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それは、V7/VI♭から始まった [プログレ]

とまあ、いきなりディグリー表記のタイトルにしちまいましたが、先日も渡辺香津美の「Inner Wind」を例に挙げながらこの用法について語ったばかりであります。

左近治のショップではKYLYN Liveでの「Inner Wind」を元に作って数年前にリリースしましたが、2007年アタマ辺りでしたか。着手していた頃を思い起こせばそれから2年経過しているんですな。そうしてマジ曲にウェイトを高めてハットフィールド&ザ・ノースとかジノ・ヴァネリやら作って行ったんでした。

KYLYNというバンドで振り返ると私は意外と多くこれまで扱ったようでして、関連作品では坂本龍一作曲の「I'll Be There」が最初だったと記憶しております。メイン・メロディは如何にも「ムーグ!」ってな音ですね(笑)。

今更ながらネタバラシしちゃいますと、あの音は確かにArturiaのminimoog Vを用いました(笑)。Reaktorでも代用できちゃうような音ではあるんですが、当時あの音を作る時にスムーズに音色制作に入って行けたのは実は他の曲で用いていた楽曲がありましてそれが功を奏したんですな。

その参考になった曲というのがプログレ界隈じゃない人だと知る人は少ないとは思うんですが、参考になったのはギルガメッシュの「One End More」(笑)。フワンフワンしたシンセ・ブラスの方ではない音ですよ!

カンタベリー系やら初期ヴァージン・レーベルに詳しい方やらジャズ・ロック系が好きな方ならご存知とは思うんですが、知名度としてはマイナーな部類ですね(笑)。しかしながら、こうしたマイナーなバンドの曲だろうと役立つことなどかなり多いですし、なにより学ばされることしきり。

KYLYNのアルバムの中では矢野顕子作曲の「Water Ways Flow Backward Again」が好きな左近治でありますが、矢野顕子という人は私からすれば日本のカンタベリー・フォロワー的位置付けの方なんです(笑)。

彼女の名曲のひとつである「電話線」にしても、非常にカンタベリー風に仕上げて、他のアーティストだと如何にも「他所行き」の服来て来ちゃいました風になるのをさらりとこなせるセンス。私はキャラヴァンを投影していたりしたモンでした。

私くらいの年代、或いはもうちょっと上の50年代生まれくらいの人になると、今ではプログレと形容される音楽やジャンルなど無関係に分け隔てなく聴いていた人が普通に存在しておりまして(笑)、キャラヴァンやヘンリー・カウ辺りなどビートルズやツェッペリンを聴くかのように普通に聴いていた人達が多かったということを意味しまして、幸か不幸か私の周囲には近親者や知人も含めて年長者が多かったこともあり、彼らの分け隔てない音楽の聴き方が今でも役立っているコトは確かです。

まあ、そんな連中がひとたび数人集まると、半田健人君数人分じゃ足りない位の話題が炸裂しちゃっているワケなんですが(ルックスに関しては数億分の1に満たない人達)、それらの人達のうるせーグチやクダ巻きというのも結構参考になったりするモンです(笑)。

そーゆー人達(私も含めて)のココん所、共通して話題になっていたのは「こういう今の世の中だからこそカンタベリー系」という所に妙に納得。まだまだ一般的には認知度は高くないし、セールス的にも伸ばせられるであろう分野じゃないか!?というゴリ押し的な意見で一致。確かに私もそっちを飛び越して極端なバイアスを振って選曲していたような向きもある(笑)。

音こそはカンタベリー系ではないものの、作品的にはカンタベリーに寄り添ったであろうジェントル・ジャイアントの「I Lost My Head」の序章部分やらも、左近治は4音の着メロ時代にリリースしたモノですが、その当時から平行して取り上げてみても面白かったのではないかなーと思っております。

自分の極端なマニアック志向が完全に内向きだったのを修正しつつ(笑)、今まで北枕向いてたから北北東辺り向けてみるか!程度に照準を当てている昨今であります(笑)。

カンタベリー・サウンドというのは、難解な曲調であろうともそれを如何に凡人にでも理解ができるくらいに噛み砕いて、時には耳でダマくらかして毒を隠すか!?という所にヒミツがあると思いますので(笑)、左近治もとりあえずエサばらまいているというワケですな(笑)。

ポン引きにダマされてぼったくりに遭ったというのとは違いますが(笑)、コンビニよりも入りやすいのにいつしかドップリとハマって抜け出せずにカタギに戻れないような、そういう世界観を秘めているのもカンタベリー系の奥深さでしょうか(笑)。

従来、着信音を無計画にリリースしていたワケではなく、一応私の中では一本のレールで敷かれている所から段階を追ってリリースしてみたり話題にしてみたりという背景がありまして、カンタベリー系を話題にするのは何もムリヤリ引っ張ってきているワケではないんですな(笑)。

というのも、私がカンタベリー系の音楽によって学ばされたコトというのは、他でもないメロディック・マイナー・モードの巧みな扱い(←それだけではないですけどね)だったので、このようについつい話題にしてしまうのであります。

メロディック・マイナー・モードを扱う際、そのモードを強固に感じさせてくれる和声のひとつにマイナー・メジャー7th系のコードがありますが、コードとしてマイナー・メジャー7thを使うとかなり的が絞られてしまうような難しさがあります。

ところが、他にもメロディック・マイナー・モードを示唆してくれるコードというのはありまして、これまでもウォルター・ベッカー関連で散々述べてきたワケですが、次回はある曲を例に挙げながらメロディック・マイナーのモードの世界を語ろうかな、と思います。