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HDオーディオについて [たわごと♪]

先の『味楽る!ミミカ』でカマトト声(←死語)ボーカルについてチト語りましたが、そういや今は無きフェアチャイルドのYOUとか代名詞だったなあと感慨深げ(笑)。ピッチエフェクトという加工を施さない部類で見れば、近年だと川本真琴辺りが最右翼!?待てよ!?意外に椎名林檎もそうかもしれない・・・。

まあ、椎名林檎の場合は色んな声を使い分けているんでしょうが、そういえば彼女はつい先日HDオーディオ版で音楽配信を試みているようで。24bit/96kHzですね。

アナウンスを見ると、CDを四畳半。今回のフォーマット彼女は9畳という風に表現していますが、キャッチーに伝わりやすく表現したんでしょうね。実際には13.99畳ほどありまして、ほぼ14畳ってコトですね(笑)。そのまた倍の192kHzだと28畳、と。

つまりどーゆーコトかというと、CD1枚丸々のデータが700MBと仮定するとですね、その3.1倍強のデータサイズになるんです。24bit/96kHzの場合。コレ、普段左近治が着うた制作環境でのフォーマットなんです。

どうせ圧縮させてしまうのに、なんでそんなにデカいファイル扱ってやるのか!?
どうせ着うただろ!?

なんて声、よく私の周囲でも耳にします(笑)。

たかが着うた、されど着うたなんですよ。元から良い音で作っているとやはり圧縮時の音も如実に違います。圧縮前(ダウンコンバート前も含)のエフェクトプラグインの効果も全然違いますしね。コレについては以前にもチラッと語ったことがありますが。

着うた制作以外でのメリットですと、例えばアナログレコードからの録音。

細心の注意を払ってレコード盤面を管理していても、かなりキレイな状態でもプチノイズなんてたまーに出現したりするんですが、少なくともサンプルレートは88.2kHz以上で録音した方が、スパイクノイズ除去などのアルゴリズムが呼応性が高まって実にイイ効果を生み出します。44.1kHzのまま録音してなかなか消えないようなスパイクノイズでもかなり結果が違うモノです。

サンプルレート周波数を倍にしてあげただけでも、音質面でももちろん、制作面でも如実に違う効果を思い知ることが出来るワケですが、SACD(DSDフォーマット)だと1ビットではあるものの、44.1kHzの64倍あるワケですよ。

そんなに要らないだろ!?と思うかもしれませんが、64倍なんてオクターブ換算だと6オクターブです。つまり61鍵キーボードの音域みたいなモンですな。

視覚の世界に置き換えれば、低音域は赤色、高い音域は青とか。そんな感じですか。

それを音に再度置き換えると、サンプルレート周波数が上がれば確かに赤色の解像度は向上するワケですな。青や紫よりも恩恵を受けるワケで。ただ、視覚なんて耳の10~12オクターブほどの帯域を持ってませんけどね(笑)。可視光なんて長9度程度のレンジの狭さですよ。1.1オクターブくらい。

聴覚って、そう考えるとかな~り広いレンジなんだな~と痛感してしまうワケですが、そんなに広いレンジが必要なのか?とよく議論の対象にもなったりしますよね。特にオーディオ界隈などでは。正直言って、必要です。マジで。

10kHz前後を基音に持つ音の2次倍音すら曖昧になってしまいかねないCDフォーマットのデジタルという世界。低音域が恩恵受けているような解像度を高音域でも達成するためには、やはり数オクターブの累乗が必要でしょう。

但し、そういう理屈で言うと、CDフォーマットの44.1kHzの64倍どころか256倍くらい必要になっちゃいますけどね(笑)。こうなると、機器的には電磁波遮蔽しなきゃいけなくなって、物理的な音声信号にはD-A変換時に200kHzあたりにLPF噛ませないといけなくなるかもしれませんね。


ハナシを戻して、つまり、オクターブという尺度でモノ見れば、64倍という累乗も、実は結構現実に即した数値なんですな。通常、ピアノとて88鍵、7オクターブ以上ありますからね。ベーゼンドルファーじゃ8オクターブなんてェのもありますが。スティーリー・ダンのお二方がこよなく愛したピアノがベーゼンドルファーでしたね、そう言えば。

現在の左近治のメイン機であるG5 Quadですが、よく周囲から「電気喰らいなんだろ!?」なんてよく訊かれるんですが、そうでも無いようです。24bit/96kHz位では静かに稼動してます。コレが数時間もあるような動画をH.264コンバートとなると、途端に性格豹変しますけど(笑)。

容量の大きい音声ファイルを扱ってサンプラーに取り込んで、それを何十トラックとやると悲鳴を上げるのはメモリですか。CPUでもHDDでもなく。まあそれなりの設定は色々弄っても、最初に悲鳴を上げるのは概ねメモリなんですね。

とはいえ、重いソフトシンセやプラグインを多数使えばCPUも悲鳴を上げます(笑)。その点、Logic Pro 7.2.3というのは実によく粘るというか、重い処理になればなるほど上手く分散処理してくれて結構粘ります(笑)。Intel Mac導入は左近治は来年と決めているので(笑)、それまではコレで頑張ってもらわないと。

着うたという、数十~数百キロバイトのサイズにしかならないモノでも、制作時はかなりの容量使っているワケでありますが、最終的な形が着うたとはいえ、製作段階から着うたと同じような音質で制作してりゃあ、そりゃあ処理こそは超軽いでしょうが音質は、かなりヒドイものになってしまうのは明白です(笑)。制作段階で高音質にしてそれの恩恵が手に取るように分かるからこそ、険しい道を選ぶんですな(笑)。

ただ、レンジが拡大しただけで全てがイイ音になるというワケでもないのが音作りの面白さでもあり奥深さでもあるんですけどね。ただひとつ言えることは、製作段階でCDフォーマットという環境にはもう戻れません(笑)。