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風が吹けば桶屋がバタフライ効果食らう [たわごと♪]

裏舞台的なコトを申しますと、先ほど3月30日リリース予定の納品を済ませた所なんですね。GWの頃まで作っているんじゃなかったの?とお思いになる方もいらっしゃると思いますが、左近治の手元にそれらの制作完了の曲達があるだけで、出来上がったらホイホイ納品するってぇワケじゃないんですね(笑)。納品からリリースまで多少のタイムラグがあるんで、CMやTVコンテンツなど変化に富むモノにおいては納品時期のタイミングすら変更しかねないコトにも遭遇することがあるのと、そういう変更を「明日リリース日だよ」って時にいきなり変更したら他のスタッフの方々も迷惑しちゃいますよね。そういったワケでこうして一定のルールがあるんですね。

着メロがピークだった数年前、テレビコンテンツの音楽はそれこそ「着メロ型」とも呼べるような着メロ向きのジングルやCM曲が増えたワケで、私もそれらに追従していた時もあったんですが、それ以前のKクリのオーディションの頃やオーディション合格後の初期の頃というのは、テレビコンテンツの類であっても定番だったりキャッチーだったり、あまり広くは知られていないけれども大衆的に認知されている昔のコンテンツだったりを取り上げていたんですよ。

それらのモノはもちろんCM用に作られた楽曲というのもありますが、着メロに向く向かないというコトを計算しているのではなく(古いモノだと着メロという概念すらまだ無い)、CMの尺ありきであっても音楽面で勝負しているというか、作品そのものに訴求力があるからこそ広く認知されてきたという系譜を備えているんですね。

そこで「ポッと出」の着メロ型タイプの楽曲を制作に奔走しても、それらの全てを従来の訴求力のある曲と比較してみると、やはり大半の曲は昔からの定番的なモノより訴求力が希薄なんですよ(失礼)。

CMに出ているタレントの訴求力によって、そこから親しみを覚えて使用されるジングルやらBGMを欲するので、二の次三の次でようやく楽曲を手にしようとするのが多くの利用者の姿なんですね。

左近治はその部分に疲れてしまったんですね(笑)。とにかく自分の面白いモノや作りたいと思うモノしか作らないようにしてみようか、と。そしたら着うた推進のために実際に展開する前に運営スタッフの方々と色々と会合を重ね、今に至るワケですが、やはり私は着うたでやっていく方が可能性を感じるな、と。そう思って今があるんですね、ハイ。

音楽産業界じゃあCDが売れぬと嘆かれています。私が生まれて初めてCDプレーヤーをバイトして買った1985年の頃とCDの価格はどうなったのかというと、寧ろ安くなってるんですよね(笑)。1985年当時だと欲しいアルバムすらCD化されていないような時代。買うと3800円やら3500円、3200円だったりと。CDが爆発的に普及した頃というのは女子高生の間でポケベルがブームになっていた時代の頃なんですね。概ね、今現在30歳前後の人達ですな。

じゃあ、左近治自身は今のCDって安さを感じるのか!?というと、ハッキリ言って高いと思います(笑)。アルバムですよ、アルバムの価格。

CD1枚買うにも金に困っているのではなくて(笑)、価値観ですね、価値観。ここまで衰退してしまったCDにおいて果たして真の大衆性が問えるのか、と。そろそろ再販価格制度の見直しが無いと共倒れになるのではないか、と。ようやく価格が自由化になった頃には音楽そのものの訴求力が失われてしまうようではマズイでしょ、と。

趣味が多様化してはいても、消費者が新しいメディアに次々の金を落としてくれるかというと、そう長続きしないんですよね。新しいメディアの登場で自動的に収入が増えるのなら皆買うでしょうけど(笑)、どこかで出費を抑えなければならないワケで。そういう人達が大多数なワケですね。実際は。

しかし売り手が、新しいメディアの登場によってことごとくそれに便乗して宣伝してきても、他の魅力やら自分自身がチマチマと築き上げてきている趣向に重点を置いているコトに盲目になり、自分さえが甘い汁を吸いたいとばかりに、半ば口八丁手八丁で大袈裟にキーワードをちらつかせ注視させようとしているのが今の世の中なんですな。

HTMLヘッダにいくらタグ付けても、引っ張ってきたリンク先がどれもショボかったら自分でコツコツ開拓していた方が面白いだろ、と。胡散臭いキーワードちらつかされても(バズワード)段々その信頼性すら怪しくなってきているのが現状なんですな。

右肩上がりで私腹を肥やそうとしても、波間に居れば必ず波の谷があるんですがそれすらを避けるように波の山の稜線だけを選んで進もうとする輩がいるんですな。その手の輩の大半は波間に体を入れることすらも拒むクセに海は見たいだのと抜かすんですよ(笑)。

で、いざ海に入るとクルーザーやら遊覧船やら客船に乗ってるワケですよ。その辺に人が泳いでいようが露知らずで、大波立てて巡航するんですな(笑)。

しかし波間をセコセコ漂う人達が起こした漣が一定の潮流を起こして、時には三角波(※ADSRで言う「さんかくは」ではなく航海用語の「さんかくなみ」)まで起こしちゃうんですな。その三角波に豪華客船は遭えなく飲み込まれ沈没する、と。

つまり、プカプカ波に任せて遭難しない程度に海に出てりゃあイイものを、波が小さければ波起こせとばかりにズカズカ乗り込んで、結局バカを見る、と。

風が吹けば桶屋が儲かった時代が、今や風が吹くと桶屋がバタフライ効果受けて店畳む時代なんですよ(笑)。

沈没する寸前に少しでも富を得ようとばかりにオーバーシュート狙いの輩もおりますが(笑)。あーだこーだ世間を煽動している輩がいるのですな。

それと同様に訴求力の無いモノをあたかもご立派な宣伝文句を駆使して買ってもらおうとそればかりが目立ってしまい、本質部分の良さが伝わってこなくなってしまったのが現在の音楽産業を非常によく表している現象なのではないかと。

あれこれメディアミックスしていたら、宣伝文句9割5分で残り5分が1厘にも満たないパワーで興醒め。こういうコト今じゃ全く珍しくありませんね(笑)。

そういう流れになってきているからこそ、今消費者は自分自身の嗜好においては極限を極めるとばかりに没頭し、不要なコンテンツから保護するかのように邁進しようとしている時代なのですな。おぼろげながらも自分自身の嗜好性をより強固にしようとしていることに気付いている人はかなり多いのではないでしょうか。

ゆえに、それにマッチしたコンテンツは富を生む、と。

要らぬ宣伝文句をベタベタ張るヒマあったら、消費者の心を掴んでみろ、と。今はそういうコアなサブカルチャーを重要視しなければならないのでありますよ。オタクと呼ばれたコンテンツが実は最も怪我されていなかった領域なのかもしれませんね(笑)。

タモリ倶楽部なんて見てみると、道楽の極み入ってますよ(笑)。あれこそが真のオタク人生というか価値観だと思うんですな。

前年度アップの業績を確保すべく、売れ筋タレント使って年度末に矢継ぎ早にリリース。消費者が欲しがっているのではなく、業界筋が「欲しがっている」のが年度末アルバムリリースというのがほとんど。好きになってしまった人はついつい買ってしまうんですよね、アルバムを。

J-POPのチャート系のシングルを買い漁るタイプの人が居ますが、そういう人に言わせると、曲を聴いて覚えることで記憶の手助けになるんだとか。絵日記みたいなモンなんでしょうな。曲自体には思い入れはなく、その曲によって記憶を強固にするのだ、と。なるほど・・・。そういう聴き方もあるんですな。まあ、確かに私がJeff Beckのアルバム「ブロウ・バイ・ブロウ」収録の「Air Blower」を聴けば、コレが裏コード(裏モードのアプローチ)の使い方なのか!と初めて覚えた学生時代を思い出しますね(笑)。似たようなモンなんでしょうか。

CMやサントラになってる曲のコンピアルバムとか、実に安直ですよね。iTunes Store行けばもっとマシな曲紹介を素人のみなさんがプロデュースして集めてますよ(中には玄人さんもいると思いますが)。底を打ったと思ったらまた以前の手法を繰り返そうとするのはそろそろ通用しないのではないのかと思いますけどねー。