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「sonatine」/ 坂本龍一  アルバム「BTTB」より [YMO関連]

まず始めに語っておかなくてはなりませんが、数多くある坂本龍一関連の楽譜や本人の解説による著書など、私はそれらに目を通しておらずCDだけを頼りにして自分なりの考察となっているところは注意してもらいたい点であります。

それらの著書や楽譜の解説と比較して異なる解釈があるかもしれませんが、それはご容赦ください。

とりあえず今回は懐かしのレトロゲーム風な音によるアレンジにしてリリースすることにしました(笑)。TR-808系の音も混ぜつつ、少々キッズ向け風にしてみたというワケです。私がイメージしていたのは「New Rally-X」みたいな音と言いますか、欲を言えばNew Rally-Xのような排気音を模した音も入れようかと思ったんですが、原曲の旋律が非常に多様なので、せっかくの多調感を汚すのもアレなんで、排気音は入れずにこのようなアレンジに。

この曲の不思議な旋律は、要所要所でチェレプニン・モードにモード・チェンジを行っているからでありまして、それが不思議な旋律となっているものであります。これまでチェレプニン音階について色々語っていたので、この曲についても語ろうかな、と。ついでなので作ってしまったというワケです(笑)。


Bbメジャーから6th音に行って、その後Fチェレプニンのモードスケールへと移行させて6th音へ戻りBb6サウンドに戻る(1-2小節目)。

この時Bbメジャーに再び帰結するものの、VIbに行くような形でGbリディアンに移行。Bbに戻る直前にGbチェレプニンを示唆(3-6小節目)。

この後はBbメジャーからGミクソリディアンを示唆するようになるが、メロディがC音からGb音まで全音階で下降する所はGチェレプニン(7-10小節目)。

Bマイナーの雰囲気を醸し出しつつ、本当はココはBドリアン♭2(Aメロディック・マイナーの第2音のモード)で毒ッ気をまぶす(笑)。半音ぶつけをしているのは確信犯的要素プンプン漂います(11小節目)。

12小節目の1〜3拍目は、Dbリディアン♭7th(Abメロディック・マイナーの第4音のモード)で、和声的にはGb7の5th音オミットにより、上声部の#5th音を使うことで巧みにリディアン・オーギュメンテッドの旋律を活かすことになります。

12小節目の3〜4拍目は、Bbチェレプニンとなるわけですが、上声部だけを見ると12小節目全体は全音音階を弾いているような感覚に陥るワケですが、巧みなモード・チェンジが行われているというワケであります。

そうして5度進行させてFM7に行くわけですが、Fメジャー7thの響きをかき消すように短6度の響きを強固にさせてAマイナーの響きにして、半音下のG#マイナーに解決する、というような動きを見せます。

元々はBbメジャー(変ロ長調)を変奏した旋律であったことから、G#マイナーの平行調であるBメジャー(ロ長調)は半音の関係で関係調としては非常に遠いものでありますが、半音上からBbに解決させるようなIIb→Iを中和させたような音になっております。