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PSEをもう一度考える [クダ巻き]

1年前のPSE問題は結構著名な方が動いてくれたことで、いわゆる「ヴィンテージ機器」は現世に生き残ることができたワケでありますが、実はここでホッと一息というワケにはいきそうもないというのが左近治のホンネなんです。

PSE問題の先にある部分がそれほどクローズアップされなかったこともあって、消費者サイドから見た「輸入機器」への目利きが必要なんですよ、実は。

左近治は、先ごろNAMMショーで発表されたRhodes MK7の発売を心待ちにしております。実際の鍵盤のタッチやら箱鳴り感はどうなんだ!?と思う所はあるものの、MK-80よりも遥かに「ローズ」してるでしょうから間違いなく買うと思うんですよね(笑)。

ただひとつ心配しているのがMK7の電源。

ま、つまり米国仕様の117V電圧なのではないかと思っているんですな。スペックの詳細が不明なためどうなるか分からないんですが、出来ることならマイクのようなファンタム電源方式にして電圧を落としてその後直流方式にしてくれたりの方が音質面で電圧の差異が少なく駆動してくれるのではないかと思っているワケですが、交流電圧のままだと日本の場合PSEに伴う検査を経なければならないため、ココがキモとなるんですな。

まあ多くの輸入音響機器の場合、日本仕様の電源で代理店がトランス交換しているのか!?というとそういうのは少ないのが現実で、「100Vでも駆動して検査して大丈夫だったよ!」というのが多いワケです。

トランス交換してまでとなると、実際にはそれに伴う回路の設計すら見直すことにもなりかねないこともあるワケで、実際には許容量の間でチマチマと駆動させているというモノも多いワケですな。

問題はですね、トランス交換や回路設計部分におけるモディファイなどの技術や製造技術を持たない代理店でもPSEの合否検査は行える、と。検査やってみて通れば「合格」なのが実際なので、輸入機器の代理店が果たしてトランス交換をしてみて音質を損なうことなくモディファイした製品であるのか(実際にはほとんど無い)、ただ単に許容範囲内で駆動させて問題なかった!ということを消費者が見極めなければならないのでありますな。

音質に関わる重要なコトなんですが、わざわざこういう所を謳い文句にする代理店は少なく、実際には現地での電圧方式で駆動させた方が良い結果を得ることがほとんどなワケですね。

つまり、MK7の電源はどうなっているのか!?と。それが気がかりなんですよ。

途中でインバーターやらを介在させているのであれば、電圧で音質が大きく変化することは少ないでしょうが、どういう風にするのか非常に興味深い点であります。

まんま交流電源だと、直輸入の方が魅力的に思えたりするワケですね。

従来のローズを考えれば、プリアンプ部はエレキギター的な発想とフォトカプラー的なアナクロな要素の方で音質キャラクターを付加させている面が大きいので、交流117V電源をそのまま使うことはないだろーなーと思っているんですが、この辺りはちょっと注意したいですね。

万が一その回路部の製造がUSではなく第三国だったりするとこれが少々不安になったりするんですよ。

PSEの狙いとは、消費者の安全な電気機器の取り扱いだけではなく、多くの機器は先進国のブランドであっても製造しているのは人件費の安く済む国だったりするワケでして、その粗悪な製造に安全性と高い基準値をもってして対処しようとするというのも狙いだったようです。

つい数年前も自作PC用のマザーボードの粗悪コンデンサの流通などありましたよね。つまり、検査としてはオッケーであっても耐久面での信頼性が乏しい、と。

特に日本は湿度が高い国なので、ベンチレータも付いているようですがそういう面からも耐久性があってほしいんですよね。トーンバーが湿度の高い空気に触れて疲弊してしまう音になるのは当然起こり得るワケですからね。トーンバーが大丈夫であっても特殊な回路が後になって入手できなかったり、壊れやすかったりするとなるとこりゃ大変!なワケです。まあ、回路そのものはエレキギターに毛が生えた程度だと思いますけれど(笑)。MIDIとかUSBが付いているんでその辺りのメンテナンスのしやすさが結構気になるんですね。

最も気になるのは鍵盤のタッチなんですけどね(笑)。あの独特の沈み込むというか「落ちる」ようなストロークの鍵盤タッチ。YouTubeを見る限りだと、落ちる感じというか沈み込む軽い感じは継承されているようですね。信号入出力や電源関係も多くを継承しているような感じではあるんですが、本当に待ち遠しい楽器ですねコレは。

楽器への魅力はさておき、やはり心配なのは国内代理店の対応。コレに尽きますね。PSEに対応できないようでは流通させてはならんのですから、現行法では。

国内の家庭用の電圧は100Vか200Vなワケですが、例えば昇圧トランスとかありますよね。こうやって電圧弄って使っても法律上は問題無いの?という疑問が湧くワケですが、そのトランスを作ってる所が検査して流通させて使っているので何も問題はないそうです。

タコ足してたりして線材に負荷かけたり、コンセント周りのホコリなどが原因で火災が起きればそれは製造者ではなく使用者の責任になるのはもちろんですよね。火災保険でも過失割合を弾き出されるハズですし、隣の家まで燃やした日にゃあハナシにならんワケでありまして(笑)、それで死傷者出てしまうと大変なコトになるんですな(笑)。

100Vの電圧でも感電して死ぬ時は死ぬ、とその手の関係者から聞いたコトがあった左近治ですが、左近治は「ウソだろぉ~」とタカをくくっていたコトがあったんですね。

で、ラックのパワーディストリビューターに可動式のタップを付けてベースアンプやらエフェクター繋いでたりしてスタジオに入っていたんですが、狭い所に置いてた10Uラックの一番上にパワーディストリビューターを設置してたんですけど、その前面につながったタップをひょんなコトから足が触れた時に動いてしまったんですね。その時にタップがメリメリと壊れてしまったんですよ。コンセントの入り口が結構窮屈な頑丈な造りだったんで。

その瞬間、タップが火花を上げてショートしてしまってですね、一旦電源が落ちてしまったんですわ。もちろんパワーディストリビューターのヒューズは飛んでしまったんですけどね。

ヒューズが入ってなかったら他の機械、全部ダメにしてたでしょうね。それどころかあの火花に触れたら「死ぬ」というコトもあながちウソではないな、と実感したコトがありました。

私の親戚は、とある片田舎の河辺でクレーン作業してたら誤って電線引っ掛けて、電線と電柱を川になぎ落としてしまって一帯を停電させてしまったという猛者が居ますが(笑)、6000Vで感電したお魚さん達はさぞかし驚かれただろうと思います(笑)。東京じゃあ、そんなんで送電線ひっかけてインフラがストップしてしまった事件が昨年ありましたが(笑)、人口が少ない所で良かったね、と(笑)。