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耳コピの重要性 [ネタバレ]

着メロだろうが着うただろうが、制作するにあたって兎にも角にも重要なのが「耳コピ」。原曲をいちいち聴かなくとも記憶を辿って作ることができる曲もあれば、符割がべらぼうに細かい音符を聴き取らなければならないシーンあるいは高度で複雑な和声(ハーモニー構造)を聴き取らなければならないシーンなど色々なシチュエーションがあるワケですね。

和声構造など簡単なものなら今ではある程度解析できるソフトもフリーウェアであったりもしますが、スティーリー・ダンや坂本龍一のElastic DummyまたはUKのDanger Moneyのド頭コードなど難しいコードを底意地の悪い左近治は試してみましたが、きちんと解析はできません(笑)。K社の出している有料ソフトもそこまでは無理です。

細分化された速弾き系の符割などは、ピッチはそのままにスピードだけ落とすエフェクトを必要としたり、あるいはサンプラーに取り込んだりしたりする方が楽だったりするシチュエーションなど様々です。

さらには元ソースのセンターカットやらボーカルキャンセルあるいは特定周波数帯域をカットして耳コピしたりするなど、私の耳コピの裏舞台はこんな感じです。

着メロ制作辺りまでは、MIDI編集がキモという部分が重要だったためDigital Performerを使用していたワケですが、着うた制作になってからはよっぽどDPでしか得られないような音にしたくない限りは使わなくなっちゃったんですよ。今やDP5にもバージョンアップしなくなりました(笑)。かれこれ18年くらい使っているのに(笑)。原点回帰というんでしょうか、最初に手に入れたNortatorは今やLogic。それがメインになりましたね。

DPの致命的な点は、オーディオファイルの任意選択範囲の無限ループというのがシーケンス再生(録音含む)とは別に設定できないことですか。スクラブ再生やサンプラーループで回数を与えるということはできてもですね、常に任意の再生範囲を聞きたいということができないんですね。ですから私は着メロ時代においてもPeakなど用いて聴いたりしていたんですが、サンプラーに取り込んで聴きたいというシーンに遭遇するとなると、サンプラーのプラグインが必要なワケですね。DP5じゃようやくサンプラー付けても時既に遅し。

DPというのはMASというのが足枷なのかOS9時代にしろOS Xにしろサードパーティープラグインによって動作が怪しくなります(笑)。それが元で突然落ちることもしばしば。Logic Proのそれとは雲泥の差なんですね。

例えば、ある素材の速弾きフレーズなどはピッチはそのままにテンポを落として再生して耳コピしたい場面とかあるでしょう。そういう必要性のある時は私はAbleton LiveやらLogic Proを使っていたりしたんですね。今でもそうですが。なぜかというとトランジェント・ノイズが極めて少ないからです。SeratoのPitch’n Timeも使ったりしますが、Logic Proの場合は標準で十分で安定していて、動作も軽い、と。

ベース楽器というのはモコモコした音ではない限り、かなり高次倍音を含んでいて、そこには非整数次倍音も混ざっていたりするワケですね。しかしそれらの倍音にもエラーが極力少ない綺麗なピッチエフェクトとして再生してくれるのはLogic ProとLiveなんですね。

DPのそれだといくらMelodyne系のようなものを付けても(性格上、この場合は違うアルゴリズムを使っていると思われる)無理なんですね。

例えば坂本龍一のソロアルバム「千のナイフ」収録の渡辺香津美が参加の「The End of Asia」の1拍12連符や64分音符の嵐のギター・ソロや、Level42のライブアルバム「Physical Presence」収録の「Love Games」の最初のベース・ソロなど、トランジェント・ノイズがほとんどないままテンポを半分、そのまた半分とエディットを繰り返しても、DPじゃギスギスとトランジェント・ノイズだらけになるんです。

一時的にでもサンプラーに取り込みたい、タイムストレッチしたい、ピッチエフェクトをさせたいetcとそれらの要求に対してシーケンス上の時間軸とは別にオーディオベースだけで繰り返し(止めるまで無限)再生させて聴きたいことを満たす、ということがDPでは無理なんですね。MIDI編集においては今でも一番素晴らしくテキパキとこなせるソフトではありますが。

他のDAWアプリケーションは、MIDIがどうのこうのよりも最終的な「オーディオ」を作るということをシームレスに行えるか!?ということに対して操作性やら編集性が優れてきているのに対して、DPはそこから先が実にまどろっこしくなり、完全に詰め込み型にしかなっていないんですね。他のソフト音源との相性然り。

こういうのがまどろっこしくなって私は今現在はDPだけで作るということはなくなりました(笑)。フィルターやディレイとeVerbの独特なエコー感は好きですけどね。ただ、それがあるから使いたいというワケではなく、他のソフトを使いながら彩りを添えたい程度でしかなくなったというのが事実ですか(笑)。Logic Proにおいてもプラグインのパラメータはもっと細かくしてくれよ!と思うこともありますけれど、サードパーティープラグイン使ってもDPでのそれよりも遥かに安定しておりますしね。

MIDI環境を高度に構築していくという点では確かにPerformerやDPは優れていましたが、オーディオベースになった現在においては全てが時代遅れのような感じになっちゃいましたかね。18年使ってきた私の感想です。

まあ、ある意味訣別を予兆していたのかという出来事が振り返ってみるとあったワケですが、昨年の夏、MOTU896がブッ壊れてですね、それで最終的にはオーディオインターフェースも他のを買ったんですね。2台他社のを購入したワケですが。まあ、アレコレ言いたくはないんですけどね。耳コピとは関係無いし(笑)。

コード進行が頻繁に変わったり、符割の細かい音符など必ずしも先述のような作業をして耳コピをしているワケでもないんですが、あまりにも超絶な曲の場合、私はそうして耳コピをする、と。そういうシチュエーションにおいてもシームレスにテキパキこなせる環境が現時点ではDPだとかなり足枷にしかならなくなってしまい、他へ行ってしまったというワケなんです。今のままじゃあ別売のインストゥルメント類全部無料で付けられてもアップグレードしないだろうなと思います、ハイ(笑)。

ちなみに、私はDPを2つ登録していますが誰か要りませんか?(笑)。ユーザー所有権正式に譲渡で(笑)。おヒマな方はこちらのブログorKクリ事務局までご連絡どうぞ(笑)。
私の友人やら後輩やらそいつらの知人も今本当にLogicかLiveかって感じです。