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ウォルター・ベッカーおさらい [スティーリー・ダン]

え〜と、今回はCマイナー・キーにおける一連のリフにおいて毒ッ気混ぜる使い方で、判りやすく説明してみようかなと思います。

とりあえずはCマイナーというかCドリアンにおけるCm --> F7のツーファイブ系のパターンを使用します。



まあ、こんだけ叙情性タップリだとアタマん中で「Cに行きてぇッ!」とばかりに強調されるでしょうが、それが今回の狙い。これだけ強い叙情性の中なら、多少の毒となる音を使ってもLet it goできちゃうくらいにすりこまれてしまうんですな。

とりあえずはコード進行はというと、

Cm9 --> F7 --> F7(b13) --> Cm9(11) --> F7 --> AdimM7 --> BbmM9 (on Db)

という使い方です。


ウォルター・ベッカーの「Selfish Gene」でも同じコード使いますが、今回の使い方とは少々違います。ただ、そのコードトーンそのものに慣れてほしいといいますか、この手の音に極度の拒絶感を示さないようにするための耐性を身に付けるとでもいいますか(笑)。慣れるには、こういうドン臭い叙情性タップリの曲調において慣れてみてほしいんですな。

因に、AdimM7「Adim△7」とも表記してイイんですが、このコードはF7(#9)のルート省略形と解釈できます。ま、シャープ9thのルート省略はディミニッシュト・メジャー7thになるというのは、ジョン・パティトゥッチの「Baja Bajo」の解説の時にもやったと思いますし、参考までに過去の記事でも読み直していただければ、と思います。

BbmM9 (on Db)は、DbM7 (+5, 13)とも言えるんですが、これは過去にも「Selfish Gene」で触れたように、この表記だと判りづらいと思ってこうしているワケです。

余談ですが、今回用いているローズの音は、スティーリー・ダンの「Deacon Blues」の音を模倣して作った音を用いております。

とまあ、こんな曲調において「あの音」を身近に感じていただいて、特徴的な音を体得していけばいつしかスンナリ身に付いてしまうようになります。F7(b13)を使うことで耳をなじませてもらおうという配慮が実はここにも現れております。