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マイナー・メジャー7thコードが現れる曲 [スティーリー・ダン]

左近治ブログでは、最近ウォルター・ベッカーの楽理面の話題が多いのでありますが、やはり新作がリリースされたコトで私がアツくなっているというのが大きな理由。

以前にも語ったことがあると思いますが、Kクリで着信音をリリースする前に名乗ろうとしていた名前が「増長四七(=ますながよしち)」「いかりや長七」だったということを振り返れば、モンドなラインナップを揃える左近治のショップであろうとも、そこには限りなく和声的に長七の和声やら増四度の和声が聴けるようなモノをラインナップしたいというのが私の思いだったんですな。

特に「長七」の場合、母体となるトライアドがメジャーである必要はなく、必然的にマイナー・メジャー7thコードも含まれる、と。

半音クリシェによる経過的なマイナー・メジャー7th(例:ビートルズのミシェル)に関しては私の場合マイナー・メジャー7thコードの良さを活かしたものではなく、もっと強固にアンサンブル内にドッシリと構えた響きというのが私にとっての重要なマイナー・メジャー7thの響きであります。

そんな特徴的な和声を聴く事の出来る曲を例に挙げてみようかと思ったワケでありますが、ウォルター・ベッカーの作品はあって当然なのでココでは語る必要はないかと思うので、他の曲を例に挙げてみようかな、と。

ドギツイ使い方の例だと

「Diamond Dust」/Jeff Beck
「Us And Them」/Pink Floyd

こういう風な例がありますが、毒ッ気が強いのはいずれの曲もテンポが遅いので余計に毒ッ気が強くなります。こういう和声に慣れていない人はスンナリと受け止める以前に耳が拒否してしまう可能性が高いので(笑)、なかなか最初はその良さに気付かないかもしれません(笑)。しかしながら名曲には違いありません。ただ、マックス・ミドルトンのメロディック・マイナー上の音選びよりもジェフ・ベックの方のフレーズにセンスを感じるところは、カーキチのベック先生おそるべしです(笑)。

もう少し旋律を排除した白玉系の攻め方の和声ならば(←覚えやすい響き)

「Schooldays」/Gentle Giant
「Could It Be You」/Marcus Miller

ジェントル・ジャイアントの方は、名アルバム「Three Friends」に収録されているモノで、曲中盤から終盤にかけての、8分音符5つ分の音価を四分音符にテンポチェンジする部分の最後の方ですね。実に判りやすい例です。

マーカス・ミラーの方は、2コーラスの本テーマが終わってソロが始まる所ですね。ただマーカスのソロのフレーズがイイものではないので(笑)、バックの和声に耳を注力した方がよいかもしれません(笑)。余談ですが、このフレットレスはおそらくフォデラのモナークのフレットレスの音でしょうね。指板のオイシイビビリ感がそんな感じです。音はイイのにフレーズがあんまり(笑)。

「House on the Hill」/Gary Burton & Pat Metheny
「La Rosa」/高橋ユキヒロ(作曲:加藤和彦)
「Incognito」/Spyro Gyra
「Songs and Signs」/Caravan
「Key Breeze」/日野皓正

などと色々あるワケですが、キャラヴァンの「Songs and Signs」は意外に思われるかもしれませんが、この、園児でも口ずさめそうなメロディの中にも毒ッ気はさりげなくちりばめられているのであります(笑)。作り手からすれば、ここまで毒を隠せたら本望とも言えるでしょう。

ま、他にも曲オンリーではなくてアーティストとして顕著なのは、ジョン・スコフィールドやブレッカー・ブラザーズは、メロティック・マイナー・モードの非常に巧みな使い方をする人達として列挙しておきたい方々であります。

キャラヴァンについては後日詳しく語ろうと思うので、今回はこの辺で。