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チェレプニンの音階(3) 〜実践と応用〜 [楽理]

判りやすく、いわゆるE一発系でチェレプニン・スケールを用いた例を挙げてみようと思います。

今回用意したデモの最初の2小節フレーズは、いわゆるソロ楽器を省いたフレーズ。その後の2小節でソロ・フレーズをアコピに取らせてバックのアンサンブルのフレーズは同じまま、という風にして作っております。キーはもちろんE一発。



アコピの1小節目のフレーズはEのコンディミ。すなわちE Combination of Diminishで入ってきて、2小節目にはDチェレプニンを用いています。

2小節目のアコピのD音とエレピのバッキングに用いているC#音とE♭音がぶつかるワケですが、この半音3つのぶつかりを演出するために今回わざわざこうして作ってみました(笑)。

ちなみにDチェレプニンというスケールを用意すると、音列には一切E音は出てきません(笑)。このアコピの2小節目というのはE一発内であっても「ひとりドミナント感」を演出するような時に手っ取り早くDチェレプニンを用いた例であります。

一発系だと概ね4小節目や8小節目やらという、小節の節目節目にメリハリを付けるため自分だけドミナントに行った感じを演出してまた解決する、というフレーズ回しがあると思いますが、E音を音列に含まないDチェレプニンを用いたのはそういう意図があってのことなのであります。

ちなみに1小節目のEコンディミは、そのまま音を半音上げてFコンディミで弾いてもイイと思います。例えばE一発の7〜8小節目というのを想定して、7〜8小節目がドミナント感を得るような時というシチュエーションですな。こういうシチュエーションでFコンディミを想定したとしたら次の小節はDチェレプニンではなく「F#チェレプニン」という風に発想を変えてみると、フレット楽器、特に体系的にスケールを覚えてしまうようなギタリストの方など容易に移行しやすいのではないでしょうか(笑)。実際にはDチェレプニンとF#チェレプニンの音列は全く一緒ですけどね(笑)。

半音上のコンディミというのも実に味わい深いですし、色々と自分で試してみるのも良いのではないかと思います。ハービー・ハンコックっぽいアプローチになると思います。

今回用いた半音がぶつかる所、ここがキモです。これに似た使い方をいずれKクリの方でリリースする予定です。リリース予定の方がより叙情的なんですけどね(笑)。