SSブログ

ピザカッターでも用意してくらはい♪ [楽理]

扨て、前回の続きをば。


ピザ毎日食ってたら、夜毎太る・・・(笑)、とまあプログレネタはこの辺りでグッとこらえて、前回のメロディック・マイナー♭2の続き行きまひょ、と。

ではテトラコルドの方から確認していただくとして、5つの全音と2つの半音の組み合わせから生まれる7音音階とはいえ、なにもココまで!と思う方もいるかもしれませんが(笑)、とりあえずこういう並びになっているということが解ると思います。

Melodic_minor_b2_diatonic_chords-75525.jpg


念のために述べておくと、「W」はホールトーン=全音、「H」はハーフトーン=半音という意味です。

c_merodic_minor_b202.jpg


では、このテトラコルドを円を12等分した円グラフのように見ると、配列はこのようになります。↓

Melodic_minor_circuric.jpg


コレが、今回のブログタイトルにあるように、ピザカッター用意してくださいね♪ってコトだったんです。

まあ、もっと判りやすく言えば、ピザを6等分しましたぞ、と。その内1つはさらに半分に切ってね♪というコトです。

7音から構成される音列というのは、三度の跳躍を含まなければ5つの全音と2つの半音で構成されるワケですから、ある意味ではピザカッターで切ったそれぞれのピースを一旦元に戻して、ピースの配列を変えて円を形成するかのようにパズルの要領でスケールを作れば、従来知ってきている音階を生むことになるワケです。

BTW、今回の例だと、「H」のピースが隣り合わせの配列なので「見慣れない」配列になった、ということであります。


で、今回はこのスケールをメロディック・マイナー♭2と呼んではいるものの、左近治としてはSuper Augmentedとか、そういう名前にしたいんですな(笑)。それはなぜかというと!?

譜例のCメロディック・マイナー♭2ですが、C音以外は全て増四度(=減五度)を持っているという音階なんですな。こりゃあ、ギタリストとか非常にラクに覚えられる音並びかもしれません(笑)。場合によってはモンクとか、そっち方面にす〜ぐ持っていけそうな(笑)。

音階の叙情性的側面で見れば、第4音から始まるモード、すなわち譜例ではFから始まるモードが一番安定した情緒を生むかもしれません。Fから見ればある意味「Fリディアン・オーギュメンテッド♭7th」と呼べなくもないような音並びですね。Fホールトーンに5th音足したとも言えるかもしれませんが(笑)。


チャーチ・モードの世界でも「おや、マイナーかな!?」なんて思わせぶりな音選びしていて、実はフリジアンだった!というワザがあるように、メロディック・マイナーにおいても♭2ndさせるのもアリだと思います。

まあ、ガッツンガッツンにメロディック・マイナー感出すという、例えれば「Cm△7一発!」みたいな、気合いの入った音楽を構築するコトは極めて少ないとは思うんですが(笑)、一応現存する曲で例を挙げれば、メロディック・マイナーのガッツリ系の象徴的な曲はキング・クリムゾンの「Elephant Talk」が好例ですな(笑)。

あの曲はAメロディック・マイナー・モードで、BメロがF#m7という動きをしているんですが、あの手のリフで9th音を半音下げた情緒を得たりするような事もできますし、メロディック・マイナーを変化させた世界というのも実は存在するんですな。

例えば、メロディック・マイナー♭2の第4音から始まるモードは、ドミナント7th上で#11thと♭13を使ったり、ハンガリアン・マイナーをメジャー化して♭7th化するような時とか(笑)、または増六度と長七度を一緒に使うシーンとかに使えたりするワケですな。


チェレプニン・モードについて語っている時にも述べましたが、半音音程の連続した音列に及び腰にならずに積極的に使ってもイイんだぞ、と(笑)。ただし、スケールの羅列程度に覚えることは誰でも可能ですが、ここから音階的な情緒やモードから構築されるダイアトニック・コードを研究して自身のボキャブラリーとして備えるようにすることが難しいのでありまして、奇をてらうようなコード進行導入してまで使うようではまだまだ体得できたとは言えません。

だからこそ、ウォルター・ベッカーのさりげなさというスゴさにあらためて左近治は驚いているのでありまして、ハービー・ハンコック然り、坂本龍一然り、デイヴ・スチュワートやらジョン・スコフィールド、パット・メセニー、トム・シューマンetc


こういう巧みさを平然と、さりげなくやってのける人たちの会得加減というのは凄まじいものがあります。但し、ジョンスコとトム・シューマンはチョットJazz的な使い方が強いですな(笑)。ハービー・ハンコックを敢えて含まないのは、それほど特別だからなんですが(笑)。


まあ、この手の世界はまだまだ語るコトは多いのでネタは尽きないワケでありますが、スケールの羅列程度では到底知る事のできない音楽の情緒性、和声感というものを、現存する曲などを取り上げていきながら分析していければ楽しいかな、と思いましてこのように左近治は述べているだけなんですな。ある意味では着うた制作の「ついで」でもあるんですが(笑)。


ジャズを聴いてりゃあ、この手のコトなんか深く知ることができるワケですよ(笑)。ところがあまりにジャズっぽくしてしまうとイヤだから、そっちは聴かないという人が多いワケですよね。ところが巧く咀嚼して冨田恵一のようにポップス界で巧みな「料理人」が出てくると、ジャズすっ飛ばして冨田恵一スゴイ!という称号を得るワケですな(笑)。冨田氏本人ですら先人となるジャズ界スッ飛ばしてまで和声の巧みなアレンジャーという称号を得ようとはこれっぽっちも思ってはいないでしょう(笑)。

そういう偏狭的に感じてしまう人たちの聴く音楽があまりにも狭くて幼稚だから、その手の形容詞しか生まれないのでありますよ。ましてやこの手の美辞麗句しか浮かばない人が手なずけているようなコード・アレンジなど聴かなくてもタカが知れているようなモンでしょう(笑)。イナタいギターの音すらも知らずにDAWアプリ上でそんな音しか知らないモンだからLove Psychedelico聴いて、ロックの歴史50年をフッ飛ばすかのような賞賛しかできねえよじゃあ情けなくなってくらあな(笑)。別にLove Psychedelicoが悪いんじゃないんですよ。レニクラしか知らないのに60〜70年代語っちゃうとかね(笑)。

ホントはそーゆーヒト達も自身では口に出さないもののコンプレックスの塊なんですよ。でも無精だから一からスタンス変えて気を改めて覚えようともしないんですな、コレが。

そういう輩が少しでも減るように、左近治のブログをキッケケに何か面白いモノを得てくれればなあと思うばかりです。ビルの屋上から飛び降りたいヒトの背中の後押し役とでも言いますか、カロンの渡し守とでも言いましょうか(笑)、そういうのが左近治だと思って頂ければ幸い(不幸!?)ですね、ハイ。