。左近治の言った通りにやってもうまくいかないぞ!と思わないでくださいね(笑)。