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クロスオーバー・サウンドとやらを [クロスオーバー]

 語ります(笑)。

 左近治にとってのクロスオーバー・サウンドとは!?どこら辺がフュージョンでどこら辺がクロスオーバーなのか。境界線というのは意外に曖昧なモノですが、左近治の定義するクロスオーバーは調性が希薄。コレに尽きます(笑)。調性がキッカリとあってメロディ重視!というのは「フュージョン」と定義してます(笑)。

 耳が肥えてくるであろう大学生時代(当時)、彼らの洒落た音楽(インスト物)というのがクロスオーバーやらフュージョンだったワケですよ。大学生ブランドというのが崇高な時代ですね。概ね1977~1979年辺りがいわゆる「フュージョンブーム」だったかと思います。その当時左近治は小学生ですが(笑)、早熟左近治は「キャンパス・ライフ(←死語)」というものに憧れ、いち早く成人しないものかと急いてですね、喫煙やら似合いもしない服着込んでいたりしていたモノです。

 大学生がブランド化していたのは、やはり学生運動後に大学生としての地位をより強固にした上で、その基盤でゆったりとした時を満喫する、という時代に推移したからでしょうな。あらゆるメディアも日進月歩で進化しているという時代。「ふぞろいの林檎たち」辺りまでが大学生ブランドの華やかな時代だったのではないかと。

 ま、そんな大学生ブランドも「おニャン子」によって駆逐され、敢え無く低年齢化して高校生が主役になっていくのでありました。

 おニャン子の番組内BGMでも、パラシュート(松原正樹や今剛が在籍していたバンド)の「Hercules」とかがかかっていて、その当時でもどこか「フュージョン」は引きずっていたんですね(※番組内で故逸見政孝氏がニュースを読むコーナーでかかっていたバージョンはパラシュートのバージョンではなく「Guitar Kids Vol.1」収録のバージョン)



 暮れだか今年の正月辺りだったか、BS FUJIで「クロスオーバー・ジャパン」なるモノを放映していたんですが、私が言うのもなんですが、殆どの人、腕が落ちましたね。こう言ってはなんですが。

 モニターはヒビノさんだったと記憶していますが、あのハコでモニターしづらそうな気配が感じ取れたワケですが、中音(周波数帯じゃないですよ)デカくしないようにすればイイのに、などと思ったり。それにしてもみんなバンドアンサンブルでやる時間無いのかなーなどと思ってしまいました。アレに金出して見に行った人が哀れな内容でしたね。

 セールスが比較的期待できた国内のフュージョン系バンドのそれは、もはやインプロヴィゼイションなど無いに等しく、計算された世界を演出するならそれこそカンタベリー系を彷彿とさせる骨太なクロスオーバー・サウンドで繰り広げてもらいたいもんだよなぁーなどと思っていたりしていたモノでした。みなさん本当はやりたいんでしょうけどね。

 アドリブだけで世界を股にかけてメシ食える人って国内じゃ本当に少ないワケで、日本人に合っているいわゆるそっち系の音はカンタベリー系などにヒントがあるのではないかと思うんですよ。

 しかし、計算され尽くすほどのコード・プログレッションでアレンジすれば、ソロ取る時のモード・チェンジが大変で手グセがジャマして音外しかねない(笑)。そういうジレンマが生じるワケですが、コード・プログレッションやリフの構築をとことん追及していたのが実はカシオペアではないかと左近治は思っております。カンタベリー系でもなんでも無いですが、コード・プログレッションの飽くなき欲求という志向性はビンビン感じ取れましたね。富田恵一やスティーリー・ダンにもそういう気概を感じるワケでして。

 ポピュラー音楽との融合やら歌伴やら劇伴に巧く採り入れていたのが大野雄二辺りでしょうかね。この方のコード・プログレッションのこだわりと万人が受け入れやすいようなツボを心得ている人ですよね。余談ですが、左近治は坂本龍一と大野雄二は実は似た位相に位置するものと思っております(笑)。坂本龍一から電子楽器奪えば、あまり隔たりはないんじゃないかと。


※2018年11月23日補足  先日、松原正樹の別バージョンである「Hercules」をYouTubeで見つけたので、この機会に動画リンクを貼って補足しておく事にしました。当時の『夕やけニャンニャン』番組内にて故逸見政孝氏がニュースを読むコーナーでBGMで能く流れていたのが、パラシュートでの物ではない松原正樹名義での「Hercules」でありました。

 そのバージョンは懐かしSEE・SAWレーベルからリリースされていた『GUITAR KIDS.1』(品番C28R0095)に収録されていた物で、アルバムには他に鳥山雄二、横内建亨(TENSAW)、松浦由寛(TWIST)等のオムニバス・アルバムとしてリリースされていた物です。

 「Hercules」のパーソネルは以下の通り。

G:松原正樹
Bs:美久月千晴
Ds:島村英二
Key:佐藤準
Perc:斎藤ノブ

 余談ではありますが佐藤準は嘗て、細野晴臣がYMOの構想を立てていた頃のキーボードの候補として名が挙がっていたという逸話は有名。