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可聴周波数帯域のおさらい [サウンド解析]

さてさて、ヘッポコ耳は回避できたでしょうか?その前に毛細胞の能力や可聴周波数帯域外の音も実際は毛細胞が捕らえているなんていう事実に懐疑的な方がいらっしゃるのではないかと(笑)。

ではここで左近治がウェーゲルとレインに敬意を表して、似たような実験をして懐疑的な方にも試してもらいましょう!

とりあえず正弦波のPCMファイルを生成しましょうか。17kHzから1000Hz単位で21kHzまで5種類のモノPCMファイルを作りましょうか。ちなみにレベルは-10dB、長さは2秒くらいで十分です。

このテストは調べる方の環境によっては実際に再生すらされないケースも十分考えられるため、少なくともCDフォーマットを超える能力のオーディオインターフェースを持っている方と、再生装置(スピーカー)も、一般的に知られている「可聴周波数帯域」外の再生もクリアしている環境でないと意味はありませんのでご容赦を(笑)。無音だと思ってドデカイ音量で鳴らしてしまってツイーターや耳を壊しても左近治は一切責任は負いません(笑)。ま、普通にやってりゃ致命的なことには遭遇しないでしょう。

じゃあ、Audio Testというフリーウェアで前述のファイルを生成してもらいまひょか。ビットデプスは16だろうが24だろうがお好みで。

ちなみに左近治は24ビット&サンプルレート96kHzにて前述の正弦波のファイルを生成しました。

まあ、これらのファイルは一般的に知られているところの「可聴周波数帯域」を含んではおりますが、16kHzより上の純音は既に聞き取れない方も結構多いと思うので、ファイルを生成してもそれが鳴っているかどうかは分からない人が多いと思うんですね。どうやって確認するの?

じゃあ、とりあえずテストする際は5つのファイルの内から2つ選んで、それぞれの周波数の間隔は必ず1000Hzセパレートしているというルールで選んでみましょうか。

例として、18kHzのファイルを選んだら、17kHzか19kHzを選んでくらはい、という意味です。

DAWソフト上で2つのファイルを別々のトラックで同一時間軸上にペースト。では最初はひとつのファイルだけを再生させて確認してみましょうか。トラックをソロモードにするなり、ミュートするなり、とにかくひとつずつ再生してみてください。たぶん、何も聞こえない人がほとんどだと思います。

じゃあ、次は2つのトラックを鳴らしてみまひょか。もちろんスタートポイントも同一なのは再度確認してみてくださいねー。

さて、以下に挙げるいずれかの結果になりましたか?

1) 思いがけない中音域の正弦波が2秒間聞こえた
2) 一瞬「プチッ」というノイズが聞こえた

いずれも有り得るケースですが、たぶんほとんどの人は2番ではないかと。1番の場合だったら純音を捕らえる極限域がまだまだ高い人でしょう(ほとんどいないと思いますが)。


これは一体何のテストなのか?

これはですね、聞こえないはずの音に毛細胞反応しているという証明なんですね。さらに、結合差音という異なる周波数の振動数の引き算によって確認したテストなんです。

結合差音なら2秒間の引き算によって耳の中で生まれた1000Hzの音が聞こえないといけないのではないか?と、事情を少しご存知の方なら疑問に思うでしょうけど、2秒間鳴り続けていないのがポイントですね。一瞬知覚しても、ソースが純音なんですぐに聞こえなく間引きしているんでしょうな。この間引きにおいては左近治の推測です。ただ、知覚できたということは、確実に極限外の音だと思っていた音に対しても毛細胞が反応しているということが分かれば十分なんです。

結合差音というのがなんで耳の中で生まれるのか?

テレビなどで動いた車の車輪がテレビのフレーム数と微妙に合わない時に逆回転しているように見えたりする経験は誰でもあるでしょう。

それと同じように、振動数の早い方の周波数は遅い方より1000ヘルツ分ずつ周期的に追い越しているワケです。その追い越しの周期が等間隔なのでそのタイミングが別の正弦波のカーブになります。それを音と認識するからでありますな。つまり音の錯覚なんですが、耳が機能しているからこそ生まれる錯覚現象というのが皮肉なものですな(笑)。

まあ、目の錯覚も目が見えてなけりゃ確認しようがない、と。それと同じことで、正常に耳が機能していて、且つ、極限外の音にも毛細胞は反応しているという証明なのです、ハイ。

プチッという、非常に短い時間の音の重要性。これを認識できる喜びと、聞こえているはずの音を聞き逃してしまう一部の人など、色々なケースがあるもんですが、こういうことで初めて気が付いてしまう方は、残念ながら負け組に追い討ちをかけているかもしれません。音楽をもっと深く聞いてもらいたいですなあ。